太陽が昇る様子を表すめでたい「旭日」のデザインは、数百年前からある日本文化の一つ。
日本国内のさまざまな場面はもちろん、韓国でも掲げられていたことを紹介する日本政府の動画がこちら。
この動画が韓国のユーチューブチャンネルで公開されたということで、朝鮮日報が「動画を見た韓国のネットユーザーたちは不快感を表している。」と国内で噴き出す怒りを伝えている。(2022/03/23)
「勝利祈願の象徴」 日本、韓国ユーチューブ上で旭日旗を広報していた
韓国のユーチューブで旭日旗について韓国語で紹介する動画を見て、こんな「不快」を感じる人がいた。
「日本の侵略の正当性を通そうというもの」
「被害国に戦犯旗を広報するなんて、まともなのだろうか」
「見るだけでイライラする」
「ユーチューブは金さえやれば、何でも広告させるのか」
日本のユーチューブでも韓国政府の広報動画はたぶんあると思う。
でも、それは大したことじゃないから、朝日新聞や読売新聞などの全国紙が問題視して大拡散することはない。
こんなことはスルーしてればよろし。
全国メディアが国民の「反日感情」をあおるような記事を出すから、騒ぎが大きくなってしまう。
それでグーグルコリアが困っているらしい。
グーグルの広告方針では、危険な製品およびサービス、模造品、人種差別・ヘイト(嫌悪)などを助長するコンテンツなどの広告が禁止されているし、性的なコンテンツや酒やギャンブルに関する広告には制限が付けられている。
朝鮮日報の報道によると、「グーグルコリアは旭日旗広告に関する見解を出していない」という。
つまりこれは、国民感情では大問題でも、グーグルコリアにとってはどの基準から見てもこの動画は問題ないということになる。
問題のない広告を禁止にすれば、それが問題になってしまう。
でも、そんな客観的なことを言ったら、大炎上必至だから黙ってる。
グーグルコリアとしては「放っておいて!お願い無視して!」という気持ちなんだろうけど、全国紙で報じられると世論も厳しくなるから、そうも言っていられなくなる。
だからそのうち、謎めいた理論でこの動画が禁止される予感。
「日本の侵略の正当性」なんて関係ない。
旭日旗を「戦犯旗」と呼ぶ韓国社会では、これは日本の“侵略”を象徴する絶対的なタブーになっている。
でも東京五輪で国際オリンピック委員会(IOC)が問題にしなかったことからも分かるように、国際社会は旭日旗に対して何とも思っていない。
だから韓国では今回のグーグルコリアのように、国内の反日感情と世界の常識や価値観のと違いにはさまれて、苦しい思いをする人がよくいるのだ。
4年前には韓国が開催する観艦式で、旭日旗を掲げた自衛隊の艦船が参加するとわかって、国民が反発して大騒ぎになった。
そのことについて国会で質問された国防部長官(防衛大臣)は「国際慣例に従うほかない」と苦しそうに正論を言う。
中央日報の記事(2018.10.02)
韓国国防部長官、旭日旗問題に「国際慣例に従うほかない事案」
国民感情はよく分かるとしても、国防部長官の立場としては国際社会の常識や慣例を優先するしかない。
これと同じころ旭日旗の掲揚について、「韓国政府が国際社会に公式に提起すべきではないか?」という声が上がり、それについて質問された外相は「もう少し多くの考慮事項があると思う」、「いかなる方案が可能か、また適正か検討したい」と答えた。というか誤魔化した。
中央日報(2018.10.05)
韓国外交部長官「国連に旭日旗問題提起の有無は…」
世界が問題にしていないものを国連で問題提起できるはずもなく、このときから4年が過ぎたけど、韓国にこれに関する動きは一切ない。
国内の空気に合わせて「日本の侵略の正当性を通そうというもの」と言ってるだけ人と違って、国防部長官や外務大臣など世界を相手にする人たちはそんな気楽でも無責任でもない。
かといって「見解を出していない」と国民感情を無視することもできないから、「国際慣例に従うほかない」と絞り出したり、「いかなる方案が可能か検討したい」と言って何とかその場をしのいだりする。
国の内外の常識や価値観の間にはさまれて、苦しい立場に追いやられる人が韓国では昔からよくいたし、きっとこれからも出てくるはずだ。
韓国はいま、対中国を念頭に日本・アメリカ・オーストラリア・インドの4か国で経済安全保障の分野で協力ネットワークを構築する「Quad(クアッド)」への参加を希望する素振りを見せている。
でもこれに入ったら入ったで、旭日旗でちょっとしたことがあればまた全国メディアが報じて国民が大騒ぎにって、間にいる人がすさまじく困りそうな気がするのですが、その辺は大丈夫でしょうか。
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