2021年のレコード大賞は「Da-iCE」の「CITRUS」に決定!
「だと思った!で読み方は?」という人のために書いとくと、「ダイス」という男性5人のグループが歌う「シトラス」。
多少の時差は無視するとして、CITRUSはドラマ「極主夫道」の主題歌で使われたという。
個人的に「極主夫道」については、日本に住んでいるトルコ人から「超おもしろい!見るべし見るべし!」とこのアニメを強烈にすすめられて初めて知った。
江戸時代に行われた賭博の一種、三枚ガルタで最悪とされた札の「八・九・三」がヤクザの語源といわれる。
(当時の風俗を記した『嬉遊笑覧』に「悪きことの隠語を八九三といひ始めたるなり」とある)
江戸時代の日本人は想像しなかっただろうけど、それがいまでは「Yakuza」という世界的に有名な英単語になった。
でも意味がオリジナルと離れて現地化されていった結果、日本人には意味不明なヤクザの使われ方がよくされている。
タイへ行ったときにはコンビニで、「チャクザ(Chakuza)」という緑茶の炭酸飲料を見つけた。
カレーラムネとかウナギコーラとか、外国人からすると異次元の飲料水のある日本でも「ヤクザ味」はないんで、買って飲んでみたら、二度目は絶対ないというヒドイ味。
そんなチャクザを(途中まで)飲んだあと、ショッピングモールをぶらぶらしていたときに出会ったのが、このTシャツです。
話を「極主夫道」に戻そう。
トルコ人がこのアニメの良さについて熱く語っていたとき、アメリカ人もいて日本のヤクザと海外のマフィアとの違いが話題となる。
そのトルコ人からすると、ヤクザはもちろん犯罪組織だから恐ろしい存在だけど、アニメやドラマではわりと庶民にやさしいから、親しみを感じる。
でもそれは架空のヤクザで、現実には恐喝や覚醒剤の密売などを仕事にしているヤクザも多い。でも、弱者を守る「任侠」の精神もかすかに残っているかも。
そのあとトルコ人はこんなことを言う。
「日本ではヤクザが運送業で働いているから、アパートに宅配便が届くと緊張する。トルコや欧米でそんな話は聞いたことがない」
そうか?そんな話は初耳なんだが。
その情報の出どころが気になったから聞いてみると、トルコ人はユーチューブ動画でたくさんのヤクザが働く運送屋を見たという。
これも実際には、裏の仕事から足を洗った元ヤクザの人たちが運送業で働くこともある、ということだろう。
トルコ人を震えさせたユーチューブ動画はきっとかなり誇張している。
アメリカ人が着目したのは武器の違い。
マフィアは銃を使って“シゴト”をするけど、ヤクザは刀を振り回すイメージがある。アメリカの映画やドラマでヤクザを登場させるのは、日本人が刀を使うシーンは視聴者受けがいいからだろうと言う。
いまのヤクザが日本刀を使うかは知らんけど、たしかに海外のマフィアにはない”オリジナリティ”はある。
さて、世界中の人が参考にする英語版ウィキペディアで、ヤクザはどんなふうに紹介されているのか?
そこをのぞくと、日本のヤクザは英語のギャング(gangster)やマフィア(Mafia)に相当するが、厳しい上下関係や小指を切断する「指詰め」という独特の儀式があるところがギャングやマフィアとは違うという。
The yakuza are known for their strict codes of conduct, their organized fiefdom nature and several unconventional ritual practices such as yubitsume or amputation of the left little finger.
外国人がどんなイメージを持っていたとしても、日本でヤクザや暴力団はなくさないといけない社会の敵。
それで暴力団の封じ込めを目的とする暴力団対策法が施行されたころから、多くのヤクザが追い詰められていき、足を洗う人たちも増えてきた。
それで運送業を始めた人もいる。
海外にも、そういう元ギャングやマフィアの構成員がいるかもしれない。
でも、お婆さんが裁判に訴えたら、裏組織のトップが謝罪したという出来事は起こるのだろうか。
NHKニュース(2020年10月29日)
特殊詐欺訴訟で稲川会が被害額を上回る和解金支払い
息子を語る暴力団組員に660万円をだまし取られた80代の女性が損害賠償を求めて、その組員が属する「稲川会」の総裁らを裁判に訴えた。
結果、稲川会は責任を認めて謝罪したうえで、800万円を支払うことで和解が成立。
裁判を終えて、「だまされてお金をとられこれまで自分を責めてつらい思いをしていました。今後、私のようなだまされる人がいなくなればと思います」とお婆さんはコメントする。
昨年末に先ほどのトルコ人と会ったときにこの話をしたら、目を大きく開けて「え?」と言ってしばし絶句した。
トルコでマフィア相手に一般人がそんなことをしたら、きっとその人はすぐに行方不明になると言う。
アメリカ人に聞いても同じことを言うような気がする。
そのトルコ人にとっては、アニメで元ヤクザがかわいいキャラ弁を作ることより、現実世界でお婆さんがヤクザのトップに謝罪と賠償を認めさせたことのほうがサプライズで、こんなことが起こるのは日本ぐらいだろうと言う。
ほかの外国人に聞いたことはないけれど、「それ、ウチの国でもあったー」なんて反応は返ってこなくて、トルコ人のように絶句すると思う。
> その情報の出どころが気になったから聞いてみると、トルコ人はユーチューブ動画でたくさんのヤクザが働く運送屋を見たという。
何のことかな? もしかしてそのトルコ人は、菅原文太が主演の「仁義なき戦い」と「トラック野郎」をごっちゃにしているんじゃないですか?