いまから1か月前の1月16日は初閻魔(えんま)の祭日で恐れおののけ、地獄のフタが開く日だったのだ。
江戸時代には1月16日と7月16日の年に二回、「藪(やぶ)入り」というお休みがあって、奉公人が店の主人からお小遣いをもらってお土産を買って実家に帰ったり、遊びに出かけることができた。
毎月16日は閻魔の縁日でお祭りがあるから、1月の初めての祭日で閻魔さまにお参りをしてから実家へ帰る人も多かったという。
「ゴゴゴ…」か「パカっ!」か知らんけど1月と7月の16日は地獄のフタが開き、いつも拷問のような苦しみを思いをしている亡者や、苦痛を与えている鬼どもが休む日(閻魔賽日)となっていた。
だからフタが開いたからといって、地獄の鬼や死霊がこの世にやってきて陰陽師らと戦う「呪術廻戦」が行われるワケでもない。
亡者も鬼も人間もみんな休みというほのぼの平和な日だ。
ちなみに浄土真宗では、亡くなった信者はチョクで極楽浄土に行くことになっているから、地獄に落ちるという発想がない。
そして現代、コロナウイルスという鬼に苦しめられている日本人にも明日はくる。
となると、朝起きて仕事に行かないといけない。たとえワクチン接種の副作用で苦しんでいたとしてもだ。
そんな人が50%以上もいることが判明した。
時事通信(2022年02月12日)
副反応でも過半数休まず コロナワクチン、解熱剤服用で出勤も
日本政府は社員に副反応があった場合、休みをとれる制度の導入を企業に求めている。が実際には、副反応が出ても54.3%の人が仕事や学校などを休まなかったという。
「解熱剤を飲んで会社に行った」(50代男性)
「会社に行ったら熱が出て、解熱剤を飲んで乗り切った」(20代女性)
こんな感じで、休みたくても労働環境がそれを許してくれない。
もちろん全身の疲労感や頭痛などを感じて、休みをとる人も少なからずいたが、それでもほとんどは1日だけだ。
こんな話を知人のドイツ人にしたら、「副作用があって体調が悪いのに、半分以上の人が仕事に行くなんて…。『日本人は仕事に異常に厳しい』とYouTube動画で言っていたことは事実だったんだ…」と絶句。
日本のネット民の感想は?
・もともと38度台くらいあっても休み明けの負荷が怖くてみんな働いてたろ
・日本人の美学
・39.3℃まで上がったけどロキソニン飲んで仕事行った。
・奴隷多すぎだな
・風邪ごときで仕事休んでられないよな
東アフリカのマダガスカル人に、日本人についてどんな印象を持っているか聞いたら、「礼儀正しい」と「真面目で仕事熱心」の2つを挙げた。
これはもう海外にある日本人の鉄板イメージだ。
なんせ働きすぎが原因で、突然死する過労死という日本語がそのまま英語になって、ウィキペデアに項目まで作られているぐらいなのだから。
Karoshi (過労死, Karōshi), which can be translated literally as “overwork death”, is a Japanese term relating to occupational sudden mortality.
あの世に行かなくても、職場という地獄で責め苦を体験している人もいる。
海外からみると、「~もいる」というレベルを超えて日本の労働環境は異常ゾーンにあるから、国際通貨基金(IMF)が問題視して仕事を減らすよう訴えた。
産経新聞(2017.11.22)
IMF、「KAROSHI(過労死)」問題視 日本に残業抑制を提言
「Syachiku」が国際語になる前になんとかしないと。
人類最古の公衆トイレ。古代ローマの温泉とプライバシーという考え
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