領有権問題は中国と韓国の間にもある。
中国が蘇岩礁(そがんしょう)とよぶ島を、韓国では離於島(イオド)とよんでいて両国が対立中だ。
それで韓国はこう主張する。
ハンギョレ新聞の記事(2016-08-06)
「離於島は我が島」を独島のように広めたい
この問題の解決は中韓にまかせるとして、日本にとっての問題は韓国が「独島(Dokdo)」とよぶ島だ。
日本政府はこの竹島を日本固有の領土と主張していて、最近、「韓国が不法占拠している」という記述のある小学校の教科書を検定で合格させたことで、「日本の教科書の歴史歪曲を糾弾する」「植民地の歴史の歪曲を中断せよ」と韓国側は官も民も猛反発した。
中央日報の記事(2023.03.29)
日本の小学校教科書「竹島、韓国が不法に占拠」…韓国政府「是正せよ」
ハンギョレ新聞の記事によると、ある市民団体は日本の小学校教科書を「不合格」にした。(2020/3/31)
韓国の市民団体、検定合格した日本教科書の歴史歪曲に「不合格」判定
竹島の領有権問題はただの地理問題ではなくて、韓国では「日本による韓国侵略の第一歩」とみなされて、歴史認識の問題にもなっているから、韓国的には「歴史歪曲」になってしまう。
10年ほど前、産経新聞のコラム「ソウルからヨボセヨ」に、日韓の決定的な違いについて書いてあった。(2012.4.21)
日本に住んでいて、娘を私立高校に通わせている韓国人の母親が日本の授業に感動したという。
それは竹島についての授業で、これは日韓の問題だから、韓国の立場も理解する必要があると先生がいって、娘に韓国の立場を話させた。
日本の立場を説明した上で、韓国側の意見を紹介した(させた)先生が「日本で韓国の立場を堂々と述べた彼女に拍手しましょう!」というと、クラスの生徒は一斉に拍手する。
この話を知って母の心は震えた。
これに感心したお母さんは「韓国の学校ではとてもこうはいかない。日本人の生徒に日本の立場をしゃべらせるなんてことはゼッタイありえない。先生が先頭に立って日本非難を扇動しますよ」という。
竹島教育に拍手?
これが韓国だったらどうか?
自分と違う意見にも耳を傾ける必要があると学校の先生がいって、日本人の生徒に「〇〇ということで、竹島は日本固有の領土です」と言わせる機会を与える。
そして、「韓国で日本の立場を堂々と述べた彼女に拍手しましょう!」なんて言ったらどうなるか?
知人の韓国人に聞くと母親と同じで、そもそもそんな状況は絶対にあり得ない。
反対意見を述べることやそれを聞くことは民主主義として大切なことで、学校では特に尊重されないといけないが、この場合は愛国心が上回るからムリ。
そんなことをしたら、先生には「親日(=売国)教師」のレッテルが貼られて、抗議の電話や市民団体が押し寄せて学校はパンクする。
やっぱり韓国で独島の授業は、「先生が先頭に立って日本非難」をすることがふつうらしい。
いまでも教室に韓国人の児童生徒がいたら、先生は配慮して、両論併記的に授業をしてもおかしくない。
でも韓国では、市民団体が日本教科書に「不合格」判定をだして、メディアもそれを当然と思うぐらいだから、このへんの寛容の精神はとても期待できない。
独島(トクト、日本では竹島)問題は親日的な韓国人にとっても非常に難しい問題です。
1965年の韓日国交正常化会談当時も最後まで両国を苦しめた問題でした。しかし両国は互いに妥協する線で独島問題を終え、国交を正常化しました。 その後、何の問題もなく過ごしていましたが、金泳三政権になって反日政策をとり、独島問題が再び水面上に浮かび上がりました。
それ以来、これまで独島問題は韓国と日本を最も苦しめる争点として残っています。
韓国で、私のように「独島を無条件に私たちの領土と言う根拠がない」と言うと、すぐに「土着倭寇」や「親日売国奴」と言われてしまいます。韓国は全体主義的性格が強い社会です。
近代化と自由民主主義を自分たちの力で完成させることができなかったため、国民の意識水準がその体制を理解していません。
こうした領有権問題は世界中にあります。
解決することは現実的には不可能ですから、対立を激化しないように感情をコントロールして、互いの立場の違いを認め合うしかないでしょうね。
同感です。
1965年の韓日国交正常化会談当時両国代表間の秘密条約の内容もそうでした。
-今後両国は各国が独島が自国の領土だと主張することを認め、これに対して反論を提起することも認める。
-今後漁業区域を定める過程で両国間の共同漁労区域を設定する。
-日本は現在、韓国の実効支配を認めている。 しかし、その後、新しい施設を追加したり警備電力を追加してはならない。
-この合意を守っていく。