「厚生労働省の推奨に従い
レジ担当者も勤務中の水分補給をさせていただきます。
お客様のご理解をお願い申し上げます」
スーパーの店内でこんな説明を見て同情した人がツイートしたところ、多くの共感が寄せられて話題になった。
そんな日本をアメリカ人がどう思ったか?ということを、このまえ記事に書いた。
スーパーの従業員が客の前で水を飲むことについて、ここまで文句を言うのは日本人ぐらいでは?
そう思ってSNSにこの出来事を紹介したところ、いろんな反応がきて、働き方について日本人と外国人の価値観や見方の違いがクッキリとあらわれた。
ということでこれからそれを紹介していこう。
薄々わかってると思うけど、「そんなことは“もってのほか”」「真面目に仕事しなかったら日本では暮らせません」という批判的な意見を書き込んだのは日本人だけで、外国人では皆無だった。
オランダ人:what I find is that Japan has the best customer service in the world.
「日本のサービスは世界一」と言うこの人は、そのために従業員には過重な負担がかかることを想像してこう言う。
The shop lets the customer know that the employees are not lazy and they do care for the customer, but still need to hydrate.
従業員が水分補給をするのは、なまけているわけでも客を無視しているわけでもない。店はそのことを客に知らせる必要がある。
ヨーロッパでは客がいても、店の人はスマホをいじったり友だちとおしゃべりをしたりと割と自由らしい。
Here in Europe you have cashiers talking or texting on their mobiles or chatting to their friends while serving you.
スペイン人の見方はこうだ。
Looks very excessive for me. Of course they need to drink, go to the toilet, eat,…As a costumer it doesn’t bothered to me.
とても行き過ぎていると思う。
従業員が水を飲んだりトイレに行くのは当然。客として、わたしはそんなことを気しない。
イギリス人:暑いときに、水は必要なものだからちょっと厳しいです。😳
フランス人:Work is the main reason why I won’t live there :/
日本は仕事中心だから、わたしは住みたくない。
ミャンマー人:Cashiers are human beings and water is not luxury but necessity for human beings. Of course, if a cashier is purposely taking time and delaying customers, that is unacceptable. However, not allowing the cashiers to drink water swiftly is inhuman and I feel that it is breaking human right!
水分補給はぜい沢なことではなくて、人として必要なこと。
あえて仕事を遅らせるのでなければ、レジ係も人間なんだから、水を飲ませないのは非人道的で人権侵害のように感じる。
ブラジル人は「I respect them for all their hard work – Love them and Love Japan 🇯🇵」(日本人の熱心な仕事ぶりには敬意をはらうし、日本は大好き)と言うけど、客がいると従業員が水を飲めないということには「I don’t agree」と反対の立場。
メキシコ人:I don’t understand why customers can get angry… Being thirsty is a normal thing for all…
「のどがかわくのは人間なら当たり前で、なんで客が怒るのか理解できない」と言うこのメキシコ人にとっては、こんなことで怒る人間の方こそマナーに欠ける。(It shows the lack of manners of the costumer)
ほかにもこの人は、日本人はプライドが高すぎて他人の失敗を許せないのだと指摘する。
アラブ人:قد تكون على حق لكن الشعب الياباني ليس قاس يقولون هذا ﻻنه ﻻ يحترم من امامه
アラビア語はお手上げで機械翻訳したら、「あなたは正しいかもしれませんが、日本人は残酷ではありません目の前の人を尊重しないので」と出てきた。
従業員が水を飲んでもいい、という意見だと思う。
タイ人:Because of your health eating,drinking or refreshment how it Possible to engage costumers/work
健康のために食べたり飲んだりリフレッシュしないで、どうやって仕事ができるのか?
日本人としては「いやいやいや」とツッコみたくなる部分はあると思うけど、この件に関しては、欧米・東南アジア・アラブの人たちが従業員の水分補給を当然のことと考えている。
「客に対して礼儀に欠ける」と思う人がいれば、「人権侵害」に見える人もいる。
個人的には店員が水を飲んでも気にしないし、そんなことで店に文句を言う人は「クレーマー」に属すると思っている。
NHKが全国の人を対象に2015年におこなった世論調査によると、戦後の日本で失われたと思うものの1位が「心にゆとりのある社会」(48%)だった。
昔と今の日本を比較すると、心の余裕や人同士のつながりが減ったと感じる日本人は本当に多い。
ちなみに2番目が「地域で互いに助け合う社会」(38%)、3番目は「家族の絆が強い社会」(35%)
くわしいことは 世論調査でみる日本人の「戦後」 をどうぞ。
日本人のサービスは世界的に見ると、最高レベルにあるのはまず間違いない。
それを当然と思って感謝しなくてもいいけど、多少のことは気にしない心の余裕はあったほうがいい。
レジの人が水を飲むのを見ると不愉快になる、というのはゆとりを失っている。
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心の弱い者たちがさらに立場の弱いものをたたく~♪
なんか1曲できそうな予感