ドイツ、トルコ、ナイジェリア人の話:日本の桜・変わった食材

 

2月下旬になって寒さのピークを越えて、「それは良いニュースだ!」と知人のナイジェリア人に希望が見えたころ、浜松では河津桜が咲きはじめた。
だもんで彼とバングラデシュ、トルコ、ドイツ人といっしょに河津桜を見に行ったんで、今回はそのとき彼らから聞いた話を紹介しよう。

 

 

ーー桜が咲くころになると、日本人は「春がきたっ」と感じるけど、君たちの国で「春のシンボル」には何がある?

トルコ人:それは地域によって違う。
イスタンブールならチューリップだし、アナトリア地方ではオレンジが春のシンボルだね。

ドイツ人:ドイツなら、春を告げる花にクロッカスがある。
ちなみにドイツで見たサクラは日本よりも暗い色だった気がする。

【春を告げる花】中国・韓国・ヨーロッパの”季節の移り変わり”

ナイジェリア人:ナイジェリアは基本的に暑い国で、「ホット」と「ホッター」しかないから春なんてないよ。
季節(というか気温)の変化なら、花じゃなくて果物でわかるね。

 

ドイツ人:サクラのシーズンは4月ごろと聞いてたけど、2月に咲くサクラもあるんだな。

ーーまあね。
日本には100種類以上の桜があって、河津桜みたいに早く咲く品種とかいろいろあるよ。
ところでナイジェリアでも「桜」は知られている?

ナイジェリア人:100種類ってスゲーな。
日本のことを知ってる人なら分かるだろうけど、普通の人は「サクラ」なんて知らないよ。

 

 

トルコ人:日本人は「cherry blossom」(チェリーブロッサム:桜)を食べるの?

ーー食べるよ。

トルコ人:どんな味がする?

ーー桜の花びらを漬けたものだから、実質的には「塩味」だね。

ナイジェリア人:え?
実(果実)じゃなくて、花びらを食べるのか?

ーーそう。
「桜漬け」は日本の伝統文化だから。

トルコ&ナイジェリア人:ふーん(とよくわからない様子)。

*このとき「なんか話がかみ合ってない」と感じて、後日、イギリス人に聞いてそのワケを知る。
英語の「blossom」と「bloom」は日本語にすると、どっちも「花」だけど意味がチョット違って、「blossom」は果樹の花のことで、「bloom」は桜やチューリップみたいに観賞用の花のことをいう。
だから「blossom」を使っていたトルコ人やナイジェリア人は、育てて食べること(食用)が前提になっていたから、ボクの認識とズレがあったらしい。

 

ーーほかにも日本人は秋になると、もみじの葉を揚げて食べることもある。
「4本足のものは机と椅子以外、2本足のものは家族以外、飛ぶものは飛行機以外、水中のものは潜水艦以外、なんでも食べる」という中国(広東)人でも、もみじの天ぷらにはビックリする人がいる。

中国人には“ゴミ”。でも日本人は天ぷらにして食べる食材は何?

母国で変わったものを食べる習慣はある?

ドイツ人:ドイツ人が食べるのは、肉にチーズにじゃがいも…。
特にユニークな食材はないね。

トルコ人:トルコ人も変わったものは食べない。
あっ、でもトルコには徴兵制度があるから、軍隊なら、普通は食べないものでも食べることがある。
期間は知らないけど、友人は山の中で訓練をしたとき、蛇やカエルを捕まえて食べたと言っていた。
「食べるか死ぬか」の状況だから仕方なく食べたけど、カエルは鶏みたいでわりと美味しかったらしい。
あと羊の脳や肺、頭部を食べる人もいる。

ナイジェリア人:オレはカエルも蛇も食べたことあるぜ!
でも、蛇のほうが鶏に近い感じがした。
ナイジェリアでは貧しい人はいろんな物を食べるし、民族によって食習慣も違って昆虫食も多いから、全体的にみれば「何でも食べる」という状態だと思う。
*ネットで検索したらナイジェリアでは、シロアリや蛾の幼虫はけっこうポピュラーな食材らしい。

 

ということで本日のまとめ

季節のバラエティーでいうと日本・ドイツ・トルコには四季があるから、ニキ(二季)しかないナイジェリアの上をいく。
食文化の多彩さでいうと、ナイジェリアは次元が違う。

 

 

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日本人と中国人:お互いに「ありえない」と思う食べ物あれこれ

東南アジアで暮らす日本人。「四季がない」というプチ拷問。

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。