「彼らはもう勝者だ」 日本人のお辞儀に外国人が思ったこと 

 

120分戦っても決着はつかず、結局PK戦にもつれこんで、日本代表は「1-3」でクロアチアに負けてサッカーW杯カタール大会の挑戦は終わった。
すると日本のネットではすぐに、お約束の「戦犯」探しが始まった。
今回はPKを3本失敗したことで、ツイッターでは「PK下手」がトレンド入りして「お前が蹴ってこい」、「PK下手なのは事実やろ」とバトルがぼっ発。

島国のそんな「コップの中の嵐」は外国人には関係ない。
森保監督が試合の後、カタールまで応援に来てくれたファンに向かって、深々と頭を下げて感謝の気持ちを伝える姿に海外メディアが注目した。

 

森保監督には「ここで終わってすみませんでした」という謝罪の気持ちもあったはず。
このすがすがしい態度は外国人の心をぶち抜いた。

・Can’t wait to see them again in the next world cup. From the fans to the players, all of them are very disciplined and friendly people.

次のワールドカップでまた彼らに会うことが楽しみです。
ファンから選手まで、日本人はみんなとても規律正しくフレンドリーな人たちです。

・The more I see of the Japanese in this whole football season, the more admiration I have for them. Respect is definitely due for how they have carried and conducted themselves with grace, respect and honor. The rest of us can definitely learn something from them.

今回のサッカーW杯で日本人を見れば見るほど、わたしは彼らを尊敬してしまう。
彼らが深い品位や敬意を持って行動してきたことに敬意を払うべき。
私たちは彼らから何かを学ぶことができるはずだ。

ほかにも「日本人を好きにならずにいられない」、「完全に我々の心をつかんだ」、「ある意味、日本はすでに勝者だ」と、この日本文化は外国人の心を動かしたようだ。

 

 

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「You lose the world game but you won the world respect 👏🇯🇵」

 

試合が終わった後、選手や監督が会場で応援してくれたファンにお辞儀をして、感謝の気持ちを伝えることは日本の伝統や価値観からしたら、これ以上ないほど常識的なこと。
でも違う文化圏の人からすると、その振る舞いはとても印象的に見えるから影響を受けることもある。

3年前、日本でラグビー・ワールドカップが開催された時、試合後に頭を下げる日本代表チームの姿に感銘して、ニュージーランド、イタリア、ナミビア、アメリカなどもこの日本文化を取り入れてトレンドになった。

『KYODO NEWS』(Sep 25, 2019)

Bowing to spectators, a new post-match trend at World Cup

選手や監督のお辞儀に加えて、日本人の観客も試合の後にスタジアムの清掃を始めて世界中の人から称賛された。
ベスト8進出はできなかったとしても、日本人の「らしさ」を海外に伝えることができて、敬意や好感を勝ち取ることには成功した。
だからこれは実質、日本の勝利。
「戦犯」探しや「PK下手」批判に熱くなるよりも、もっと日本を見る世界の目に関心を向けたほうがいい。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。