日本人は好奇心旺盛で、海外の文化を積極的に受け入れ吸収し自分のものにする。
きのう3月3日は中国文化に起源をもつ「ひな祭り」の日で、きょう3月4日はドイツ由来のお菓子「バウムクーヘンの日」だ。
ひな祭りについてはこの記事をどうぞ。
ドイツ語で「木のケーキ」(Baum(木)+kuchen(ケーキ))を意味するバウムクーヘンは、たしかに木の断面のように見える。
1919(大正8)年の3月4日、いまの原爆ドームでドイツ人ユーハイムが、日本で初めてバウムクーヘンを紹介したことでこの記念日ができた。
まぁくわしいことはここをクリックだ。
年輪のような形状から日本では贈答品のひとつとして好まれ、結婚式や祝い事の引き出物として使われることが多い。
もちろんピンキリだけど、日本ではこんな感じにバウムクーヘンにはお高いイメージがあって、ちょっと特別なときに食べられることが多い。
ではそれから100年後のいま、ドイツでの事情はどうなのか?
それと、ドイツ人は日本のバウムクーヘンを見てどう思うのか?
それをこれから書いていこう。
で早速のネタバレ。
ドイツでこのお菓子が生まれたことは間違いないものの、現在のドイツ人はバウムクーヘンをほとんど食べないようだ。
実は発祥の地ドイツではあまり頻繁に口にしないバウムクーヘンですが、🇯🇵において独自に目覚ましい発展を遂げていますね!しっとりふわふわだったり、様々なフレーバーもあります。
大使館でも、実は日本に来てから初めてバウムクーヘンを食べたというドイツ人職員が多いのです。#バウムクーヘンの日 pic.twitter.com/THBp5PgIrB— ドイツ大使館🇩🇪 (@GermanyinJapan) March 4, 2020
日本でバウムクーヘンは、独自に目覚ましい発展を遂げていろんな味がある。
日本に来て、初めてバウムクーヘンを食べたドイツ大使館の職員も多い。
バウムクーヘン宗主国と思われていたドイツでは、実はあまり人気がない。
この事情を知らなかった日本人がたくさんいて、きょねんのこのツイートには「マジで!」といった反応が多く寄せられた。
それでドイツ大使館はこのあと、「想像をはるかに超える反響をいただき驚くと同時に、バウムクーヘンが日本の皆さんに愛されていてとても喜んでおります😄」とツイート。
日本はいつの間にか、本国をも上回るバウムクーヘン大国になっていたらしい。
大使館内の聞き取り調査によると、バウムクーヘンが有名な地域で育った職員はよく食べていただけで、ほとんどの人には馴染みがなく、このドイツ発祥のお菓子の味を日本で初めて知った人も多かった。
京都で食べた抹茶味のバームクーヘンが一番好きだという職員もいたとか。
知人のドイツ人にきいてみたところ、こんな返事が到着。
「here Baumkuchen is just a normal cake among msny other sweets. like pocky or so. also, we only have one kind, un japan you have a lot more varieties. i had green tea or muskmelon for example ^^ thats true for many other things too…」
ドイツでバウムクーヘンといえば、ポッキーやほかのスイーツのような普通のケーキです。
ここでは一種類しかないけど、日本のバウムクーヘンはバラエティー豊富です。
私は緑茶やマスクメロンのバウムクーヘンを食べましたよ^^
ということでやっぱり、「独自に目覚ましい発展を遂げていますね!」「様々なフレーバーもあります」というドイツ大使館のコメントとほぼ同じ。
もう日本は「世界最大のバームクーヘン大国」と胸を張っていい。
ちなみに上のドイツ人のメッセージはこう続く。
「btw. i really love the scene in Neon Genesis Evangelion when Asuka and Shinji are in one EVA and she told him to think in german and was like “Baum-ku-chen”」
日本のアニメをよく見る彼には『新世紀エヴァンゲリオン』で大好きなシーンがあるという。
それは、エヴァ弐号機に乗り込んだアスカがシンジに向かって、知ってるドイツ語をきいたら「バウムクーヘン」ということばが返ってきたところ。
シンジがたどたどしく「バウム、クウ、ヘン」と答えた場面がこのドイツ人のツボに入ったらしい。
これも日本ならでは。
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> 1919(大正8)年の3月4日、いまの原爆ドームでドイツ人ユーハイムが、日本で初めてバウムクーヘンを紹介したことでこの記念日ができた。
確かに、私の知人のドイツ人も、ドイツ系アメリカ人も、「バウムクーヘンなんて日本へ来て初めて食べた」と言ってました。とてもおいしいお菓子だとか。
広島物産陳列館(後の原爆ドームとなる建物)でこれを紹介したドイツ人ユーハイムですが、後に日本で菓子店を経営し、その事業を継いだ「(株)ユーハイム」は現在も年間売上げ高約300億円に達し、うち2割がバウムクーヘンによるものだそうです(Wikipediaより)。
海外から伝来して日本で大発展したお菓子のうち、東(洋発)の横綱が「饅頭」であれば、西(洋発)の横綱が「バウムクーヘン」といったところでしょうか。