【日本人の国民性】ドイツ人が日本のフリマを大好きな理由

 

「市場」を表す英語は「market」。
このマーケットの語源となったのは、古代ヨーロッパで使われていたラテン語の「mercari」で、いまの日本では常識になっている「メルカリ」はこれに由来する。
ネットでやり取りするメルカリの反対側にあるのが、お互いの顔を見なら、売ったり買ったりするフリーマーケット。
日本に住んでた知人のドイツ人は、日本人の国民性が理由でこれが大好きだったと言う。

個人がいろいろなモノを持って集まって、値段を設定して売るフリーマーケットはもちろんドイツにもある。
日曜日に開かれるのは日本と同じでも、スーパーマーケットの駐車場でフリマを開催するところにドイツの”らしさ”が表れている。
そんな話をまえに書きました。

日曜日は要注意 日本と違うドイツのフリーマーケット 

以前日本に住んでいて、いまは母国にいるドイツ人と話をしてたら、彼は日本にいたころ、近所の神社で月に一度開かれるフリーマーケットを楽しみにしていたと言う。
その理由は、日本に住む外国人ならではのものだった。

そのフリマでは服が多くて、「このシャツはデザインがいいしすごく安いっ!」と歓喜しても、ヨーロッパ人のサイズに合うサイズの服はまず無い。
それでも珍しいモノや掘出し物を見て歩くのは楽しい。
彼にとってフリマの一番の楽しみは、礼儀正しいけど何か冷たいレストランやコンビニの店員と違って、ここでモノを売っている日本人は“素顔”で対応しているから、フレンドリーな人と出会ってたくさんの笑顔を見られること。
日本人がいつも周囲の人のことを考えて、迷惑をかけないようマナーを守って行動することにはとても感心する。が、ドイツ人の自分としては、日本人が対人関係で距離や壁をつくることには不満も感じる。
ヨーロッパ人の中でも一般的な性格の違いはあって、ドイツ人はイタリア人やスペイン人ほどフレンドリーではなくて、いつも真面目な顔をしていると言われる。

でも対人関係においては日本人よりも距離が近くて、電車で見知らぬ人を話をすることは珍しくない。
日本人は電車の中でスマホに目を落としたり、目を閉じたりしていて、ほかの乗客と目を合わそうとしない。
日本語を学んでいる自分としては老若男女、いろんな日本人を話したいのに、「他人に話しかけるのはマナー違反デス」みたいな空気があって本当にやりづらい。

自分が住んでたアパートの近くに、家族経営の小さなそば屋があった。
そこのソバはリーズナブルで美味しかったから何度か行くと、主人のおじさんやその妻のおばさんと仲良くなって、世間話をするようになる。
「いらっしゃいませ」と丁寧にお辞儀をする店員よりも、「今日はホントに暑いね~。もう倒れそう」と笑うおばちゃんの方が自分にはうれしいし、たぶんその方がヨーロッパ人の感覚に近い。
自分が日本で探していた空間をやっと見つけることができた。
ついでに言うと、ドイツのレストランだと2~300円はする水が無料なのもイイ。

フリーマーケットの雰囲気はこれと似ている。
商品について日本人に自由に質問することができて、自然にコミュニケーションが取れるから、自分にとっては日ごろ学んでいる日本語を試す絶好の機会になる。
ここで商品を広げている人たちは、礼儀正しいロボットのような対応はしないで、人との交流を楽しむ人が多いから、フリマの空気が本当に好きだった。

 

他人にはもちろん、「親しき仲にも礼儀アリ」という対人関係における日本人の距離感に、不満やガッカリした気持ちを持つ外国人はよくいる。
そういうところに寂しさや物足りなさを感じていて、いろんな人とのコミュニケーションを求める外国人にとって、フリマは一つの最適解。
ドイツ人の話を聞くまで、この視点はなかった。

 

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。