韓国にとっては最悪 中国の「韓国キライ」はこんな人たち

 

光があれば、闇もある。
インフルエンサーにはファンがいれば、当然アンチも存在する。
コインの表裏と同じで、支持(批判)する人だけしか存在しないというのは不自然だから、影響力のある人なら、ファンと同時にアンチが増加する運命は避けられない。
それがイヤなら、もう輝くことをやめるか。

さて話は隣国だ。
このところ韓流ドラマやK-POPといったポップカルチャーが世界的に人気で、ニヤニヤとホクホクが止まらない韓国だ。
韓国の影響力や発言力が増大すると、良くも悪くも外国人が「韓国」と接する機会も増えてくるから、それによろこぶ人もいればイラっとする人も出てくる。
ここ数年は韓国人と中国人との間で、キムチや韓服などの”起源や所有権”をめぐるバトルが絶えない。
こうした文化は中国から朝鮮半島へ伝わったという説を、韓国人なら死んでも認められないし、こうした話は自国の文化を誇りに思う韓国人の心を深く傷つける。

当然、その逆もある。
つい先日、「Korean Lunar New Year(韓国陰暦正月)」と書いた大英博物館のツイッターを見て、「それは違う!正しくは Chinese new yearだ!」に怒った中国人が抗議してそのツイートを削除させた。

「正月」表記をめぐる韓国・中国の罵り合い at 大英博物館

2023年になってまだ1か月もたっていないのに、この他に「韓紙」についても、「韓国が中国の文化を盗もうとしている!」、「これは韓国の伝統文化だ。言いがかりはやめろ!」とネットでバトルがぼっ発した。

 

韓国のエンタメ業界にとって、隣にある巨大な中国市場は絶好の稼ぎ場所で将来的な魅力もあるから、ここを手放すことは選択肢にない。
でもそうなると文化摩擦も避けられないから、韓国としては中国との「適切な付き合い方」を考えるしかない。
そのためには、まず中国にある「韓国キライ」の正体を突き止める必要があるということで、全国紙の朝鮮日報で韓国の専門家がそれについて書いている。(2023/01/22)

【寄稿】「K-POPアイドルは好きだけど韓国は嫌い」

韓国では2021年に『朝鮮退魔師』というドラマの中で、中国風の食べ物や建物を登場させたら、「中国色が強すぎる!」と国民にぶっ叩かれて、たった2話で打ち切りになってしまった。
いま韓国人も中国人も過敏になっているから、「韓中インターネット文化戦争」は起こって当然だという。
韓国にある愛国精神や民族主義に(たぶん批判的に)触れた専門家は、「韓国キライ」の中国人についてこう書く。

興味深いことに「現代中国の『ファンダム民族主義』はKカルチャーと呼ばれる韓国のポップカルチャーを熱心に消費している女性層を中心に形成されている」と分析している。(中略)韓国のポップカルチャー業界で起こっている出来事や韓国のネット情報に精通し、韓国語を話せる人も多い。

 

韓国のポップカルチャーとあまり縁のない中高年ではなく、それを最も楽しんで消費する若い中国の女性が、何かきっかけがあると「韓国バッシング」の急先鋒となる。
韓国語を理解し韓国に精通した人ほど、「文化の起源」といった地雷には敏感に反応して、強力な”アンチ”にとなって韓国を攻撃するという。
韓国文化の影響が世界に広がっていくほど、「K-POPアイドルのファンだが韓国を嫌う人々」も出てくるから、韓国はそれに注意する必要があると専門家は警告する。

 

そんな「韓国キライ」の正体を知って、思い出したことがある。
大英博物館の「正月」の表記で韓国に怒った中国のネットユーザーは、「韓国の」と「クリスマス」をくっつけた「Koreansmas」という単語をよく使っていた。
こういうネットスラングもそうだし、いろんな英文コメントを読んでいて、ここにきて韓国バッシングをするのは若い中国人がほとんどだろうという気配があった。

韓国のポップカルチャーをこれからも世界に、特に中国へアピールしていかないといけない韓国にとって、「K-POPのファン=韓国を嫌う人々」という存在は、自らの手で”敵”を量産することになるから悪夢でしかない。
かといって、韓国が韓流の世界化を止めるのは無理。
だからおそらく今までのは”準備運動”で、韓国人と中国人による「インターネット文化戦争」が本格的に始まるのはこれからだ。
こんな嵐が発生しない(ゼロではないが)日本はラッキーなのか、もはや影響力を失った負け組か。

 

 

日本 「目次」

韓国 「目次」

中国と韓国で文化起源をめぐる対立。その原因や日本の反応

韓服にキムチで今度はビビンバ。韓国と中国の文化対立

韓国・日本に影響を与えた中国文化:ビビンバにみる五行思想

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。