日本最大の火災といえば、10万人ともいわれる死者を出した江戸時代の明暦の大火だろう。
これが起きたのは1657年の3月だから、ちょうどいまと重なる。
日本では昔から、この時期は空気が乾燥していて、強い風が吹きやすいから火事が起こりやすくなる。
さて令和の日本ではネットが当たり前になって、ちょっとしたことですぐに炎上するようになった。
最近、料理系ユーチューバーがカレーのレシピで、分量についてこう紹介する。
「男性なら1人前、女性なら2人前分あります」
すると「女性が少食とばかり思うな」、「男女で飯の量勝手に決めんでくれや」といった批判がきて炎上騒ぎになり、そのユーチューバーさんはこう謝罪した。
「不適切な発言で不快な気持ちをさせてしまった方々、大変申し訳ございません」
「これからは自分の発言に責任を持って投稿するよう努めます」
この一件にネット民はこう思った。
・このての因縁を付けるやつは名前も顔も出さないな
スルーしろよ
・この批判が許されるなら、女性は虐げられていると言うフェミニストが真っ先に叩かれないといけない
・いいがかりの見本
・だったら忘年会の会費や食べ放題の料金も男と同じ額払えよ
・こんなことまで文句言うならいい加減女性専用サービスに対して差別だと文句言えよ
批判がきて謝罪をすると、「そんなのスルーしろよ!」と別の角度から批判が飛んできて、とにかく炎上しやすいのがいまの日本だ。
でも、たしかにこの場合は、「男性なら1人前、女性なら2人前分」に怒るほうに問題がある。
この世界には男と女がいて、平均的な体重や身長、力は客観的に違うのだから。
生物としての違いを無視して、“みんな平等”にしたら、スポーツや格闘技は女性差別になってしまう。
農林水産省は1日に必要なエネルギー量について、活動量の少ない成人女性の場合は1400~2000kcal、男性は2200±200kcal程度が目安とホームページに書いている。
これは必要な情報で、カレーレシピで「成人1人前なら~」と言われても、分量がつかめなくて分かりにくい。
こういう人は外国人に「重そうですね。荷物を持ちましょうか?」と言われたら、「女だからといって非力と思うな!」と怒るのだろうか。
こんな感じに、社会的正義に超敏感肌な人がいる。
ほかにもネットや街をパトロールして、「自分の正しい」を基準にして他人を正す、自粛警察、マスク警察、着物警察、(英語の)文法警察などなど日本にはいろんなポリスがいて、炎上騒ぎが後を絶たない。
問題ではないことを問題視して問題にする。
そんな問題化という問題に、頭を抱えている人はいま世界中にいるのだ。
日本の「~警察」は海外にもいて、知人の台湾人の話によると、あちらではそんな人間を「正義魔人」というらしい。
自分基準で、“社会の不正”を一方的に正す人ということだから、まさに日本の「ナンチャラ警察」だ。
たとえば電車か地下鉄で、優先席に座っている妊婦を見つけた正義魔人が「その優先席は老人しか座ってはいけない!」と非難して、妊婦をどかせようとしたことが台湾で話題になった。
アメリカではそういう人を、「ソーシャル・ジャスティス・ウォリアー」(社会正義戦士)という。
フェミニズム、公民権、ゲイやトランスジェンダーの権利、政治的正しさ、多文化主義などについて、自分の見解を押し付ける人たちが「SJW」。
ソーシャル・ジャスティス・ウォリアーとはもともとは良い意味だったのに、2011年ごろから、相手をバカにするようなネガティブな言葉に変わったらしい。
According to Martin, the term switched from primarily positive to negative around 2011, when it was first used as an insult on Twitter.
一般的な常識から逸脱し、自分の正義や基準を絶対視する。
そして勝手に、他人や社会を清く正しくしようとすると日本では警察、台湾では魔神、アメリカでは戦士に闇落ちしてしまう。
呼び方はいろいろあっても、こんなめんどくさい人たちはどこの社会にも共通している。
ネット社会ではこういう迷惑な人たちの勢力が増大するから、これもメンドクサイ。
【ジェンダー配慮】He や She ではなく、性的中立の「they」
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