きょう8月24日は、アメリカがその歴史において唯一の屈辱を味わった日。
イギリスとの戦争(1812年~1815年)のなかで1814年のこの日、ワシントンD.C.が制圧されて、大統領の住むホワイトハウスや国議会議事堂が無残に燃やされた。
(ワシントン焼き討ち)
歴史上、アメリカの首都が陥落したのはこの一度だけ。
ホワイトハウスが「ホワイト」と呼ばれるようになったのは、この屈辱を消すためだったとウィキペディアは説明する。
大統領府を改修する際に、このときの焼け焦げを隠すために真っ白なペンキを塗ったことから、大統領官邸はホワイトハウスと呼ばれるようになったという有名なエピソードがある。
そういやホワイトハウスて、なんで「白」なんだろ?
そう疑問に思ったことはあったけど、これまで調べたことはなかった。
そうか、あれはイギリス軍に首都を占領されて、焼き討ちにあった屈辱を隠すためだったのか!
でも、ウィキペディアはたまにヤラカス。
ファクトチェックとして別のソースで確認してみると、週刊現代でこんな記事を発見。(2019.09.07)
ホワイトハウスの「白い外壁」に隠された「過去最大の汚点」
これによると1800年に完成した時、ホワイトハウスは白ではなく灰色だった。
それでイギリス軍に燃やされた後、「黒く焼け焦げた跡を隠すために全体を白いペンキで塗ったのだ。」と記事にある。
文藝春秋のメディア「クレア」の記事でも同じ内容の文章を発見。
ワシントンに立つ米国大統領官邸が「ホワイトハウス」と呼ばれる理由は
これはもう、「黒い焼け跡を隠すために白く塗った」説は間違いない。
って思うじゃないですか?
焼き討ちにあった後のホワイトハウス
でも、英語版ウィキペディアの説明を見てビックリ。
言ってることがまったく違う!
イギリス軍に燃やされた後、その跡を隠すために白く塗られたことから「ホワイトハウス」になった、という日本の”定説”を「myth」(神話、作り話)とバッサリ否定。
A myth emerged that during the rebuilding of the structure after the Burning of Washington, white paint was applied to mask the burn damage it had suffered, giving the building its namesake hue.
「ホワイトハウス歴史協会」のホームページにも「よくある誤解(There is a popular misconception)」とある。
「ホワイトハウス」の名前の由来は、冬の凍結によるひび割れなどを防ぐために、1798年に砂岩でつくられた外壁を石灰で白く塗った(ホワイトウォッシュ)ことだという。
In fact, the White House first received a lime-based whitewash in 1798 to protect its sandstone exterior from moisture and cracking during winter freezes.
「ワシントン焼き討ち」よりもまえに、1811年に一般人が「ホワイトハウス」と呼んだという記録もある。
公式に「ホワイトハウス」となったのは、1901年にルーズベルト大統領がそれを正式名称にしてからだ。
「いや違う!これらの説は、アメリカが味わった屈辱を隠している!」という見方もあるだろうけど、全体的に見て「ホワイトハウス歴史協会」の説明がボクにはいちばん説得力がある。
日本でよく言われる説はきっと「myth」だ。
ホワイトハウス歴史協会は別のページでも、「イギリス軍に燃やされた跡を隠すため」説を太文字で否定する。
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