【韓国の矛盾】汚染水を流すな VS 日本の EEZで魚をとらせて

 

日本政府はことしの夏ごろ、福島原発の処理水を海へ流す予定。
これは放射線物質を含んだ汚染水を、可能な限りクリーンな処理水に変えたもので、この海洋放出については、IAEA(国際原子力機関)がチェックをして「OK」の判断を出している。
世界で最も信頼できる専門家集団が安全基準を満たしていると言っているのに、韓国では処理される前の「汚染水」という表現を使って、危険性を大げさに訴える人たちがいる。

それはおもに野党議員などのリベラル勢力で、同じ立場のハンギョレ新聞は市民団体のこんな主張を取り上げた。(2023-04-27)

韓国の漁業者、水産業従事者にも大きな被害が及ぶだろう。マガレイ、サンマの干物、ズワイガニ、サバ、タコなどの慶尚北道東海岸(トンヘアン)の代表的な食品も放射能汚染から自由ではない。水産物忌避現象が起き、地域経済に大きな被害が発生するだろう

大邱・慶北の市民団体「日本の汚染水、韓国東海の漁業者に大きな被害」=韓国

 

韓国の漁業者、水産業従事者に大きな被害が出るから、日本は”放射性汚染水”の放出計画を撤回しないといけないと彼らは言う。
でも、その当事者の主張はまったく違った。

 

日本と韓国はおたがいの排他的経済水域(EEZ)で、両国の漁船が魚をとる量やそのやり方などを話して決めていた。
2014年にその漁業協定の場で、韓国側が日本のEEZでもっと魚をとらせてほしいと要求する。
それに対する日本の反応がこちら。

日本側は韓国漁船による規定違反の違法操業を指摘して韓国に対策を求めて、韓国漁船に対する漁獲割当量の縮小を主張した。

日韓漁業協定

 

韓国漁船による違法行為に困っていた日本は、その対策を韓国側に求める。
すると韓国は「できかねる」と拒否したから、「ならけっこうです」と日本も突っぱねて、その後も交渉はうまくいかず、2016年の7月からおたがい相手のEEZ内での操業ができなくなった。
そしたら韓国が困った。

聯合ニュース(2022.07.16)

韓国の漁業関係者は大きな打撃を受けている。操業する漁船数は減っていない一方で漁場だけが狭くなったことで競争と対立が激化し、海の資源枯渇も懸念されている。

韓日漁業協定の空白7年目 苦境にあえぐ韓国水産業界

 

漁船の数はそのままで、漁場だけ小さくなったら当然こうなる。
釜山市の漁業関係者は「今は狭い漁場で自滅的な競争を繰り広げ、倒産する業者も出る」と苦境を語り、韓国水産業の衰退を防ぐために「協定の再開が必要だ」と強く訴えた。
でも日本がお願いした、違法操業の対策についてはひと言もなし。
だから、「水産業界の希望に反して日本との漁業交渉に具体的な進展はなく」という状態になるのは必然。
韓国側の見方では、日本は独島(竹島)の領有権要求を協定と絡めようとしているから、交渉に応じようとしないことなっている。
「この状況に韓国政府も悩みを深めている」というのなら、まずは規定違反を何とかしなきゃ。

 

韓国の漁業者、水産業従事者に大きな被害が及ぶと市民団体は叫ぶが、当事者は日本のEEZ内で魚をとれないことで大打撃を受けているという。
水産物が放射能汚染されるから、”汚染水”を放出するなと前者は日本に怒り、後者は日本の近くでの漁を認めてほしいと願う。

韓国で日本の海洋放出に強く反対するのはリベラル勢力で、立場の違う保守派の朝鮮日報はこんな社説を載せた。(2023/04/06)

科学と事実を拒否、デマ政治の誘惑を捨てられない共に民主党 

放射能問題について韓国で最も信頼できる韓国海洋科学技術院と韓国原子力研究院が、日本の海洋放出は「事実上健康には何の影響も及ぼさない」と発表したという。
野党はそれを無視して実態のないデマ情報を流すから、朝鮮日報は事実で対抗した。

IAEAも国内の二つの機関もお墨付きを与えているのを知れば、韓国の漁業関係者も「水産物の放射能汚染」なんて信じられないだろう。
そもそも韓国の月城原発からは、福島原発の10倍の放射線物質を含んだ処理水を海に放出されているのだから。

日本は予定どおり、国際社会に認められた海洋放出をすればいい。
韓国のカオスについては、きっと科学と事実が勝利する。

 

 

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ①

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ②

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ③

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1 個のコメント

  • 処理水のデマは、「論理的/科学的に不備があるのは判っているが、反日カードとして持っておきたい。」という民族情緒が優先されると思います。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。