価値観が違う:日本人から見たフランス人の良い面・悪い面

 

フランスが最近、「インド太平洋戦略」のパートナー国として日本を選んだ。
潜水艦の開発計画をキャンセルされたことで激おこのフランスは、オーストラリアを格下げにして、日本が代わりに浮上したらしい。
まぁ日本はドタキャンなんてまずしないから、安心してほしい。

さて今日2月24日は「鉄道ストの日」だ。
1898年のこの日、日本で初めて鉄道ストライキが実施され、上野 – 青森間の列車が運休したことにちなんでこの記念日がつくられた。
ちなみに人類の歴史上、最古のストライキは古代エジプトで、ピラミッド(ファラオの墓)を建設していた労働者が起こしたものといわれている。

そして現代の世界で、ストライキがよく起こる国として有名なのがフランス。
知人が新婚旅行でフランスへ行ったとき、鉄道(か何か)のストがあって、楽しみにしていたヴェルサイユ宮殿を見れなかったと怒っていた。
先月にも政府のコロナ対策にブチギレて、全国の75%の教職員がストライキを行い、国内の幼稚園や小中高校の約半数が閉鎖したという。

時事通信(2022年01月14日)

教員ストで学校半数閉鎖 コロナ規制混乱に抗議―仏

良くも悪くも労働者の権利が尊重されているフランスでは、日本ではありえないようなことがよく起こるのだ。

 

 

「まさか」が現実になるのは、日本人とフランス人では価値観や考え方が違うから。
それはフランス在住の日本人がよく知っていると思って、前に彼らに聞いてみたんで、そのとき寄せられたコメントを以下に紹介しよう。

 

・フランス人は気さくで優しいと思います。
道を聞いたら親切に教えてくれたし。
パリののポンヌフで写真を撮ってもらった時も、「良い旅を」と言ってくれましたよ。

・ケチな人が多いですね。
個人的に腹が立つのは旧植民地から来た人たちです。
美術館や博物館などにいるガードマンや案内人がエラそうで、自分ら日本人をよく見下します。
観光立国が泣きますよ。
イタリアは良い感じでしたが。

・フランス人の友達が日比谷公園にいたたくさんのハトを見て、「オイシソウ!」と言った時は衝撃的でした。笑。

・日本では今でも、結婚しないで子どもを持つことは一般的ではないと思います。だから「独身=未婚」ですよね。
でもフランスだと非婚で独り身でも子どもがいる場合がよくあって、「独身だけど、4歳の娘がいるんだ」なんて言われたりします。
別れた後に妊娠がわかったとか、妊娠がわかった後に別れたとか、事情はそれぞれですが日本から来たばかりのころは本当に驚きました。

・まえに働いていたお店で営業の終わりごろになって、「いまから行く」と電話がきました。
どう考えても、そこから30分はかかるのに。
で、ラストオーダーが過ぎて片付けを始めたころに電話主が登場。
もちろん追い返しました。
ダメ元で来たのでしょうけど、うらやましいほど自由で勝手な人が多いです。

・列の横入りをする人がいます。
郵便局や美術館で長い列があると絶対一人は何食わぬ顔で入ってきて、「ちょっと」と指摘されると「あー知らなかった」と言って後ろへ行く。
バカンスでイタリアへ行ったとき、横入りする人を見てイタリア人が「またフランス人かっ」て怒ってるのを見ました。

・「交差点へはつっこめ。道を譲るな。」とパリで教わりました。

・前後の狭い空間に駐車していた車が、自分の車を前と後ろの車にガンガンぶつけながらスペースをつくって、平然と出て行くのを見てびっくりしました。

・待ち合わせに遅れることを「パリの15分」と言います。で、なぜか時間どおりに来た人が責められる。
15分っていっても、1時間以上遅れることもありました。
だからそれを前提に、路上じゃなくてカフェで待ち合わせをしています。
それと7時始まりのパーティで、9時や10時に人が来ることもよくあります。

・フランス語の先生に最近自分の親が弱くなってしまったと話したら、「C’est la vie!」と言われました。
*セラヴィは「これが人生さ」といった意味
ピークを過ぎたら、下がっていくのが人生だから受け入れなさいと。
いい感じの諦念ですね。
日本人の発想だとこの言葉は出てこないなーと感じました。

・結婚や出産の祝いでお返しはなし。
祝いの金額も人それぞれで、相場はないですね。
学校でのボランティア活動や先生への贈り物もしたい人がするだけで、しなくても非難されることはありません。
みんな基本的にみんな自由で他人に干渉しません。

 

・フランス人はひねくれてます。
以前、フランスに詳しい知人からこう言われました。

「レストランで食事して、すごく美味しかったとしても「C’est bon」(おいしい)とだけ言えばいい。彼らは素直じゃないから、店の料理に自信を持ってるくせに、大げさにほめられると「これがそこまで美味しいと思うの?ずいぶん安い舌をしてるね!」という態度をとられる」

実際、私がアヌシーの4つ星ホテルのメインダイニングで食事したとき、ビックリするほど美味しい料理が出てきて、ワインの酔いもあったせいか、つい「C’est Magnifique」(これは素晴らしい!)と言っちゃったんです。
そしたら20代ぐらいのギャルソンヌに、素顔で「I don’t understand 」って言われました。
英語は嫌いなはずなのに。
ホントやらしいです(笑)

・初対面だと見て見ぬふりで、けっこう冷たいです。でもそれにめげずに食らいついていくと、受け入れてくれてとことん親身になります。

・南フランスとパリではまったく違いました。
パリは物価が高いしみんな忙しそうで、街もあまりキレイではなかったです。治安も悪いし。
パリでは嫌な思いを何回かしましたけど、田舎はのんびりしていて人も穏やかで、つくづく「違うんだなぁ〜」と感じましたよ。

・昔は制限速度で運転していたら、「おまえはアホか?」となりました。
でも、速度取締り機ができてバンバン違反者が捕まるようになってからは、みんな速度を守るようになったと思います。

 

さて、こんなフランスの「インド太平洋戦略」のパートナー国となったことで、日本はこれからどう変わるのか。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。