「正月」表記をめぐる韓国・中国の罵り合い at 大英博物館

 

時代が江戸から明治に変わった後、日本政府はそれまで祝っていた正月の日も1月1日に引っ越して、それが現在まで続いている。
でも、中国や韓国は違う。
いまでも旧暦で正月を祝っているから、日本とは1か月ほどの時差があって、ことし2023年の正月は1月22日だ。

それにちなんで世界3大博物館の1つ、大英博物館が「今度、韓国のお正月を紹介します。韓国の伝統的な踊りも披露するんで、みんな見に来てね~」といったツイートをしたところ、これが中国人や中国系の人たちの逆鱗に触れてしまう。
「Korean Lunar New Year(韓国陰暦正月)」のワードが中国人にとっては地雷で、無邪気にこれを踏んだ大英博物館に、”適切な表現”へ変えるよう要求する。
すると大英博物館がそれを認めてツイートを削除。
そしたら今度は、それが韓国の地雷となって全国紙が報道する事態に発展した。

中央日報の記事(2023.01.24)

「中国に屈した」…「韓国陰暦正月→中国旧正月」に変えた大英博物館

中国人や世界各国の中国系の人たちにとっての正解は「Chinese new year」だ。
「Korean Lunar New Year」を削除した後、大英博物館はこんなツイートをしたという。

 

 

で、このツイートのコメント欄をのぞいてみたら、やっぱり「中国 vs 韓国」の罵(ののし)り合いがぼっ発していた。

*ここでは現場の空気や彼らのホンネを伝えるために、差別的・侮辱的表現を原文どおりに使うことにする。
それでもやっぱり、「表現の自由」を軽く超えてるワードは載せられないから、実際の雰囲気はこの5割増しと思ってほしい。
中国語と韓国語は分からないから、その文章はほぼ自動翻訳だ。

 

〇中国サイド

・棒子!圣诞是你们的西巴的,宇宙都是你们。小偷国什么都偷自卑又又自大

棒子(たぶん韓国人をバカにした表現)!
クリスマスも宇宙もすべてオマエたちのものだ。この泥棒国家め。
自尊心が低く、傲慢な態度ですべてを盗む。

・It is well known that the universe originated from Korea. Koreans are the most shameless thieves in the world! Stop appropriating culture.

宇宙の起源が韓国であることはよく知られている。韓国人は世界一恥知らずな泥棒だ!
文化の盗用はやめろ。

 

中国側の書き込みで、「Koreansmas」や「merry Koreansmas」という単語が山のようにあった。
「韓国の」と「クリスマス」をくっつけた言葉というのは想像できるけど、意味がよくわからない。
調べてみるとどうやら、「イエス・キリストは韓国人」、「いまの韓国人はキリストの子孫」という説が中国側にあって、こんな単語が出来たらしい。

 

「我々は誰だ?」
「韓国人!!!」
「どうやったら文化を発展させることができる?」
「他国の文化を盗む!!」

 

〇韓国サイドの反応

・뇌에 병이 있다?
문화가 없어서 정말 무서워요.
더 이상 우리 문화를 훔치지 마세요.도둑이 되는 게 좋아요?

脳に病気でもあるのですか?
文化がないというのは本当に怖いことですね。
もう韓国の文化を盗まないでください。

 

・#free_Tibet
#free_HongKong

チベットと香港に自由を!

 

・지금@britishmuseum에 가시면 단순히 “설날, 한국의 음력새해 행사”에 관해 적은 대영박물관의 트윗에 열폭한 어느나라 사람들의 난장판을 구경하실 수 있습니다. 해당트윗은 삭제됐지만 박물관 최근 트윗에 쉴새없이 달리고 있어요 ㅋㅋㅋㅋ

いま「@britishmuseum」に行けば、大英博物館のツイートで暴れ回っている人たちを見学できます。ぷぷぷっ
*ㅋㅋㅋㅋは「笑」の意味で、wwwと同じ。

 

これとは別に大英博物館に批判を向ける人もあり。

・You are the Korean Museum, not the British Museum
・Shameless, ignorant British Museum!
(恥知らずで、無知な大英博物館!)
・Please respect Chinese culture
Please APOLOGISE, British Museum
(中国文化を尊重し、謝罪してください。)

U.K(イギリス)を「ユナイテッド・コリア」と書く人もいて、大英博物館のツイッターは完全に「中国 vs 韓国」の戦場と化していた。

 

基本的にどっちも「Shame on you(恥を知れ)」、「わが国の文化を盗むな」という呪いのワードをぶつけ合っているのだけど、数ではやっぱり中国が圧倒している。
ただ、全国紙の中央日報が「恥ずかしい措置」、「中国ネットユーザーの無差別的な攻撃に大英博物館が降伏した」といった刺激的な言葉を使っているから、今度は韓国側の反撃があると思われる。
韓国の正月を紹介するツイートをした大英博物館も、まさかこんな大爆発になるなんて1ミリも想像できなかったに違いない。
このところ、文化をめぐる韓国と中国の対立は激しすぎて、何が地雷になるのかホントに分かりづらい。
韓国のアイドルが最近、SNSに「Chinese new year」と書き込んだら韓国人に叩かれたから、それを削除し謝罪した。そしたら今度は、「なんで削除した!」と中国人からの批判が殺到しているというニュースをいま見た。
もう地獄の展開。
自分の国を誇りに思う気持ちは当然としても、愛国主義や民族主義の行きつく先は殴り合いということを、隣人として反面教師にさせてもらおう。

 

 

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2 件のコメント

  • ‘Lunar New Year’を’Korean Lunar New Year’と書いたのは間違っていると思います。
    でも’Chinese Lunar New Year’と書いたのも正しいとは思えません。ただ「Lunar New Year」と書けばよかったと思います。文明と文化は伝わり共有されるものですが、あえてどの特定の国の名前を前に付けることに何の意味があるのでしょうか。この点で、大英博物館の行動は適切だったとは考えられません。
    しかし幸いなことに、今回のことによって韓国人が中国人の性格をよりよく知るようになったことです。韓国の左派によって中国が韓国の最も親しい友好国であるかのように糊塗されましたが、実際には無礼で思いやりなど全くない利己的な国家と国民だということを知ったのです。
    実際に韓国を助けてくれた国は中国ではなく日本だという事実を知っていけたらと思います。

  • この「正月表記」問題のやっかいなことは、毎年繰り返して起こることです。
    しかも対立は激しくなっていくでしょう。
    日本としては何もできませんが。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。