これだと、「痴漢行為を招くから、生足の見えるスカートをはくな」と言ってるようなものでは?
南日本新聞社(2022/03/07)
ポニーテール禁止なぜ? 質問に担任は答えた 「男子がうなじに興奮するから」 16歳女子生徒は思う 「校則つくった人の感覚おかしい」
いろんな人が同じ空間で生活するのだから、周囲を不快にさせたり騒がせないようなルールや基準をつくって、それを守らせることは大事。
でも、「ポニテ禁止」とか「下着の色は白のみ」みたいに、合理性や必要性に疑問を感じさせるようなきまりだと物議をかもすことになる。
ただ、「男子がうなじに興奮するから」と言われたのは、いま鹿児島市にいる女子高生が中学生だったころの話だから、いまでも生徒がその校則に拘束されているかは分からない。
ちなみに、男子だけが長髪を禁止されていた理由を先生に質問したら、「ここは鹿児島だから」という答えが返ってきたとか。
ネットを見てもこの校則に共感する人はほぼいない。
・男子(教師)がうなじに興奮するからだな
・うちの中学、女子はタイツ禁止だけどストッキングはOK
但しストッキングは黒のみでその場合靴下は白のみ、という謎ルールがあった
・世の中不条理なことだらけなのに
この程度の校則守れないとか
・この校則を作った人は変態だったのだろう。
・女性教諭も当然ポニテ禁止なんよな?
・男の子のうなじで興奮するから丸坊主禁止
日本でこうした「ブラック校則」がよく話題になるのは、自分も同じような疑問を持っていたという人が多いからだろう。
でもメディアや議会で取り上げられることも多くなって、議論が進んだ結果、都立高校では来月4月から、下着の色の指定や髪を黒に染めることがなくなり、ツーブロックもOKとなった。
地毛の証明の提出については廃止したり、引き続き求めていく学校もあるから、このへんの判断は学校によって違う。
とはいえガチャではないから、「納得いかない校則のある学校には行かない」という選択肢も当然ありだ。
「ポニーテール」については、日本の大学に通っていたインドネシア人の男性イスラム教徒から、「衝撃的だった」という話を聞いたことがある。
イスラム教徒の女性はヒジャブという布を頭に巻いて、髪を隠すことがルールだから(すべてではない)、彼は日本の大学で女子大生のうなじを間近で見て「マジかっ」とドキッとした。
ヒジャブ着用が一般的な社会から、日本のような解放空間に来たら、こう思う気持ちは分かる。
でも、これはいったい何なのか。
英デイリーメール(19 December 2017)
Turkish Islamic preacher says men without beards cause ‘indecent thoughts’ in other men because they look like women
トルコのイスラム指導者が、ヒゲのない男性は女性のように見えるから、他の男性に「わいせつな考え」を引き起こすとテレビで発言した。
つまりこの指導者は、男ならヒゲを生やせ、素肌を隠せと言っているのだ。
なら外務省は、日本人男性向けに渡航注意を出すべきだ。
ただ、ヒゲのない男性は他のイスラム教徒の男性の性欲を刺激する、という発想はトルコでもドン引きの人がたくさんいたから、この発言は炎上したという。(ヨカッタ)
欧米人の反応を見ると、「いまのところ今年一番のバカ発言(the dumbest statement I have seen so far this year)」とあきれる人が多いなか、「ブラック校則」を思い出す人もいた。
・Now they’ll know how girls feel when schools send us home for “too short skirts” or blouses that are too revealing of our shoulders.
これで先生たちは、「スカートが短すぎる」とか「ブラウスから肩が露出しすぎている」という理由で、学校から帰された女の子の気持ちがわかるようになるだろうね。
・catholic school sent me home for having hair too long…
カトリックの学校で、髪が長すぎるという理由で家に帰された…
ほかにも、「男子がうなじに興奮するから、女子生徒のポニーテールは禁止」とした日本の学校教員を彷彿させるような意見も多々ある。
・Just saying that explains why he gets turned on by clean shaven men
ヒゲのない男性に、彼が興奮してしまうことを説明しているだけだ。
・I can only assume he’s telling us what goes on in his head when he sees a man without a beard. Sick Fuck.
彼がヒゲのない男性を見ると、頭の中で何を考えているのかを語っているとしか思えない。病んでる。
・How would he know?
彼はどうしてわかるんだろう?
・There are better ways to come out.
(自分がゲイだと)カミングアウトするには、もっといいやり方があるはずだ。
・Don’t they have control over their own thoughts and desires.
彼らは自分の考えや欲望をコントロールすることができないのでしょうか。
どこの社会でもマナーや節度を守って行動することは大事で、周囲に迷惑がかかったり、秩序が乱れたりしないように海外にも校則やルールはある。
でも、それを適用する側が説得力のある説明をできないと、「それはあなたのためのルールでは?」と揶揄(やゆ)されることも、どこの国にもあるのだ。
> でも、これはいったい何なのか。
> 英デイリーメール(19 December 2017)
> トルコのイスラム指導者が、ヒゲのない男性は女性のように見えるから、他の男性に「わいせつな考え」を引き起こすとテレビで発言した。つまりこの指導者は、男ならヒゲを生やせ、素肌を隠せと言っているのだ。
イスラム圏(を含めた海外諸国)におけるこの問題「男は髭を生やすべき」というのは、実は、日本人の感覚で考えるほどには、あまり軽々しい話ではないのですよ。
もう30年以上も前のことになりますが、私も若い頃に、欧米や東南アジアで「自分の身の安全を守るためにお前は髭を生やした方がいい」と何度か勧められました。というのも、多くの外国人に比べて、日本人は元々体毛が少なく、肌がすべすべしているので、どうしても「幼児」「女性」を連想させるらしいのです。で、連想するだけならまだしも、国・地域によっては「有無を言わさず実力行使」に及ぶ男たちも存在しますから。
かく言う私も、米国のとある田舎の映画館の片隅で、もうちょっとで「貞操の危機」(?)だったという経験があります。翌日すぐさま床屋に行ってヒッピー頭だったのをクルーカットにして、付け髭(とりあえず)とサングラスを身につけることにしました。
その後はなぜか、女性にモテるようになったなぁ(年齢問わず)。なんだったんだ、あれは。
21世紀の現在では、また事情が違ってきているのでしょうけどね。