来日してから語学学校で日本語のスキルを磨いて、いまは静岡で働いているカンボジア人(20代・男性)と会って話をしんで、これからその内容を紹介しよう。
でもその前に、まずはカンボジアの基本情報を確認確認。
面積:181,035平方キロメートル(日本のおよそ半分)
人口:1530万人(2019年)
首都:プノンペン
民族:人口の90%がカンボジア人(クメール人)とされている。
言語:クメール語
宗教:仏教(一部少数民族はイスラム教)
ソース:外務省ホームページ「カンボジア王国(Kingdom of Cambodia)基礎データ」
ーー5年以上も日本にいるんですか。
日本人のいいトコロって、どんなところだと思いますか?
まわり人のことを考えて行動するところですね。
電車やバスの中では静かにしていますし、駅では自然に列をつくって待って、整然と乗り降りするのはカンボジア人ではちょっと無理です。
ーーサンクス。
逆に悪いところは?
知らない人にはすごく冷たいところです。
目の前で交通事故が起きて、車にはねられた人が倒れているのに、かけよって助ける人は少なくて、ほとんどの人はその横を通り過ぎるのを動画で見てア然としました。
ーー他人に配慮するけれど、面倒なことには巻き込まれたくない。
日本人にはそんなところがありますね。
ヌン・パン
ーーまえにカンボジアを旅行した時、フランスパンのサンドイッチを食べまくりました。
かつてカンボジアはフランスに支配されていて(フランス保護領カンボジア)、これはその“置き土産”ですが、フランスの影響はほかにもありますか?
コーヒーがそうですけど、あのパンもフランスの影響だったというのはいま初めて知りました。
ありがとうございます。
ーーいえいえ。
(ってオイ、あれはどう見てもフランスパンだろ。)
カンボジアで「バゲット」とか言わないんです?
カンボジア語では「ヌン・パン」って言います。
ヌンは「お菓子」ですかから、ヌン・パンで「菓子パン」といった意味ですね。
子供のころからあったから、ヌン・パンはヨーロッパの食べ物とは思っていましたけど、いつ・どこから伝わったかなんて考えたことなかったです。
ーーそうですか。
ところでカンボジア語でも「パン」って言うんですね。
日本語と同じポルトガル語由来の言葉ですかね?
そうかもしれません。
よく分かりませんけど。
カンボジアのコーヒーとヌン・パン
ーーカンボジアでよくこんな物を見ました。
これは何ですか?
これは家の神さまがいるところです。
水、フルーツ(バナナやマンゴーなど)、線香をお供えして、「いつも家族を守ってくれてありがとうございます」と感謝したり、「これからもお願いします」と祈ったりします。
ーー日本でいう神棚ですね。
イグザクトリー。
タイと違って、カンボジアでは仏教が国教になっています。
日本の仏教とはどう違いますか?
カンボジアではお墓が“ない”と言うと、ビックリする日本人がよくいます。
むかしは土葬が多くて、その場合にはお墓がありますけど、火葬すると日本みたいなお墓は作りません。
ーーじゃ、火葬した後の遺灰はどうするんです?
遺灰はチョット残しておいて、ほとんどは川に流します。
残りの遺灰は家へ持って帰って、入れ物に入れて大切に保管します。
お金があれば大きなパゴダ(仏塔)に入れるから、あえて言えばそれがお墓になりますね。
さっきの「神様の家」に、遺灰の入った容器(骨壺?)を置くことも多いです。
*「日本が好きです」という文を、タイ語とカンボジア語にするとそれぞれこうなる。
タイ語:ฉันชอบประเทศญี่ปุ่น
カンボジア語:ញុំចូលចិត្តប្រទេសជប៉ុន
機械翻訳だから、これがどのぐらい正確かは置いといて、タイとカンボジアを旅行していて「文字が似てるなー」と思ったんでそのへんを聞いてみた。
そうでしょうね。
タイ文字はクメール(カンボジア)文字からできましたから。
歴史を見ると、むかしタイ人はカンボジア人に支配されていて、そこから独立して自分たちの国をつくりました。
そのころのタイ人にクメール文字は難しかったから、それを簡略化してタイ文字を作ったんです。
だから文字をふくめて、カンボジアのいろんな文化を取り入れたから、タイ文化のなかにはカンボジアの影響がたくさんありますよ。
ーーほ~。たとえば?
ムエタイです。
あれをタイで生まれた格闘技と誤解している人が多いのですが、もともとはカンボジアの格闘技「クンクメール」なんです。
*このへんは彼の認識だから、客観的な事実かどうかは知らない。
以前のカンボジアは強大な国で、いろいろな文化を生み出しました。
だから過去の地図を見ると、いまは国土がかなり小さくなって、かつての5分の1ぐらいになったことが分かるので悲くなりますす。
ーー過去は現在と違うから過去なんです。
以前の領土を考えたら、モンゴル人なんて悲しいどころの話じゃないですよ。
アンコールワット
そう言えば、カンボジアの正月(クメール正月)は来月ですね。
*2023年は4月14~16日。
日本の正月では新年の神(年神)を迎えることが大事で、韓国や中国では先祖の霊をまつることが重要です。
カンボジアの正月には何をしますか?
正月には天から女神がやってくるので、家の前に祭壇をつくって、食べ物や飲み物を用意してお迎えします。
先祖崇拝ではなくて、一年の幸運を運んでくれる女神を祝うイベントですから、日本の正月に似てますね。
ーーなるほど。
では今日はありがとうございました。
អរគុណ(オークン、ありがとう)。
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