【違いは認めない】日本の歴史教育に干渉しすぎる韓国

 

どこの国にも歴史があって、それをどう理解し伝えるかの決定権はその国にある。
そんなの世界のアタリマエ。
他国がからんだ出来事、たとえば植民地支配や戦争に関する歴史については解釈権はそれぞれの国にある。
国によって価値観も見方も違うから、同じ出来事でも表現も変わってくる。

イギリスの植民地にされていた19世紀のインドで起きた、イギリス軍と現地の人との戦いをイギリス側は「インド大反乱」と言うが、インドでは「(第一次)独立戦争」と言う。
自国の立場で歴史を理解する権利は他国にもあって、それは互いに平等だから、同じ事件や出来事について、複数の見方や言い方があることは世界の常識。
これを、自分との違いは間違いだと、自国の認識に「統一」しようと考える独善的な国はまずない。ただし、ゼロではない。

ことし3月、日本の高校教科書の検定結果で、竹島や元徴用工・慰安婦問題に関する記述を韓国が問題視し、抗議してきた。
それに対して日本政府は「受け入れられない」と、まあいつもの展開ですよ。

時事通信(2022年03月30日)

教科書抗議の韓国に反論 政府

「子どもたちが自国の領土や歴史を正しく理解することは主権国家の公教育において当然だ」という日本政府の見解には世界の指導者がうなづく。

日本の歴史教科書に韓国が文句を言うのは、キム・デジュン政権(1998~2003年)から始まったという。
このとき韓国政府は35項目の”修正”を日本政府に要求した。
これを「イチャモン」と表現するジャーナリストの黒田勝弘氏は、産経新聞のコラム『他国教科書への介入』(2022/4/9)でこう指摘する。

「国定ではない外国の教科書に外交圧力で修正を要求するなど〝暴挙〟にひとしい。」
「マスコミ主導の反日世論に押され対日強硬路線に傾いた結果だった。」

こんな〝暴挙〟が今年もあったから頭痛は止まらない。
日本の見方は断固認めず、自国と同じ歴史認識を押し付ける態度はむしろ強化されているようだ。
韓国の全国紙・中央日報にこんなコラムがある。(2022.05.01)

太平洋戦争当時に教育退行、日本はどこへ向かうのか…「韓日の歴史認識差に懸念」

韓国と違う歴史教育は”退行”で、これからそれが進んでいき、日韓で歴史認識の差が広がることが不安だという。
最近あったこの動きも、そんな一方的な懸念が背後にあるはずだ。

中央日報(2022.08.24)

東北アジア歴史財団、日本教科書の韓国史歪曲問題関連の学術会議を開催

日本の”わい曲”された教科書が日韓の歴史認識の違いを生み出しているから、それを解消することを目的に、東北アジア歴史財団が学術会議を開催したという。
自分たちの認識に合わせるために、他国の歴史教育をここまで否定・非難するのはまさに〝暴挙〟。
いま地球上で、こんなことをする国は韓国しか知らない。
イギリスやインドが相手国に、「オマエの歴史認識は間違っている!あれはインド大反乱(第一次独立戦争)だ!」と言い出すことは考えられない。
韓国こそどこへ向かうのか…
日本が韓国の教育を”退行”と呼び、歴史認識の差に懸念を示し、「韓国教科書の日本史歪曲問題」についての学術会議を開催したら、韓国はそんな非常識や無礼を絶対に許さない。

 

先ほどの「35項目の要求」には後日談がある。
怒って抗議してきた韓国そのあと結局、「うやむやになりその内容など誰も覚えていない」と黒田氏があきれたように書く。
熱しやすくて冷めやすくて、もうついていけない。

日本の立場を尊重しなくてもいい。
でもせめて、「自分との違いは間違い」という独善的な発想から、日本へ抗議してくるのはいい加減ヤメテクレ。
「子どもたちが自国の領土や歴史を正しく理解することは主権国家の公教育において当然」ということまで否定されたら、韓国嫌いの日本人が確実に増加する。
両国の歴史認識の差じゃなくて、心が遠ざかっていくことに懸念してください。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。