待ち伏せをしていた明・朝鮮の水軍が襲い掛かり、日本軍が応戦して始まった露梁(ろりょう)海戦は、朝鮮出兵(慶長の役)において実質的には最後の戦いとなる。
いまの韓国で国民的英雄になっている李舜臣将軍はこの戦いで亡くなった。
くわしいことは前回の記事をどーぞ。
これを含めて16世紀の朝鮮出兵について、現在の韓国人にはこんな不満があるらしい。
中央日報(2022.12.16)
1592年に始まった壬辰倭乱(文禄・慶長の役)もそれほど昔の歴史ではないのに日本人はよく知らない。ただ兵士を朝鮮に送ったとだけ知っている。
【時視各角】日本の記者、中国の記者との対話=韓国
戦国時代の出来事でも、韓国では「それほど昔の歴史ではない」と認識されていて、嫌いな日本人について韓国人にアンケート調査をすれば、豊臣秀吉がワースト3に入ることはまず間違いない。
でも韓国には、日本の「蛮行」に対しては厳しいが、自分にはわりと甘いという二重基準がある。
1960年代にベトナム戦争が起こると、アメリカ軍に味方して参戦した韓国軍はいくつかの虐殺事件を起こす。
その闇歴史の一つが「フォンニィ・フォンニャットの虐殺」で、韓国政府はいまもこれを認めていない。
それで被害者のベトナム人が韓国政府に謝罪と賠償を求める訴訟を起こして、いまその裁判が進められているところだ。
この虐殺事件について、いま韓国側にはこんな認識があるという。
ハンギョレ新聞(2022-12-15)
虐殺被害は非常に昔のことだ。なぜ、そして何のために当時のことをこのように暴き、掘り起こさねばならないのか
[寄稿]ベトナム民間人虐殺と、私たちの良心のための平和=韓国
この記事には他にも、「戦争が終わったのはかなり前」という言葉がある。
ただハンギョレ新聞は被害者を支持する立場で、韓国政府が民間人虐殺を認めれば「それは真実と良心、そして人間の品格の勝利でもある」と強調する。
朝鮮出兵とベトナム戦争では時代も背景も違うから、具体的な内容もそれぞれ異なるのは当然としても、自国の軍隊が他国に攻め込んで、民間人を殺害したという“蛮行”の本質は変わらない。
なのになんで、日本がすると1592年でも「それほど昔の歴史ではない」となって、1968年に行なった韓国軍のものだと「非常に昔のこと」になるのか?
ベトナム戦争のことが知られるにつれ、真実・良心・品格についてこうした韓国の二重基準を批判する日本人は増えている。
慰安婦 vs ライダイハン問題②外国人に指摘された韓国人の反応
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