【特別感】日本のお菓子の歴史・日本人にとっての和菓子

 

スイーツ男子としては忘れちゃいけねえ、きのう6月16日は「和菓子の日」だった。

ではまず、日本におけるお菓子の歴史をざっと見てみよう。
中国との交流がほとんどなかった古代の日本人は、米や粟などを主食としてモリモリ食べていて、「腹へった~」と感じると果物なんかを口に入れていた。
これが日本人の間食(お菓子)のはじまりだろう。

日本でいまにつづくお菓子が作られるようになったのは、遣隋使や遣唐使によって中国からお菓子とその製法が伝わってから。
当時の中国はおそらく世界最高の文明国でそこのスイーツは、果物や穀物を簡単に加工したものとはレベルが違う。
見た目や味のすぐれた中国の菓子(唐菓子)を基に、日本人のお菓子作りが始まった。

日本スイーツ史の「セカンドインパクト」は戦国時代の末期、ヨーロッパ人によってもたらされる。
ポルトガル人やスペイン人がカラメル、金平糖、ビスケット、カステラを日本に持ってきて、これらの南蛮菓子を通じて日本人は砂糖や卵を使ったお菓子の作り方を知った。
砂糖と卵のないお菓子を考えれば、この新製法が日本人にとって革命的だったことがわかる。

くわしいことはこの記事を。

外国人が愛する日本のお菓子/戦国時代の「スイーツ革命」

古代では中国、中世では西洋からやってきたお菓子に独自の工夫を加えて、日本のお菓子作りは発展していった。

 

 

では、なんで6月16日が「和菓子の日」となったのか?

平安時代の848年に仁明天皇(にんみょうてんのう)が元号を「承和(じょうわ)」から「嘉祥(かしょう)」に変え、その年の6月16日に16個の菓子や餅を神さまにお供えし、疫病がなくなって健康で幸せに過ごせるよう祈願した。
その後、この日に和菓子を食べるという習慣が江戸時代まで続いたという。
これにちなんで、和菓子の素晴しさを多くの人に伝えていこうと「和菓子の日」がつくられた。

前回の記事を読んだ人なら、「嘉祥」という元号にピンときてほしい。
むかしの日本では、珍しい生き物が見つかると元号が変えられることがあって、848年にはいまの大分県の川で白いカメが発見されたことで、承和から嘉祥になったのだ。

その前の承和の時代、日本には不幸が多発していた。
藤原氏がほかの貴族を排斥し、一族繁栄の基盤をつくった承和の変という大混乱があったり、改元の直前には疫病が流行っていたから、仁明天皇としては元号を変えて人々の気分を一新したかったのだろう。
嘉祥元年に16個の菓子や餅を神に供えて祈願したのも、この不安を断ち切りたかったのでは。
当時のお菓子はいまと違ってすごく貴重で、特別なときに食べるような物だっただろう。
現代でもやっぱりお菓子は、自分へのご褒美として食べるとか、お祝いやお見舞いで渡すといった普通以上の意味や価値を持っている。

といっても現代ではコンビニで簡単に買えるから、その手軽さでいえば、そこらにある果実を取って食べていた古代の日本人の感覚に近いかも。

 

ちなみに和菓子の好きな日本の都市はどこか?
総務省統計局が全国の県庁所在を対象におこなった「1世帯当たりの年間支出金額(平成20~22年)」によると、「ようかん」の1位は佐賀市で1808円で、「まんじゅう」の1位が鳥取市で3600円、その他の和菓子は金沢市で17022円という結果だった。
この3つすべてで最下位だったのが沖縄市。
全国平均の8分の1から半分ほどだったから、沖縄では和菓子と違った、サーターアンダギーのような地元スイーツがよく食べられているのか?

くわしいことは総務省統計局のHP「6月16日 和菓子の日」をクリックですよ。

 

 

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1 個のコメント

  • スイーツですか。
    そう言えば、NHK大河ドラマ「西郷隆盛(←タイトル違うかも)」で砂糖が日本全国に拡がったのは、琉球から薩摩藩が(サトウキビから文字通り)搾り取って、それを全国へ売ったのがキッカケであると描かれていましたね。それ以前の時代で甘いものと言えば、きなこか、あるいは小豆あんこかな?
    でも日本には昔から「米」がありましたから。ご飯を口に含んでそのデンプンを噛んでいれば甘くなる。それを発酵させれば何とお酒にも!
    こうしてみると、日本人が「白米食」に拘った理由も分かるような気がします。

    ああでも、私は甘党じゃないんで、スイーツの何がそれほどいいのかよく分かりません。申し訳ないっす。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。