日本へ繰り返し謝罪を要求する韓国、53回じゃまだ足りない?

 

2018年に韓国最高裁が徴用工訴訟で、日本企業へ賠償を命じたのはまだ“ギリ”よかったかもしれない。
この問題は1965年の日韓請求権協定で「完全かつ最終的に解決している」と韓国政府も確認して、日本から5億ドルという巨額の経済支援金を受けったのだから、いまになって蒸し返してはいけないのだ。
にもかかわらず最高裁がこの約束をひっくり返し、歪んでしまった日韓関係を文前政権が立て直してくれたらよかったのだけど、文大統領は放置したまま任期を終える。
これが決定的だった。

でも、「日韓関係は終了させない!」と意気込む尹(ユン)大統領が先月、元徴用工問題の解決策を発表したことで急速に関係改善の機運が高まる。
その案がきまる最終局面で、中央日報はこんなことを強調していた。(2023.01.17)

終盤までに日本が最大限の誠意を示してもう一度謝罪するように誘導しなければならない。

【社説】韓日関係「正常化モメンタム」、今度こそ必ず生かそう

 

日本は最大限の誠意を示さないといけない、心から謝罪しないといけないという意見が韓国側には強くあった。
といっても、この問題はすでに解決済みで、最高裁の判決は国際法に違反するという立場の日本がそれをすることはできない。
といっても、何もしないワケにはいかないから、岸田首相は韓国に謝罪した歴代内閣の歴史認識を継承すると発言した。
すると、「心からお詫びします」といった直接的な謝罪の言葉がなかったことで、韓国の特にリベラル派が反発する。

韓国の大学教授がハンギョレの寄稿「民族を捨てた尹錫悦政権と民族なき国益」で日本にこう怒る。(2023-04-17)

・日本政府は、日帝が犯した反倫理的な犯罪行為に対して、儀礼的な謝罪さえしなかった
・少しの罪悪感もなしに傲慢に見下す加害者

 

韓国がしきりに求める謝罪について、このブログの韓国人読者さんに教えてもらった情報によると、日本はすでに34回も公式謝罪している。

일본의 사죄(日本の謝罪)

韓国語でもこういうサイトがあるのに、日本がもう何度も頭を下げたという事実は一般国民にはほとんど知られていない。
それで韓国に住んでいる日本人から、

「歴史問題に関連して歴代の日本の首相や閣僚が何度も謝罪したのに、韓国国民はよく知らない」
「メディアなど責任ある韓国のオピニオンリーダーがこうした側面をきちんと説明してほしい」

という声が上がったと、この中央日報のコラムにある。(2023.03.01)

「ノージャパン」という名の亡霊

 

過去の歴史について日本が韓国へ何度も謝罪したことは間違いないが、その数はカウントの仕方によって変わってくる。
日本語のウィキベテアだと38回だ。

日本の戦争謝罪発言一覧

 

そしてきょうの中央日報の報道によると、その数は50回を超える。(2023.04.18)

事実、日本は歴史問題について何度も謝っている。首相や天皇の謝罪をすべて合わせれば53回にもなる。

【時論】韓日関係、米国が動いてこそ突破口開かれる

 

「少しの罪悪感もなしに傲慢に見下す加害者」、「もう一度謝罪するように誘導しなければならない」といわれても、日本はもう34回~53回もしているからこれ以上は無理。
もう下げる頭が無くなった。
「何度も謝罪したのに、韓国国民はよく知らない」という日本人の声を、韓国のオピニオンリーダーはしっかり聞いて責任を果たしてほしい。

 

 

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ①

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ②

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ③

印象最悪でも、「昼は反日、夜は親日」という韓国人の日本観

悪人に慈悲:日本人と中国人&韓国人のやさしさ・価値観の違い

【朝鮮神宮】いまは韓国で“屈辱の象徴”。でも檀君だったら…

 

2 件のコメント

  • 日本の天皇が2度にわたって朝鮮併合について謝罪したのは、韓日両国にとって望ましい行動でした。その他、首相をはじめとする政府閣僚の謝罪も同様です。
    しかし、このような謝罪を受け入れたがらない集団が韓国にありますので、効果は微々たるものです。謝罪に「真正性」がないという彼らを説得する方法はありません。
    日本としては、正攻法で、教科書的に対応する道が唯一の解決策です。

  • >謝罪に「真正性」がないという彼らを説得する方法はありません。
    まさにこれです。
    日本が何をどう言っても受け入れない人は、もうあきらめるしかありません。
    いまの日本は脱・謝罪へ向かっています。
    謝罪なしでも日韓の交流は進んでいますし、もうむかしに戻ることはないでしょう。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。