コカ・コーラの始まり/一番おいしいのは“瓶コーラ”説の理由

 

1886年のきょう5月29日、アメリカの薬剤師ジョン・ペンバートンが初めてコカ・コーラの広告を出す。
この名前の由来はコカインのコカと、コーラの実の成分を炭酸水で割ったことにある。
ペンバートンは当初、コカのエキスをワインに入れた飲み物を売っていたものの、19世紀後半にアメリカで禁酒法が成立すると、そのワインがNGになってしまった。
*当時のアメリカ社会はコカインよりも、アルコールの方を問題視していたのだ。もちろんいまのコーラにコカインの成分は一切なく、「スカッとさわやか」だ。
それでペンバートンはワインに代わるものを探していて、コーラ・エキスの原液に間違って炭酸水を入れてしまったことで、現在のコーラが誕生したといわれている。
ただ日本コカ・コーラ社はこの説明を否定していて、名称の由来は「語感がいいから」だとか。

とにかく偶然のラッキーが生み出した発明なら、それはまさしく「セレンディピティ」だ。

【セレンディピティ】日本や海外で世界的発見を生んだ“偶然”

薬剤師が開発した飲み物だったから、このころ人々は疲れを取り除くとか、神経を落ち着けるといった薬用を目的にコーラを飲んでいた。

 

コーラの実

 

その後、アメリカから伝わったコカ・コーラが日本では大正時代に登場し、1914年(大正3年)に発表された高村光太郎の詩集にはこんな言葉がある。

「コカコオラ、THANK YOU VERY MUCH 銀座二丁目三丁目、それから尾張町」

1919年(大正8年)に販売されたコカ・コーラの広告コピーは「衛生的にも嗜好的にも最も進歩せる世界的清涼飲料水」で、当時はこう紹介されていたとコカ・コーラのホームページにある。

「酒宴の後叉は晩酌に微醺を帯びたる時、叉は極暑に心身の倦んだ時氷に冷したる此のコカコラを用ゐれば心胸忽ち濯うが如く清爽の快謂うべからざるものがあります。」

ちなみに1919年といえば第一次世界大戦が終わった年で、日本は空前の好景気にわいていた。

 

 

このコカ・コーラには、ペットボトルよりも缶、缶よりも瓶で、瓶のコーラが一番オイシイという言い伝えがあるのをご存知だろか。
アメリカ人やリトアニア人もこの話を知っていたから、この伝説はけっこうワールドワイドらしい。
科学にくわしいリトアニア人が言うには、入れ物によって炭酸の圧が違って、缶より瓶の方が高い気圧を保つことができるから、飲むと美味しく感じるらしい。
だからこの説には、それなりに“合理的”な理由があるようだ。

調べてみると、(ネット情報だけど)瓶は1.9気圧、缶は1.5気圧、そしてペットボトルは最も気圧が低い。
そのほかにも、素材の違いから瓶が一番口当たりがいい、瓶は“冷え”が長持ちする、瓶に入っている量がちょうどいい、といった理由から「瓶コーラこそ至高」とウワサされている。
かつては銀座で飲んでいたような「コカコオラ」もすっかり庶民的になって、バラエティーに富むようになった。

 

 

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2 件のコメント

  • > だからこの説には、それなりに“合理的”な理由があるようだ。
    > 調べてみると、(ネット情報だけど)瓶は1.9気圧、缶は1.5気圧、そしてペットボトルは最も気圧が低い。

    ???
    それぞれ容器の種類によって、耐えられる最大圧力が異なるということですか?
    あるいは、そのように容器の種類によって圧力を調整しながら、容器充填がされているということ?
    最初から圧力(≒炭酸濃度)を調整しながら充填しているのでない限り、同じ温度と体積であれば、圧力が変わるはずはありません。(ボイル・シャルルの法則、高校1年生の物理で習うはず。)

  • これは「コーラ 瓶は1.9気圧 缶は1.5気圧」で検索すればすぐにいろんなサイトが出てきます。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。