2022年の9月に日本へやってきて、いまは静岡の大学で学んでいるドイツ人(20代・男性)と最近ガストへ行ってきた。
そこで彼にこの3か月を振り返って、日本について印象に残ったことを聞いてみたんで、今回はその内容をシェアしようと思うのですよ。
では早速、Here We Go!!
・社会の機械化
日本にきて初めて見たものに、レストランのチケット販売機がある。
ドイツはもちろん、これまで行ったフランス、イタリア、ベルギーでも飲み物の自動販売機ならあるけど、レストランでは人が注文を取っていたからこんな機械なんて無い。
日本を紹介するユーチューブ動画では見たことあるけど、リアルではその時が生まれて初めて。
だから、お金を入れてボタンを押して、チケットを購入する経験もなんか新鮮でよかった。
いま料理を運んできたここ(ガスト)のネコ型の配膳ロボットもとても面白いし、「ああ、いま日本にいるんだな」と実感する。
*彼が知らないだけで、飲食店でチケット販売機を置いてあるヨーロッパの国はあるかも。
・ドイツ語を由来とする日本語
明治時代に日本人はドイツの医療を学んだから、カルテ、クランケ(患者)、オペ(手術)、ウィルスなど日本の医学や病院の関係者が使う言葉には、ドイツ語を起源とするものが多いと聞いて日本とドイツの意外な過去のつながりを知った。
いまでも日本では「アルバイト」や「グミ」といったドイツ語に由来する言葉があるけど、意味はドイツとは違っている。
ヴァイマル憲法
・ヴァイマル
ドイツにある都市ヴァイマル(ワイマール)は、ゲーテが生まれたところで有名な劇場もあるから、ドイツでは「文化・芸術」のイメージが強い。
個人的には中学生のころ、学校の旅行でここにある強制収容所へ行って、ナチス時代の”闇歴史”を学んだ記憶がある。
でも日本でヴァイマルというと、「憲法」の印象が強いと聞いた。日独では注目する視点が違って興味深い。
*第一次世界大戦の後、ここでつくられたヴァイマル(ワイマール)憲法は20歳以上の男女の普通選挙が定められるなど、当時としてはかなり民主的な憲法だったとして有名。
日本では高校世界史で必ずならうし、中学生も歴史の授業で学ぶかもしれない。
・宗教と信仰
「日本には無宗教の人が多くて、国としても宗教色は薄い」といったことを日本人はよく言うが、そのへんの事情は最近のドイツも似ている。
自分はあえて言うならキリスト教徒(カトリック)で、生まれてすぐに教会へ連れて行かれ、聖水を浴びて洗礼を受けた。もちろんそんなことは覚えていない。
いまでは教会へ行くのは年に2回、イースターとクリスマスの時だけで、後は何か理由があったら行く。
いまの若いドイツ人はそんな感じで、毎週日曜日に教会へ通う人は本当に少なくなった。
日本人も神社やお寺に行くのは初詣とか特別な時だけで、ふだんの生活では関係ないと聞いたから、ドイツ人と似ている。
今年は初詣で神社へ行って、神道の「二礼二拍手一礼」をして神さまに健康と幸せを祈った。
そんな話をすると「え?いいの?」と驚く日本人もいたけど、自分は無宗教の人間だから問題ないし、いまのヨーロッパの若い世代なら違和感はないと思う。
・クリスマスと正月の違い
年神を迎える日本の正月と違って、ドイツで新年は宗教に関係ないから特別な期間でもない。
12月31日に花火の用意をしておいて、カウントダウンをして、新年になったと同時に花火を打ち上げるのがお約束。
その後はパーティーを楽しむ人もいれば、すぐに寝る人もいる。
次の1月1日はただの祝日で2日は平日だから、仕事が始まる会社も多い。
クリスマスと正月について、日本とドイツでは反対になっている。
ドイツでは逆にクリスマスが宗教と深く結びついていて、一年で最も重要と言っていい日だから、無宗教を自認する自分でも、この日は教会へ行ってミサに参加する。
*クリスマスとは「キリストのミサ」の意。
日本では新年に神社やお寺へ行く初詣が大事にされているけど、ドイツ人にとって一年の初めに教会へ行くことは重要ではない。
国民にとっての意味なら、クリスマスのミサと初詣は似ていると思う。
ということで彼は3か月の滞在で、すでに日本でいろいろな発見をしている。
日本人もそんなドイツ人の視点を通して、新しい発見があるのでは?
ドイツ人はバウムクーヘンを食べるのか? 日本の物とはどう違う?
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