五輪やサッカーW杯といったスポーツの国際大会があると、もはや”鉄板のお約束”になった感のある日本人によるゴミ拾い。
試合や競技が終わると日本人の観客が席から立ちあがり、青いビニール袋を広げてスタジアムのゴミを拾い集める。
これは2018年のサッカーW杯の様子。
いまカタールで開かれているW杯でも、試合終了と同時に日本人が動き出してニュースになった。
フットボールゾーンの記事(11/22)
【W杯】「日本人は絶対にゴミを残して帰らない」 サポーターの開幕戦での“粋な行動”に海外脚光「話には聞いていたけど…」
スタジアムのゴミを拾い始める日本人サポーターを英メディアが取り上げ、こうしたことは過去に何度もあって、日本のファンは「世界のサッカー界でスタジアムのゴミを片付けることに関して歴史がある」と紹介する。
会場にいたファルークさん(たぶんアラブ人)の前には信じられない光景が広がっていた。
「これが普通だって、誰か僕を納得させてほしい。日本のファンはスタジアムを掃除することにしたんだ。」
なんで掃除をするのか尋ねると、「日本人は絶対にゴミを残して帰らない。その場所をリスペクトしているから』と会場にいた日本人が答えたという。
そんな話を聞いたことあったけど、実際に見たファルークさんは「すごい。すべてをリスペクトしている」と興奮を隠し切れない様子。
スポーツの国際大会でよく外国人に称賛されるこの日本人のマナーも、国内に目を向けると、わりと冷ややかに見る人が多い。
・こればっかり
・東京はゴミだらけにするのにな
他人の家は汚さない精神
・外人向けムーブ
・おまえら外国のゴミの多さを知らねーの?
次元が違うよ。
・大体外国人が散らかし過ぎるんや
ただ日本人といっても、その数は約1億2千5百万人もいる。
ハロウィーンの時に平気でポイ捨てをするアホと、ビニール袋を持って試合を見に行く日本人さんでは、まったく違った価値観や行動基準をもっているはず。
もはや同じ日本に住む別の人間。
ただ一般的には、「これが普通だって?誰か僕を納得させてほしい」と外国人を驚かすような人が日本には多い。
この「海外で日本人がゴミ拾いをしてホメられちゃう件」について、カリブ海にある島国トリニダード・トバゴからきた人から意見を聞いた。
日本の小・中学校で働いていた彼女は、それを聞いてもまったく驚かないと言う。
母国と比べて日本の学校教育ですごく良い思うところは、子供たちがグループごとに教室・廊下・トイレをきれいに掃除すること。
トリニダード・トバゴの学校では掃除の時間なんてない。
それは清掃員の仕事で、勉強をする生徒とは役割がハッキリ分かれている。
自分の机のまわりにあるゴミを拾って、教室のゴミ箱に捨てることはあっても、日本のように毎日15分といった掃除の時間はない。
だから母国の人間と比べると、日本人には自分たちの住む社会に対する責任感があるから、電車や路上にゴミを捨てることなく、決められたところまで持って行く。
トリニダード・トバゴの人間は子供のころから、「それは清掃員の仕事」と考えがちだから、ポイ捨てすることに抵抗感や罪悪感がない。
日本の学校で働いていたジャマイカ人やキューバ人などのカリブ人もこの見方に同意する。
もちろん個人個人を見れば、日本にもトリニダード・トバゴにもいろんな人間がいるけれど、全体的な傾向として見れば日本人のマナーはすごく良いと言う。
だから彼女からすれば、五輪やW杯で日本人がゴミ拾いをしたと聞いても、それは学校で毎日していることで、日本人にはフツウのことだからまったく驚かない。
「すごい!すべてをリスペクトしている」と外国人に称賛されるのも、海外メディアに取り上げられるのも一国民として素直にうれしい。
でも、そろそろ日本のサポーターじゃなくて、代表チームが世界を驚かせてくれ。
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