日本三大祭りといえば、大阪の「天神祭」と東京の「神田祭」と、東映まんがまつりもイイんだが、京都の「祇園祭」だ。
7月のいま、その祇園祭が絶賛開催中。
まだ科学の知識がなくてウイルスの存在を知らなかったころ、平安時代の日本人は感染症の原因を悪霊や怨霊、疫病神など“怪異”のしわざと考えた。
そこで祇園神社の神である牛頭天王(=スサノオ)を祀り、無病息災を祈念する行事が毎年おこなわれるようになって、これがいまの祇園祭になる。
くわしいコトはこの記事を。
このまえスリランカ人、バングラデシュ人、トルコ人、モンゴル人に祇園祭で行われる「山鉾巡行」の動画を見せてみた。
すると彼らはナニを思ったか?
神さまがのった山車(だし)を大勢の人間が引っ張り、街中を移動して市民がそれを見守る。
そんな祭は世界中にあるから珍しくもない。
でも祇園祭で使われている、天を突き刺すような特異な山車の形にみんなビックリして、「この細くて長いものは一体ナンデスカ?」とまったく見当がつかないようす。
カジキマグロの頭をタテに置いたような、この独特のビジュアルは強烈だから、国籍や宗教を超えて外国人が驚がくするのは無理もない。
祇園祭の山車は「山鉾(やまぼこ)」という。
この「山」は山車の「山」と同じで、ピーヒャラと笛を吹く囃子(はやし)の人たちが乗って動く屋台のこと。
「鉾(ほこ)」とは両刃の武器で、ここでは屋台の上に立てる飾りを意味し、鉾は疫病神がのりうつる依り代となる。
ヒトに害を与える厄神はキラキラしたものに集まるらしい。(山車)
一般に日本の神さまは先のとんがったものがお好きで、そういうところに寄ってきて、のりうつる性質を持っているという。(祇園祭山鉾)
先端がとがった枝先を持つ常緑樹が、神が降りる依り代(玉串)として神事に使われることも多い。
玉串(たまぐし)
正月飾りの門松も神をのりうつらせるために、先っぽが鋭く切られた形をしている。
日本でよくある祭の山車は、良い神さまがこれにのりうつって町をまわって、人びとの生活を見守るといったもの。
でも祇園祭の山車の場合は、鋭く光る鉾(ほこ)に病気の原因となる疫病神を集めている。
だから昔は山鉾巡行が終わった後、疫病神を封じた神座を他の場所に捨てたり焼却したりしていた。鴨川に流したこともあったらしい。
現在では、集めた疫病神がまた町に戻らないように、引き回しが終わった山鉾はすぐに解体されることになっている。
(山鉾が巡行が終わったらすぐに解体、収納するのはなぜですか?)
祇園祭では、キラキラしてトンがってる鉾に疫病神を引き付けて、神座に集めた後に捨ててしまう。
こう言っちゃなんだが、まるで「ごきぶりホイホイ」。
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