日本が初めて国際結婚を認めたのは、1873年(明治6年)のきのう3月14日。
といってもそれは国際結婚に関する法律(内外人婚姻規則)が公布された日で、明治政府が婚姻を認めた例はその前にもある。
国際結婚をした日本人や外国人に話を聞いたことがあって、一緒に生活していると、やっぱり食事やマナーなどで文化の違いを感じるという。
違う世界で生まれ育った人同士が出会うと、良い/悪い意味でいろんな発見がある。
それは歴史においても。
きょう3月15日は1493年に、コロンブスがアメリカ大陸からスペインへ戻ってきた日だ。
アメリカ大陸に初めて到達したヨーロッパ人はコロンブス、ってのは昔の話で、いまではレイフ・エリクソン(上の人)と判明している。
でも、この新大陸の存在をヨーロッパ人に、広く知らしめたのはコロンブスだ。
旧大陸(ヨーロッパ)の人たちが未知の世界だった新大陸(アメリカ大陸)に行けば、いろんな発見をして、それを持ち帰って、逆にヨーロッパ人がアメリカ大陸へ持ち込んだ新しいモノもある。
コロンブスの“発見”がきっかけとなって、旧・新大陸との間で、それまでにはなかったモノや概念をもたらすことを「コロンブス交換」という。
たとえばアメリカ大陸から、ヨーロッパへ伝わった食べ物にはこんなものがある。
トウモロコシ、トマト、ジャガイモ、バニラ、カカオ(チョコ)、たばこ、インゲンマメ、カシューナッツ、トウガラシ(ピーマンやパプリカなども)、パパイヤ、ゴムカボチャ、ヒマワリなど。
なかでもジャガイモとトウモロコシは、ヨーロッパ人のカロリー・栄養不足の改善に大きく貢献した。
いまのイタリア人にとって、トマトのない食生活なんて考えられない。
逆にアメリカ大陸へは、こんなものが伝わる。
柑橘類(オレンジ、レモンなど)、リンゴ、バナナ 、マンゴー 、コーヒー 、小麦、コショウ、ニンジン、コーヒー、コメなど。
動物ではヨーロッパからアメリカ大陸へ、以下のものが移動した。
馬、ロバ、ブタ、牛、羊、ヤギ、鶏、猫、ミツバチなど。
ヨーロッパからきた馬はネイティブ・アメリカンの生活を一変させる。
アメリカ大陸からヨーロッパへは七面鳥、モルモット、アルパカなどでこっちの数は少ない。
さて、幸せな交換はここまでだ。
まったく違う世界で生きていた人同士が交わると、新たな病気も伝わってしまう。
コロンブス交換によって、ヨーロッパに梅毒が広がったという説がある。
でもまあこれはまだマシで、ヨーロッパ人がアメリカ大陸へもたらした病気は、天然痘、麻疹、百日咳、水疱瘡、ペスト、チフス、マラリアとかなりオソロシイものだった。
The deadliest Old World diseases in the Americas were smallpox, measles, whooping cough, chicken pox, bubonic plague, typhus, and malaria.
免疫のなかったアメリカ大陸の人たちにとって、これらの伝染病は致命的だ。
ヨーロッパの病気とスペインの搾取によって、推定2000万人だったメキシコの人口は16世紀には100万人に激減。
ペルーの先住民の人口は、コロンブスが来る前は約900万人だったのに、1620年には60万人と壊滅状態になる。
1492年から100年か150年後には、アメリカ先住民の80~95%が感染症で死亡したと推定されているのだ。
ヨーロッパ人が広大なアメリカ大陸を簡単に支配できた理由には、銃を持っていたという文明レベルの違いのほかに、「伝染病を持ち込んだから」がある。
これによって現地の労働者(奴隷)が少なくなると、ヨーロッパ人はアフリカから黒人奴隷を連れて来た。
これもコロンブス交換のひとつ。
ほかに鉄器やキリスト教がアメリカ大陸へ運ばれて、大量の銀がヨーロッパ人に奪われた。
こうして見るとこの壮大な交換によって、ヨーロッパ人は大きなメリットを得た一方、アメリカ大陸の人たちは大ダメージを負っている。
人類の歴史上、これほど不公平な交換もないだろう。
だから近年では、コロンブスは偉大な発見者ではなく、虐殺などの不幸をもたらした侵略者として非難されることが多い。
コメントを残す