「なんで日本人は英語を話せるようにならないのか?」
このナゾはずっと前からあって、その分析はとても進んでいろんな原因を発見することに成功したけれど、日本人が英語がしゃべれるようになったという話はついぞ聞かない。
すこし前、日本の中学校や高校で英語を教えていたアメリカ人・イギリス人と話す機会があって、そのときこの話題がでてきた。
彼らが共通してあげた理由は「坊やだからさ」じゃなくて、「日本人は失敗を怖がるから」ってこと。
受験のためでもとにかく英語を学んでいるから、実は日本人には簡単な英語を話せるだけの単語や文法の知識はすでにあるのに、をれを使うことが少なすぎる。
蓄積はあっても、恥ずかしがって黙っているから英会話の力は伸びない。
とにかく口に出して言うことが大事で、生徒からの動き出しがあれば、供しもそれに応じて必要なサポートをすることができる。
始めないと何も始まらない。
日本人は間違えることを極端に嫌がって、失敗しないで話せるようになろうとするからうまくいかない。
せっかく基礎的な力はあっても、シャイな日本人はそれを使おうとしないから、「宝の持ち腐れ」で無意味にしてしまう。
日本人が正解を重視し、正しく話すことにこだわるのは受験英語の影響なんだろう。
最大の失敗は間違いを恐れて何もしないことなのに。
どんどん良くなっているのは英会話教材や環境で、日本人の英語力については「アジアで最下位レベル」のまくら言葉がいつまでたっても無くならない。
これはやっぱり「どうしても失敗を恐れる」という、日本人の本質的な部分が変わっていないことがその理由にある。
傷つかないで良い結果を得ようとする態度は「坊やだからさ」とも言える。
さてそんな外国人の話を聞いて、思い出したのは産経新聞のこのコラム。(2017/11/27)
米のハイテク業界で嫌われる日本人 そのわけは?
このころシリコンバレーにある企業や有名大学に、日本企業がよく訪問していた。
世界でも最先端をいく、米ハイテク業界の動きは日本企業としても把握しておかないといけない。
アメリカ人もそれは理解しているから対応するのだけど、企業から派遣された日本人は「視察」や「情報収集」を目的にしていることが多くて、肝心の事業への投資話にはならないという。
アメリカ企業としては、話を聞くだけの日本人と会っても時間のムダでしかない。
生き馬の目を抜く世界を生きるベンチャー経営者にとって、ビジネスに結びつかない時間がとられるのは「迷惑だ」というのだ。
なんでこうなるのかというと、アメリカの企業を訪問する担当者は日本の本社から、何かを決定できる権限を持たされていないから。
まずはじっくり話を聞いてそれを持ち帰り、社で複数の人が慎重に検討するからどうしても時間がかかる。
そんなプロセスはアメリカ人のスピード感に合わないから、米のハイテク業界では「決断しない」日本企業の評判が広まりつつあるという。
日本の事情は日本人がよく知っている。
ネットを見ると、この件についてはアメリカ側に同情する人が多い。
・決断できん奴を重要ポストにつけるなよ
・これは日本人ですらいい加減にしろって言いたくなるレベル
・稟議書回して同意得て根回しして何回も会議して60過ぎた役員達を説得する日本企業のやり方の何が悪いというのか
・決断もそうだけど
責任の所在の曖昧さも外国企業からしたらイラつくだろうねえ
・見切り発車は出来ない国民性です
リスク無しでリターンを得られる話は詐欺にきまっている。
世界中の企業がその2つのバランスを考えて決断をしているわけだが、日本企業は海外に比べると、危険を覚悟で大きなリターンを期待するよりも、全体的にリスク回避を重視している。
だから現場の人間に決定権は無く、「わかりました。では、いったん社に持ち帰って後日~」となる。
自分たちの説明をして待たされたあげく、
「今回は見送らせて頂くこととなりました。御社の今後のご活躍を心よりお祈り申し上げます。」
とかお祈りメールとかもらった日には誰だってキレる。
後から損失を出さないように、慎重に行動する日本企業につきあっていられるほど、アメリカのハイテク業界はヒマじゃない。
ボランティアじゃなくてビジネスだから、時間を奪う日本人は嫌われる。
間違えたくないから英語を話そうとしない中高生も、失敗したくないから動こうとしない企業も本質は同じ。
恥をかいたりリスクを取ってチャレンジして、大きな成果を手に入れることよりも、危険を回避しようとするのはもう日本人の本能や国民性だ。
これも子供のころから、「正解」を見つけることが重視されているせいか?
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