まえに記事を書いていて「狼男が変身する」のつもりが、後から見返したら「狼男が返信する」と好感度高めのオオカミ男なっててあせった。
「腹が減っては戦はできん」が「出禁」になるのを見ると、まだまだ人間はコンピューターを支配する立場にいられるかなとチョット安心する。
むかしはワープロで「自動販売機」と打ったら、「児童飯場行き」に変換されたという話を聞いた。
こんな誤変換ネタは日本人のツボを刺激するから、ネットを見るといくらでも出てくる。
・添付の資料 添付の死霊
・短期アルバイト募集 短気アルバイト募集
・学校へ行こう 学校閉校
・今日中に返信願います 狂獣に変身願います
・思い出深い 重いデブかい
日本語には3つの文字があるから、こういうクスっと笑えることが起こるけど、日本語を学ぶ外国人にとってはひらがなとカタカナはいいとしても、漢字のハードルが高すぎてこのユーモアを理解するのはマスタークラスに限られる。
日本語の問題で「そのパン屋は明日、朝9時にカイテンします」の正解が、回転か開店かで「一体どっちなんだ~」と真剣に悩むレベルの外国人が圧倒的に多い。
そんなことで日本語を学んでいる外国人で、ネットにこんな提案をする人がいた。
ひらがなとカタカナはいいんだ。
でも日本語には漢字という悪魔がいるから、われわれ外国人の意欲を消失させてしまう。
日本語は変える必要があると思わないか?
ネット掲示板に投じられたこの質問にはこんな的確なコメントが返ってきた。
「No. It is a hard language and the writing systems difficult but it is a beautiful language and it is not for anyone but the Japanese people to decide on its destiny.」
その必要はありません。日本語は難しい言語で(3つの)文字のシステムも複雑ですが、すばらしい言語であり、その運命を決めるのは日本人以外にはいません。
そのとおりだ。
もし日本語を変えるとしたら、それは日本人しかいない。
そんな日本人のなかで「日本語の文字をローマ字に統一しよう!」とホンキで考える人たちがいた(いる)。
ひらがな・漢字・カタカナを廃止してローマ字表記にすることを目的に、1921年に「日本ローマ字会」が設立されて、それが今年3月に解散した。
会員の高齢化が進む一方で、新規会員が増えないから自然消滅した形。
解散したことよりも、そんな団体がいまの日本に存在していたことにビックリだ。
ネットの反応を見る限り、彼らのは日本人の共感をよんでいない。
・「日本ローマ字会」
↑
まずはこれをローマ字に直せよw
・情報化時代だからこそ、漢字の有り難みが分かるようになったけどなあ
・こんな負け戦の会に入る人いるのか
・最初からそれだけ覚えたら大丈夫なのかもしれないけど途中から強制されたら普通に気狂うなこれ
・こんな団体があったのねw
ほぼ宗教だな
サッカーやラグビーのワールドカップについて記事を書いている時、「W杯」だけで表現できる日本語はスバラシイと思った。
英語にも「WC」があるけど、ネットを見ると単体では「Water Closet(トイレ)」、「Wheelchair(車イス)」、「World Class」、「World Champion」といろいろあるから何のことか分からない。
大正時代には2000人を超える会員がいた「日本ローマ字会」も、ここ最近は20人ほどしかいなかった。
「漢字仮名交じり」は合理的ではないということで、ローマ字表記の採用を目指していたが、国民の支持や共感を得ることはできず、勢力も100分の1以下に激減し、最後はほとんどの日本人が知らないところで消滅した。
でも、この団体が果たした役割はとても大きい。
3種類あるいまの文字システムは日本人にとって最適で、ほかに替えられないということを改めて認識させてくれたのだから。
ということで「思い出深い 重いデブかい」という言葉遊びや、外国人の不満はこれからもつづく。
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