文前政権のときに日韓関係は「戦後最悪」と言われるほど悪化し、大統領と首相が目を合わせないような氷河期にはいる。
でも、きょねん尹(ユン)大統領が誕生すると一気に解凍が進んで、いまではお互いのトップがピクニックをするぐらいにまで関係が前進した。
日本との友好を重視する尹政権や与党が、今度は「レッテル貼り」を無くそうとしているらしい。
日本はことしの夏ごろ、福島原発から出る放射線物質を含んだ汚染水を処理して、国際的な安全基準を満たした処理水を海へ放出する予定だ。
これは韓国やフランスなどもしていることで、日本の対応については国際原子力機関(IAEA)が厳しいチェックを行って「OK」を出している。
その水について韓国ではこれまで「汚染水」と表現してきた。
でも、これは放射線物質を取り除く前の水だから、この言葉を見た人は、日本は処理をしないで放射線物質を含んだ水をダイレクトに海へ流すのかと誤解してしまう。
処理水を「(放射能)汚染水」と言い換えるのは、科学ではなく反日感情にもとづく。
日本との関係強化が国益になると考える尹政権や保守系メディアには、呼び方を「処理水」に改める動きがある。
たとえば朝鮮日報は社説のタイトルから「汚染」を除去した。(2023/05/08)
福島処理水、科学優先だが国民感情にも配慮を
ただ韓国には日本には複雑な国民感情があるから、IAEAが科学的な見地からゴーサインを出したとしても、国民感情への配慮は欠かせない。
「処理水」は日本に好意的な言葉だから、当然それに反発する人たちもいる。
保守派とは反対の立場のハンギョレ新聞によると、左派リベラル勢力には「政府は日本の放射能汚染水の海洋放出を支援しようとしている」といった批判がある。(2023-05-12)
韓国与党「『汚染水』でなく『汚染処理水』とすべき」…批判広がる
対して与党内では、国際社会に合わせて韓国も「処理水」へ表記を変更すべきという意見が出たり、政治目的のために科学を否定するなら、韓国は文明国家とはいえないと、処理水の危険性を誇張する野党など左派を批判する声が上がっている。
そんなことでいまでは韓国メディアは、足して二で割って「汚染処理水」のワードを使うことが増えている。
「オレはしてもいいけど、オマエだはダメ」
そんなジャイアンみたいな自己中な二重基準を韓国語で「ネロナムブル」という。
文前政権はコレが原因で国民の信頼を失った。
東京新聞(2022年5月3日)
身内に甘い「二重基準」で文在寅政権瓦解 尹錫悦次期大統領は公正さ強調
「彼らは特権を悪用した!」と朴(パク)政権の不正を糾弾していたのに、自分たちが政権をとると、文氏の側近らには不正な不動産投資疑惑、不正な金融投資、息子の徴兵逃れなどの問題がドンドン出てきて国民の批判をくらった。
これに文前大統領は「歪曲されたレッテルを貼られ、攻撃された」と激怒する。
でも、朴(パク)政権にこういう攻撃を仕掛けたのは文氏だったことは、韓国国民なら知ってるはずで日本語でいうなら「おまいう」状態だ。
他人に厳しく身内にあまい「ネロナムブル政権」だったから、公正さをアピールする尹氏を前に崩れ去る。
文政権のときは与党でいまは野党になった左派リベラル勢力は、日本が処理水を放出すると放射能汚染によって、韓国人の命が危険にさらされると危険性を強調する。
でも、韓国の海洋科学技術院と原子力研究院が、そもそも韓国の原発から放出されているトリチウム(放射線物質)の量は福島の10倍で、日本の処理水は韓国国民の健康には事実上、何の影響も及ぼさないと発表した。
それで朝鮮日報が野党をこう批判する。(2023/04/06)
国会を掌握している巨大政党がデマ政治を行うとなれば、それは次元が違う問題になる。
科学と事実を拒否、デマ政治の誘惑を捨てられない共に民主党
日本の処理水を「汚染水」と言い換えて、恐怖をあおることもデマ扇動のひとつ。
韓国のメディア、特にハンギョレ新聞などの左派リベラルは、自国や海外の原発が排出する水には絶対に「汚染水」なんてレッテル貼りはしない。
こんな悪意は日本限定。
科学と事実を拒否して、こんな歪曲したレッテルを貼って攻撃するのも「ネロナムブル」だ。
こういう勢力はまた瓦解して、「処理水」派が勝利することを祈る。
韓国のソウルを漢字で書けない理由:漢城?京都?首爾(首尔)?
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