日本みたいな小さな国がなんで中国に勝ち、さらにロシアまで撃破することができのか?
てか、なんでうちらは日本に負けたのか?
そんな疑問を持つ中国人さんは多いようで、中国メディアの網易が「猫の額ほどの土地の日本は、なぜ明治維新後に清とロシア帝国に勝てたのか」というタイトルの記事を載せてその理由を分析した。
サーチナ(2022-01-14)
明治維新後の日本、清とロシアを相手に「連戦連勝」が可能だった理由=中国
猫の額の日本が日清・日露戦争で勝利を手にしたワケは?
戦端が開かれる少し前まで、日本も清も西洋の進んだ技術や制度を導入していたが、明治維新と清の洋務運動には大きな差があった。
中国メディアはそれを「日本の明治維新は広範囲での改革だったこと」と指摘する。
日本は政治や軍隊の制度、文化や教育など社会のあらゆる面を根底から一新して、江戸時代の日本とは「換骨奪胎」と言えるほど別の国に生まれ変わったという。
*換骨奪胎(かんこつだったい)とは骨を取りかえて、子どもの宿る胎を自分のものとするという意味。
それまでの詩文などの表現や形式を借りながらも、独自の変化を加えてオリジナルの作品を作りあげること。
日本が換骨奪胎なら、清は言ってみれば「小手先」だった。
当時の清の最高実力者だった西太后が、死守したかったのは自身の権力だ。
西太后とその周りの人間は地位・金・権力だけは絶対に失いたくなかったから、大胆な社会変革を嫌い、洋務運動の近代化改革も表面的なもので終わってしまう。
だから江戸幕府を崩壊させて、新しく国をつくり直した明治日本のような劇的ビフォー・アフターはなく、中国は「近代化」という塗装をしただけで、中身はほとんど変わっていなかった。
変わるべきタイミングでそれができなかった。
日清戦争のころの清は「金もなく、人材もおらず、自分の身を守ることしか考えておらず、戦争で相手を倒すなど無理な話だった」という状態だったとか。
これでは新生日本と戦って勝てるはずもなく。
日露戦争については、イギリスをはじめ西洋諸国にはロシアを抑え込みたいという考えがあり、そのために日本を利用した。
日本にとっては、国際環境が有利に動いてくれたことになる。
この中国メディアの見方に、猫の額ほどの土地に住む人たちの意見は?
・知識と危機感の差
日本は、このままだったら植民地になるとマジで考えていい環境だったから
・江戸時代には世界最大の都市江戸を中心にした先進国だった
・清は清側が近代化に遅れ雑魚ってたのは間違いない
ロシアは補給の問題だな
・戦争で勝つには不良っぽい人間を集めてもだめだとか誰か言ってた
真面目で命令を聞くような人間の集まりが強いらしい
・武器の説明書が読める奴が多い方がいいのに違いない
日本軍は普通の兵卒でも大概字が読めた
清の下級兵士は字が読めたのかにゃ?って感じで
では日中以外の、中立な立場の外国人はあの戦争をどう見たか。
当時、中国東北部にいて日清戦争をリアルタイムで目撃したイザベラ・バードというイギリス人がいる。
戦場へ向かう清の軍隊は、彼女の目には処刑場へ送られる囚人のように見えたらしい。
大きな旗を掲げているが、近代的な武器を装備している兵はごくわずかしかいない。ライフル銃一丁持たない屈強な体つきの連隊すらある!(中略)正確無比の村田式ライフル銃を持っている日本軍を相手に、このような装備の兵を何千人も送りだすのは殺人以外のなにものでもない。兵士もそれを知っていた。
「朝鮮紀行 (講談社学術文庫) イザベラ・バード」
ドナドナかな。
明治維新と洋務運動という両国の近代化の成否がここにも表れている。
日清戦争のころの清軍兵士
なんで中国は日本に敗北したのか。
そう考える中国人がいれば、「いや、中国は日本に負けていなかった」と言う中国人もいた。
むかし中国を旅行中、歴史にくわしい日本語ガイドから日清戦争について、「日本が戦ったのは清であって、中国ではありません」と聞いた。
はぁ?あんたバカァ?
という言葉は胸に秘めて、それはどういうことかガイドにたずねると、あれは日本と満州族の国・清との戦いであって、漢民族は当事者ではなかったという。
*漢民族は中国人口の90%以上を占める主要民族で、日本人が普通イメージする中国人はこの人たちのこと。
以下、ガイドが話したコト。
漢民族の国の明が1644年に滅亡して、中国は満州族の清に支配されることとなる。
統治者である満州族の人間は、漢民族に自分たちの文化や習慣を押し付けきやがった。
たとえば男性は辮髪にすることを強要された。
ラーメンマンの頭がまさに辮髪
清朝の力は絶対的で「頭を残す者は髪を残さず。髪を残す者は頭を残さず」といわれ、辮髪を拒否する人間は処刑された。
でも辮髪をして、恭順の意を示した者には安全を約束する。
辮髪を引っ張られる中国人
日清戦争のころの記録を読むと、清朝政府は漢民族の人間なら、いくら死んでもかまわないと捨て駒のように考えていた。
一方、漢民族の兵士の多くには、異民族の王朝である清のために戦う理由も動機もない。
最前線へ送られた兵士は、自分はどうせ殺されると思っていたから、進軍中に略奪とか好き勝手なことをしていて、軍規も何もない盗賊集団のような部隊もあった。
戦意喪失の状態で戦ったから、日本に負けるのは当たり前。
もし清朝ではなくて漢民族の国だったら、兵士は命がけで戦っていたはずで、そしたら中国はきっと勝っていた。
ということでガイドは満州族の清は敗北したけれど、漢民族の国(中国)だったら結果は違っていたという。
いやいや、歴史の「タラれば定食」にはキリがない。
それに、(1984ー1644で)250年前から前提を変えるなんていったら、もう歴史ファンタジーの話になる。
それでも日本に勝てたかどうか。
あのとき漢民族の王朝だったら、西洋の文化や文明をうまく取り入れて劇的に国を変えることに成功し、村田式ライフル銃のような近代的な武器のある軍隊を用意して、日本を迎え撃つことができた。なんて話はもはや歴史アニメだ。それか精神勝利か。
あのとき日本に敗北したことは、ガイド的にはメチャクチャ悔しいということだろう。
ただ近代化に失敗して、さらに異民族王朝のために戦うということで軍の戦意がゼロだったなら、そりゃ未来は敗北か大敗北しかない。
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> (第一線の兵士達が)戦意喪失の状態で戦ったから、日本に負けるのは当たり前。
> もし清朝ではなくて漢民族の国だったら、兵士は命がけで戦っていたはずで、そしたら中国はきっと勝っていた。
どわははは、その中国人ガイドによる歴史分析(?)を聞いて少し安心しました。