【日本・中国・韓国の箸】魚・肉料理・キムチから生まれた違い

オリンピック競技の障害馬術で使われる道具はかなり「自由」で、その国の“らしさ”をアピールすることができるらしい。

東京五輪では「力士」「寿司」「箸」「舞妓」「歌舞伎」「東京スカイツリー」「富士山」といった日本を象徴するアイコンが登場した。

 

さて、日本のシンボルとして富士山はいいとしても、「お箸」はどうなのか?
この道具を使うのは日本人だけではないのだから。
しかし、重要なポイントはそのビジュアルで、そこに日本の「らしさ」が表れていたら問題ない。

 

ここでクエスチョン。
上の障害物で使われた巨大な箸は、日本・中国・韓国(朝鮮半島)のどの箸でしょう?

下の絵をヒントに考えてほしい。

 

 

 

箸は古代の中国人が発明して、周辺の日本・ベトナム・朝鮮半島の東アジアに伝わったというのが定説。

日本で箸は数千年前の縄文時代からあったとか、聖徳太子が使ったという説もあるんだが、これらはハッキリ確認されていない。

最古の箸は7世紀後半の板蓋宮跡や藤原宮跡から出土しているから、少なくとも飛鳥時代の末期には日本人が使っていたことは間違いない。
ただそれは現在のように食事用か、それとも神への儀式で用いたのかは分からない。

 

中国を起点に周辺国へ伝わった箸は、それぞれの地で独自の進化をとげていく。

まず分かりやすいのは韓国の箸だ。
韓国では昔は上流階級の貴族が銀の箸を使っていて、庶民もそれにあこがれたらしく、いまでも金属製の箸を使っている。
だから韓国料理店に行くと、ステンレス製のキラキラ光る箸が出てくるはずだ。

韓国の箸が丸や四角ではなく平たくなっているのは、キムチや豆が取りやすいようにするためという。
ただあの形だとご飯が食べにくいから、白米はスプーン(さじ)で食べる韓国人がよくいる。

 

中国と日本の箸の違いについては、「彼を知り己を知れば百戦あやうからず」と孫子(by 孫子)も言っているので、中国メディアの視点を紹介しよう。

サーチナの記事(2020-10-23)

日中韓に共通する「お箸」の文化、韓国の箸は使いづらい! 日本の箸は・・・=中国

中国メディアの百家号によると、まず箸の長さは「日本<韓国<中国」の順で日本がいちばん短い。

日本の箸の特徴は先端が細くとがっていることで、先端から端まで、ほぼ同じ太さの中国箸とはこの点で決定的な違いがある。

※ということで、先ほどの質問の答えは左から「日本・中国・韓国の箸」になる。

その理由は、「日本の箸の先端がとがっているのは、魚を食べることが多いので魚の骨を取りやすくするため」で、大皿から直接料理を取りやすいように中国の箸は長くなったという。

中国でお世話になった日本語ガイドからは、中国では魚より豚・牛・鶏などの肉を昔からよく食べていたから、大きな肉のかたまりが取りやすいように同じ太さの箸になったと聞いた。

ちなみに韓国人が金属製の箸を使う理由として、中国メディアは「韓国料理は基本的に赤いからだ」と指摘。

韓国では唐辛子を使った料理が多いから、木製の箸だとすぐに変色して色が落ちてしまう。
また焼肉だと、木製の箸はすぐ使い物にならなくなってしまうことも関係しているとか。
だから韓国人にとっては金属製の箸が最適解らしい。

昔、ある韓国人から、金属製の箸だと「キムチをちぎりやすい」という利点があると聞いた。たしかに日本や中国の箸だと大変かもしれない。

 

食文化に注目すると、魚をよく食べる日本では先がとがった箸、肉料理が多いから中国の箸はずん胴、キムチをよく食べるから韓国の箸は平べったい形になったようだ。

ということで先っぽが細くなっているのは日本の箸だから、五輪の障害馬術で使われた箸は日本のものとわかる。
それにこんなアイデアも日本人だけかも。

 

 

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この記事を書いた人

今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。
また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。

コメント

コメント一覧 (2件)

  • > ちなみに韓国人が金属製の箸を使う理由として、中国メディアは「韓国料理は基本的に赤いからだ」と指摘。
    > 韓国では唐辛子を使った料理が多いから、木製の箸だとすぐに変色して色が落ちてしまう。

    これで思い出すのが、インド料理店の食器類ですね。カレー用スプーンはもちろんのこと、ほとんどの食器がステンレス製です。もしも、木製の箸とか食器とかを使ったら、カレーのスパイスが染み込んですぐに変色してしまうのでしょう。東南アジアのカレー専門店では「バナナの葉」をお皿の代わりに使う店がありました。
    でも韓国では、おそらく、インドに比べて陶磁器が手に入りやすかったので、箸はステンレス製でも、皿など食器は陶磁器製の方が多いのでしょう(ただし軍隊では割れにくいステンレス製食器が多いはず)。このことは日本も中国も同じです。でもインドはそれほど陶磁器が入手しやすくないから、食器も金属製なのだと思います。
    それと、インドの地元ではスプーンなんか使わずに普通は手で食べると思うのですが、それでも食器はステンレス製か、もしくはカレー以外の料理には木製のボウルや皿を使うのが一般的なのでは? インドに行ったことがないので分りませんが。

  • あの障害馬術のオブジェを叩いている人が多いけど、過去の五輪でも似たようなものだった。
    そしてあれはオブジェに対して馬が動じないか、元々臆病な馬が騎手を信頼しているか、競技に集中で来ているかを判定する為にわざと置かれている物で、なによりあれを作製したのは日本でなく欧州の企業なんだが。

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