【無視と不信】日本人を怒らせた、韓国側の不誠実な態度

 

韓国の鄭(チョン)外相とは正式な会談はもちろん、電話会談にも応じていない。
そんな「無視戦略」を少し変更して、林外相が向かい合って話をする気になったらしい。

朝鮮日報(2022/02/07)

「佐渡金山」の負担高まる日本、韓国無視戦略やめ「二国間会談を推進」

佐渡の金山をユネスコ世界文化遺産に登録したい日本としては、韓国との話し合いを避けることはできない。
それで「無視」をやめてやっと会談に応じた。
でも、佐渡金山を「強制労働の現場」と主張する韓国側に、林外相は「独自の主張は受け入れられない」と突っぱねる。
そして日本が元徴用工・慰安婦問題で韓国側に善処を求めると、鄭外相は「被害者が受け入れられる解決策を見いだす」ことが大事だと突っぱねる。
結局、「話し合いじゃ話にならない」といういつもの平行線で終わる。

韓国は、日本が「無視」していると非難するけれどそれはお互いさまだ。
2018年に元徴用工訴訟で韓国最高裁が日本企業に賠償を命ずる判決を下すと、日本はこれに反発し、日韓請求権協定に基づく仲裁委員会の設置を求めた。
でも韓国はこれを無視したから、委員会の設置はできず。

つい最近も、韓国の首相が日本との歴史問題について、「対話が至急必要だ。両国の指導者は未来の世代のため努力しないといけない」と訴えたが、それだけで、日本の求める改善策の提示は一切スルー。
いまの日本と韓国は「無視 vs 無視」の応酬で、まったく関係改善の気配がない。

日本が韓国を「無視」するようになった原因は何か?
それを考えると約3年前の2018年12月、日本海で韓国海軍の艦船が自衛隊機に攻撃用レーダー(火器管制レーダー)を当てた「韓国海軍レーダー照射問題」が思い浮かぶ。

このとき韓国側は日本に矛盾を突かれると、言うことをコロコロ変えたから、いつもは韓国寄りの朝日新聞も社説で「発生から時間が経つにつれて韓国側が説明を変えたのは不可解であり、混乱を深めた」と叱った。(2018年12月27日)

日韓防衛摩擦 不毛な悪循環を避けよ

そしてこうも書く。

「一連の韓国軍の動きにもし、民族主義的な感情が影を落としているのなら看過できない。」

韓国側の反日感情がこの事件をより複雑に、より解決困難にさせたことは間違いない。

日本(防衛省)は主張の正しさを証明するため、このとき思い切って証拠映像を公開した。

 

 

これによって韓国側の「北朝鮮の漁船を捜索していた」、「当時は天候が荒く、波も高かったためレーダーを使わざるを得なかった」といった主張が間違いだとばれる。
すると韓国は「捜索していた(=まだ見つかっていない)」から「人道主義的な救助作戦」へ説明をすり替えた。

それでも劣勢になった韓国側は「自衛隊機が危険な低空飛行をした」と新しい主張を始めて、逆に日本へ謝罪を要求し始める。
日本の防衛省と韓国軍との間で行われた話し合いでは、「共同で検証していくことを提案しましたが、受け入れられませんでした。」という無念そうな言葉が防衛省HP(下記)にある。
日本の提案を無視したのは韓国だ。

客観的な根拠を示さないで、「謝罪を求めるといった対応に終始しています」という韓国の態度に防衛省はとうとうサジを投げる。
「本件事案に関する協議を韓国側と続けていくことはもはや困難である」という結論に達した。

防衛省は、実務者協議において、更なる客観的根拠の提示を求めましたが、韓国側からは、そのようなものは示されず、逆に「脅威を受けた者が、脅威と感じれば、それは脅威である」などの全く客観性に欠ける回答を繰り返しています。

韓国海軍駆逐艦による自衛隊機への火器管制レーダー照射に関する 防衛省の最終見解について

 

根拠がなくても自分たちがそう「感じれば」事実になり、それに基づいて日本は謝罪しなければならない。
こんな韓国を日本はあきらめた。
日本による「韓国無視」はこのあと加速していったと思う。
韓国側としては両国民、全世界が見ている場で、自分たちの非を認めて謝罪するという悪夢を避けることができたから、これは“勝利”だ。
こんな韓国の強硬な態度には、絶対に譲れない「民族主義的な感情」があったはず。

でもこれが大きな原因となって、日本人の約8割が韓国を信用しなくなった。

中央日報(2019.02.19)

韓日間の強制徴用賠償判決と射撃レーダー照射問題などで外交的葛藤が深まる中、日本人の3分の2以上が韓国を信用できない国と考えていることが分かった

日本メディア「日本人77% 韓国人信用できない」

 

日本政府が「韓国無視戦略」を続けることができたのは、韓国側がつくったこうした民意があるからだ。

 

 

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2 件のコメント

  • ロシアのウクライナ侵攻により、日本も韓国も、相当な危機感をもって自国の安全保障をいま一度よく考えるべき状況に陥りました。あれを見ても、日本人はまだ「憲法9条による平和主義」に拘るのでしょうかね? ここで世界の現実に目を向けて、自国の安全保障体制を実効性あるものに見直すことができないとしたら、今後の若い人達はいずれ大きな困難に直面するでしょう。
    韓国は、あれを見ても、やはり反日離米・自主国防路線の夢から目が覚めないのでしょうか。もしそうだとしたら、これも上記のような日本人の頑迷さに同様の、愚かな考えです。
    ま、それでも韓国のことは韓国人自身が選択すればよい話。次の大統領選挙で分かりますけどね。

  • ロシアのウクライナ侵略に対し、さきほど、欧米は「国際銀行決済ネットワークからのロシア金融機関の排除」を決定したと発表しました。これは、非軍事的な経済制裁としては最強の措置です。これがもし欧米の発表の通り数日以内に実施されるとしたら、ロシア経済は壊滅的な打撃を受けるでしょう。欧米側の浴びる返り血も、ある程度は避けられません。ですが、これしか、ロシアに対する軍事的手段以外の有効な反撃方法がない。
    日本も欧米に歩調を合わせて、ロシアの暴挙を徹底的に諌めるべきです。一部の反戦主義者(?)たちが唱えるように日本だけ傍観者に留まることは不可能、日本は小国ではないのです。

    ロシアへの経済制裁に関して韓国は未だに迷いがあって、世論も割れているようですね。ロシアからの報復が怖い? 中国からの非難が怖い? でもそれは韓国の国民自身が判断することです。もうすぐ大統領選挙ですから。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。