韓国の全国紙・朝鮮日報が最近、こんな記事を載せた。(2022年06月09日)
コンゴ支配に「深い遺憾」 ベルギー国王が初訪問
欧米列強による植民地支配はどこもヒドかったとしても、ベルギー国王は別格。
レオポルド2世によるコンゴ統治は人類史上、最悪レベルのものだった。
上の写真ではゴムの収穫が少なかった罰として、切り落とされた5歳の娘の手と足を父親が見つめている。
これを「深い遺憾」で済ませようとするベルギー国王に、コンゴが反発するのも仕方ない。
控えめて言って最悪:ベルギー国王がコンゴ人に科した“罪と罰”
さて、朝鮮日報の記事のタイトルを見て、ベルギーによるコンゴへの蛮行を日本による韓国支配に重ねて、日本に謝罪を要求する内容だと思った。
というのは日韓に関係ないものをつなげて、強引に日本批判を展開する韓国メディアの記事はよくあるから。
ドイツは100年ほど前、8万人といわれるナミビア先住民を殺害する「ヘレロ・ナマクア虐殺」を行なう。
ナミビアが繰り返し謝罪を要求すると、2004年にやっとドイツは虐殺の事実を認めた。が、それだけで謝罪は拒否。
一方、ドイツはユダヤ人に対しては、蛮行の責任を明確に認め心から謝罪した。
この違いは何か?
相手が謝罪をするかどうかの重要なポイントは誠意よりも力で、弱小国の訴えは無視しても、力のある国の要求なら応じるのが国際社会の現実。
それをとり上げた中央日報はコラムでこう書く。(2016.01.11)
「日本からきちんと謝罪を受けようとするのなら、我々から強くならなければいけない。」
【噴水台】強者にだけ謝罪するドイツ
下の朝鮮日報のコラムでも、「国家間の謝罪とは本来そういうものだ。必要であればやるし、必要なければ謝罪すべきことも無視するのが普通だ」としたうえで、「本当に満足できるような謝罪」を受けるには、日本にその必要を感じさせるほど韓国が強い国にならないといけないと主張する。(2017/01/22)
ナミビア人に笑われる「謝罪するドイツに日本は見習え」論
ナミビア・ドイツの件は別の話なのに、これに日韓関係を結びつけて日本批判を展開する。
2015年に当時の安倍首相がエルサレムのホロコースト記念館を訪れたときには、日本の過去の“蛮行”をとり上げなかったイスラエルの大統領・首相・メディアを朝鮮日報が非難した。(2015/02/02)
安倍首相の歴史認識を問い正さないイスラエル
なんでイスラエルの大統領がそんなことをすると思ったのか。
日本人にはよく分からない発想でも、韓国では常識の範囲内だ。
ただ、そんなことを何度も言っているとそのうち、韓国軍がベトナムでした蛮行を認めない韓国政府に巨大ブーメランがくる予感。
ハンギョレ新聞(2020-04-22)
ベトナム戦争民間人虐殺被害者、韓国政府に対し初の国家賠償訴訟
まあとにかく、韓国メディアは日韓に関係ないことを取り上げて、尋常じゃない強引さで日本批判や謝罪要求につなげてきた。
だから、ベルギー国王がコンゴ支配に対して「深い遺憾」を表明したという記事も、そんなオチになると予想したのだけど、最後まで「日本」は出てこない。正直これは予想外。
ノルマを達成できなかったら、娘の手足を切断したベルギー国王の支配と、日本による朝鮮・台湾の統治はまったく違う。
あの時代の解釈が日韓で違うのは仕方ない。
当時、中立的な立場にいた人の意見をみると、1929年に朝鮮半島へ派遣されたアメリカ人記者は、朝鮮人の苦しみを認めつつも全体的にはこう評価した。
「日本は併合以来19年間にして、数百年間停頓状態にあった朝鮮と、近代文明国との間に渡り橋を架けてやった。・・・また朝鮮人の苦しみもあるかも知れぬが、日本は莫大な利益をもたらしていることは明らかである」などと、「李氏朝鮮時代よりも日本統治によって朝鮮人民は救われている」との評価をしている。
ベルギー国王の支配が残酷すぎて日韓とは重ねられなかったのか、理由は不明ながら、朝鮮日報は日本統治とは完全に切り離している。
これは今回だけでナミビアやイスラエルで何かあると、また強引に「謝罪しない日本」を批判するかもしれない。
でも、極度に悪化した日韓関係を心配するせいかここ数年、保守派のメディア、特に朝鮮日報は日本に謝罪を要求することが少なくなっているように感じる。
「日本からきちんと謝罪を受けるために我々が強くなろう」ではなくて、「我々が強くなることで克日としよう」へ論調が変化しているような。
謝罪要求など過去の蒸し返しが日本人を「韓国嫌い」にさせているから、もしそうなら、この傾向はとってもいいことだ。
ドイツと日本を分けて考えるようになったら、なお良し。
内容がコンゴになってますよ
す、すみませんっ。
おっしゃる意味がわかりません。
私は韓国人として日帝統治時代を次のように考えます。
日本は朝鮮を併合した後、併合に反対して朝鮮を独立させようとする朝鮮の民族指導者を弾圧しました。
しかし、519年間朝鮮王朝の恐ろしい統治を受けてきたほとんどの民は、むしろより良い生活を保障されました。さらに、朝鮮が試みられなかった「近代化」が日帝によって施行されました。 これは韓国では「植民地近代化論」と言って猛非難します。代わりに、日本に併合され、日本国民として暮らすようになった朝鮮人は、戦争に参加することになり、約2万人が戦死しました。
結果的に、日本は朝鮮を近代化させ、一般民の暮らしを良くしました。
ただし、時代的状況ではあったが、ほぼ半万年を続けてきた韓民族の歴史を断絶させ、日本に併合させた事実自体は非常に不幸なことでした。
しかし、日本がアメリカに敗れて以来、日本は自由民主主義国家に変貌し、世界の先進国となり、朝鮮併合など、韓日の歴史について各界各層の人物が何度も謝罪の表現をしてきたので、不幸だった両国間の感情は解消されなければならないと思います。しかし、依然として韓国のマスコミや政界で反日感情を利用することは非常に誤ったことであり、両国の未来と友好親善のためにも望ましくありません。
立場が逆になったら、日本の主権や独立が韓国に奪われたとしたら、日本人の生活が向上したとしても心は痛みます。
これはベトナム、インド、ラオスなども同じです。
日本と韓国の関係が、日本と台湾のようになるのが理想です。
でも同じ歴史を持っているのに、韓国人は台湾にあまり関心ない気がします。