3月29日は1982年に、スティービー・ワンダーとポール・マッカートニーの名曲「エボニー・アンド・アイボリー(Ebony and Ivory)」がリリースされた日。
巨匠の黒人と天才の白人。
そんなスティーヴィーとマッカートニーがテーマにしたのは、ピアノの黒鍵(エボニー)と白鍵(アイボリー)でひとつのハーモニーを生み出すように、異なる人種や人類全体が調和するということ。
2010年にはホワイトハウスで、アメリカ初の黒人大統領であるオバマ氏の前でこの曲が披露された。
さて去年、「フォーブス・ジャパン」にこんな記事があり。(2021/09/26)
1958年に4%だった米国の異人種間結婚の支持率、過去最高の94%に
1958年に黒人女性と白人男性が、異人種間の結婚が合法だったワシントンD.C.で結婚して、バージニア州の自宅に戻ったら警察に捕まった。
当時のバージニア州には「人種純血保全法」があって、異人種間結婚はこれに違反すると考えられたため。
”犯罪行為”をしたこの夫妻は裁判で有罪判決を受けて、1年の刑期を宣告される。
バージニア州最高裁でも2人の訴えは却下され、1967年にやっと連邦最高裁がバージニア州の法律を「不当な人種差別」と認めて彼らに無罪を言い渡す。
そんな時代、異人種間の結婚を支持する人は4%しかいなかった。
*いまのアメリカでは一般的に、異人種間の結婚とは黒人と白人との結婚と認識されている。
それがいまでは、2021年にギャラップが発表した調査結果によると、これまで最高だった87%(2013年)を抜いて過去最高の94%になった。
1958年には不支持が94%だったから、見事にひっくり返ったことになる。
もともとアメリカ社会では異人種間での結婚への抵抗感は強く、1968年にギャラップが行った国際調査では、白人と他の人種との結婚に反対する人はフランスで25%、オランダで23%、スウェーデンでは21%だったのにアメリカでは70%を超えた。
アメリカでこうした結婚を支持する人が多数派になったのは、1997年になってから。
「過去最高」という文字を見ると、アメリカではエボニーとアイボリーがうまく融和していて、美しいメロディーを奏でているような気がする。が、アメリカ人に聞いてみると案外そうでもない。
ニューヨーク出身の人はこう話す。
「それは他人の話だろ?『白人と黒人の結婚に反対するなんて、時代おくれで差別的な発想だね。バカバカしいよ。』と言う人でも、自分の身内がそうなったら何て言うか分からないさ。」
またノースカロライナ州のアメリカ人はこう言った。
「自分の経験からいうと、付き合っている友人は白人なら白人、黒人なら黒人とだいたい同じ人種が多い。ほかにも韓国系は同じ韓国系の人で集団をつくる。どの人種の人とも、バランスよく付き合っているアメリカ人なんて知らない。」
ニューヨーク出身の黒人のアメリカ人は、「白人と一緒にいると、警察官から嫌がらせを受けないのがいい。黒人同士でいると、下手したら射殺される。」なんてことをサラリと言うから驚いた。
それと意外だったのは異人種間の結婚では、白人の親よりも黒人の側で強い抵抗や拒否感があるということ。
白人に比べて、黒人の家族や親せきの方が結婚に反対したり、白人のパートナーを家に連れてくるのを嫌がるという。
これは調べてみたけどデータは見つからなかったから、ソースはあくまで「知人の話」。
やっぱり「ピアノの白と黒」のようにはいかないけど、それでも白人と黒人が結婚したら、警察に捕まって有罪判決を受けるようなことはもう歴史の話だ。
アメリカ人の意識も少しずつ変わっている。と願う。
> 白人に比べて、黒人の家族や親せきの方が結婚に反対したり、白人のパートナーを家に連れてくるのを嫌がるという。(改行)これは調べてみたけどデータは見つからなかったから、ソースはあくまで「知人の話」。
これ、本当の話です。その理由は、黒人には黒人同士の強いコミュニティがあるので、下手に白人のパートナーを自宅へ連れてきたりすると、コミュニティ内の黒人から「裏切り者」「仲間外れ」扱いされて時には暴力で迫害されることもあるからです。今でもその状況は変わっていません。
これと全く事情が異なるのが東洋人(日本人、中国人、韓国人)のコミュニティであり、特に日本人コミュニティにおいては、一家の娘が白人パートナーを自宅へ連れてくると家族はその白人をとても歓迎します。さらにまた、その男女が逆の場合は、ケース・バイ・ケースですね・・・。
少なくとも私が北米に滞在していた20~30年前にはそうでした。今でも同じであるかは分かりません。
>コミュニティ内の黒人から「裏切り者」「仲間外れ」扱いされて時には暴力で迫害されることもあるからです。
なるほど、そうなんですね。