上の写真は富士五湖のひとつ、精進湖で、その近くの山に登ったらこんな絶景が待っていた。
このときはインド人とバングラデシュ人と一緒にハイキングをしていて、見晴らしのいいところでレジャーシートを敷いて彼らとランチを食べた。
それが終わってスナックタイムになると、みんなが持ってきたお菓子を取り出す。
するとインド人がポテトチップスを見て「なんかコレ、膨らんでないか?」と言うと、バングラデシュ人が「ここは標高が高いから、そのせいで中の空気が膨張したのでは?」と答える。
それを聞いて、「そっかーなるほどネ!」と一同納得。
…で終わってたら、記事にすることなんて何もなかった。
このあとインド人が「日本人は本当に誠実だと思う。」とインド人が言うから、「かもしれないけど、なぜいきなり?」と思ってワケを聞くと彼はこう話す。
「インドのポテトチップスは大量の空気を入れて、少ない中身を誤魔化しているけど、日本ではそういうことをしない。」
その話を聞いてインドを旅行していたとき、なんでスナック菓子の袋が風船のように、パンパンに膨らんでいるのか不思議に思ったことを思い出す。
そのときは、インドの商店はこんな感じに超開放的だったから、太陽の熱を浴びて菓子袋の空気が膨張したのだと思っていた。
でも実はそうじゃなく、意図的に多めの空気を入れて内容量を分かりにくくしているらしい。
その説に他のインド人も賛成する。
バングラデシュ人も母国のスナック菓子は、同じように中身を誤魔化していると言う。
お菓子の袋だけでじゃなくて、日本に3年以上住んでいるインド人に言わせると、日本人と比べてインド人には、見栄を張って自分を大きく見せようとするところがある。
商品の宣伝ではかなり誇張した表現をするし、自分が少しだけできることでも、自信たっぷりに「イエス、アイキャン!」と言う。
確かにインド旅行では場所を知らないのに、「知ってる」と平気で言うタクシードライバーが普通にいて腹が立った。
ガイドブックにある宿の住所を見せて、ここを知っているか聞いて「ノープロブレムだ。乗れ」とドライバーが言ったから乗車したのに、そのドライバーは実際にはその地区ぐらいしか分かっていない。
そこへ近づいてから、道行く人に何度も聞きいて、だんだん目的地へ近づいていくスタイル。
ドライバーはその宿を知らないから、道を行きすぎたり間違ったりして無駄な時間をとられて、やっと目的地に着くと、「時間がかかったから、チップをくれ」と当然のように要求してくる。
インドを旅行した人なら、彼らの言う「ノープロブレム」は危険フラグでということを知っているはずだ。
日本の感覚でその言葉を信じると、後でだまされる。
インド人がSNSにアップする写真を見ると、肌を白くするとかいろいろな加工をしていて、かなり盛ってるものがよくある。
このときいたインド人の話によると、インド人が自己アピールするときは、実際より数倍マシマシの知識や技術を言うことが多い。
インドではそれがフツウで悪いことじゃない。
日本人の場合は、できないことを「できる!」と言うことはないし、インド人と違って大げさな話をしない。
そういう態度の日本人と接するととても誠実だと思う。
お菓子の袋にもそんな違いがあらわれている。
見栄えをよくするために多めの空気を入れて、少ない中身を大きく見せるのがインド人で、必要なだけを入れて、実物をそのまま見せるのが日本人のやり方。
「なにも足さない、なにも引かない。ありのまま」というサントリーウイスキーみたいなのが日本人の性格だ。
もちろん日本人が全員、そんな純粋な心の持ち主ではなくて、実績がないのに「大学の非常勤講師」と選挙公報に記載した国会議員がいま大問題になっている。
どうやら、履修科目として大学で講義していたのを「非常勤講師」と膨らめたらしい。
こういう日本では例外レベルの経歴詐称が、インドではよくある予感。
インド人やバングラデシュ人は日本人の誠実さを称賛するけど、同時に、そんな控えめな性格だと自信がないように見えて、母国ではあまり通用しないだろうと言う。
正解はそれぞれの社会によって違うのだ。
トップ画面はインド人がSNSにアップしたもので、これは同じ瞬間にボクが撮ったもので加工は一切ナシ。
かなり盛っているのが分かると思う。
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