【困った時の反日】バラバラの韓国民をまとめる便利アイテム

 

そうか。
きょうは紀元前480年に、サラミスの海戦があった日だったか。
アテネ(アテナイ)、スパルタ、コリントスなどのギリシア都市国家の連合軍と、アケメネス朝ペルシアの艦隊が戦い、ギリシア側が圧倒的な勝利を収めた。
この海戦もあって、約2500年前に行われたペルシア戦争はギリシアが勝つる。
で、その後どうなったかというと都市国家の中で権力争いが起きて、紀元前431年にアテネを中心とするグループと、スパルタを中心とするグループが戦うペロポネソス戦争がはじまった。

武器を持った戦闘行為を抜きにすれば、こんなことは現代でもよくある。
共通の敵がいるとみんながまとまって立ち向かい、その脅威が無くなると、みんなが自分の主張を言いはじめて分裂し“内戦状態”になる。
外敵が国民をひとつにすることはいまでも常識。

 

まえに日本に住んでいた韓国人と話をした時に、「日本人にとって天皇はどんな存在か?」と聞かれた。
日本と韓国には太平洋戦争や朝鮮統治といった敏感な歴史があるから、その質問のウラ側を考えしまったが特に深意はなくて、彼はナチュラルに聞いてみたかっただけらしい。
それなら天皇とは国民の象徴で、天皇には日本国民を統合する役割があると言うと、「なるほど」と彼はあいまいな返事をする。
では今度はこっちのターン。
韓国人は日本の天皇をどうおm…、というのやめといて、韓国民をまとめるモノについて聞いてみた。

すると彼の答えはまずは愛国心だ。
徴兵制もある韓国では国のために活動することは、とても価値のあることだと一般的に思われている。
彼から見ると、日本人と韓国人にはこんな違いがある。
韓国人は自己主張が強いし、思ったことをその場でハッキリ言葉にして相手に伝える。
だからお互いの価値観の違いから、意見が対立することはよくあるし、強い表現で相手を否定・非難することもある。
それでもオリンピックなどの国際大会で韓国の選手やチームが活躍すると、国民はみんな自分のことのように喜ぶし、期待を裏切った選手はネットでぶったたかれる
韓国人はキホン愛国心が強い。
だから、世界の中で国の価値や評価の高まることがあると、みんな一緒に応援するし、いい結果を手に入れるとうれしくなる。

あと実際のところ、「反日本」でも国民はひとつになる。
だから選挙活動ではいろいろな政党で強弱の違いはあっても、どの候補者も歴史問題で日本を非難するし、謝罪や反省の必要性を口にする。
与党と野党の支持者ではケンカになるほど考え方が違うけど、「反日」なら対立は生まれない。
(韓国風に言えば)2019年に日本が輸出規制をして韓国経済に打撃を与えようとした時も、国民は怒りでひとつになった。
でも、韓国民は熱しやすくて冷めやすい。
だから「共通の敵」としての日本が薄れていくと、国民の間で、例えば与党・野党の支持者の間で対立が始まる。

 

ということで、社会構造が古代ギリシアとよく似ている。
アケメネス朝ペルシアという敵の脅威が強まると、一致団結して立ち向かうけど、その存在が消えると内部分裂が始まる。
だから韓国では、政治家が選挙などで自分への支持がほしい時には、「共通の敵」としての日本を示して国民を結集しようとする。
そのことは韓国最大の全国紙・朝鮮日報も社説で指摘した。(2017/12/29)

日本を批判するのは韓国の政治家にとっては非常に魅力的に映る。なぜなら誰もが簡単にできるし大衆からの支持も得やすいからだ

日本を敵視する文大統領、国益は計算しているのか

 

2ヶ月前には中央日報にこんな記事があった。(2022.07.22)

日本「韓国、支持率下落すると反日する」…徴用賠償「対抗措置」検討

「反日」は一般的に受け入れられやすいが、国民の間で温度差はある。
国益ではなく、自分の利益から日本を敵視する政治家がいると、保守派の朝鮮日報などは批判する。
日本が対韓輸出の管理を厳格化した時、文大統領が「日本には二度と負けない」と国民感情をあおると、それは言い過ぎだと朝鮮日報はたしなめた。
でも、韓国で「反日」はジョーカーのように効果的だし、ローリスクハイリターンだから政治家は手放せない。だから自分たちに非難が向かいそうな時、バラバラの国民をまとめたい時など、いざとなったらポケットからこのアイテムを取り出す。
でも“敵”の中身が違うだけで、そんなことは世界中の政治家がしていることだ。

 

 

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ①

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ②

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ③

日韓の「ほのぼの期」:朝鮮通信使の目的・朝鮮人の見た日本

【儒教的な上下関係】天皇か日王か? で苦悩する韓国人さん

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。