コロナ禍の前までは、一般的だった高校生の海外への修学旅行。
2019年度(2019年4月〜2020年3月)の人気ランキングは、3位がアメリカで2位がシンガポール、そして1位は台湾だった。
安全・費用・新日といった要素で6年連続で1位に選ばれた台湾は、高校・修学旅行界の絶対王者に近づいている。
そんな台湾出身で、今は日本の会社で働いている20代の男女と会ってアレコレ話をしたから、今回はその内容をシェアしようと思う。
・日本で不思議に思ったことは?
日本人が豚の皮を食べないことですね。もったいない。
台湾の豚肉料理にはよく皮がついていて、それがすごくおいしいのに、日本では豚の角煮でも皮がないから残念。
でも、きょねん沖縄を旅行したら、皮のついた豚肉の料理を見つけてうれしかったです。
(なぜか日本では、沖縄以外は豚の皮を食べる文化がない。豚の皮が食用ではなく、製品の材料として使われる日本は世界的に見ても珍しいらしい。沖縄は中国の食文化の影響を強く受けているから、ラフテー(沖縄風豚肉の角煮)など、皮つきの豚肉料理がある。)
・日本で好きな食べ物は?
ボクは「さわやか」のハンバーグが大好きです。
ボクの最近の推しはお茶漬けです。以前はそうでもなかったんですけど、何度か食べているうちに好きになりました。
わたしは納豆。台湾にも納豆は売ってますけど、日本みたいによく食べる習慣はありませんし、わたしも食べたことがなかったです。
「マズい&臭い」という話は聞いていて、試しに食べてみたら、わたしにはおいしかったです。
台湾の臭豆腐(しゅうどうふ)が苦手な日本人は多いですし、納豆はその逆ですね。
・嫌いな食べ物は?
コンビニの弁当です。
正確に言うと、冷たいご飯がイヤなんですよ。
台湾人にとってご飯は必ず温かいもので、個人的には冷めたご飯には「罪人の食べ物」という悪いイメージがあります。
コンビニ弁当も温めたらいいんですけど、冷たいお弁当を見るとなんか食欲がわきません。
コンビニにはいろんな食べ物がありますから、わたしなら別のものを選びますね。
・台湾と日本の歴史について
台湾にできた初めての大規模な空港は台北松山空港で、それは統治時代に日本人がつくったのですよ。
太平洋戦争中は軍事目的で使われていましたから、米軍の攻撃を受けちゃいましたけどね。
日本の人たちはあまり知りませんけど、台湾も台北大空襲を受けて大きな被害が出ました。
(戦争末期の1945年5月31日、当時は”日本国内”だった台北が米軍による無差別爆撃を受けて、日本人を中心に約3000人が死亡した。)
・日本の会社で働いていて大変なことは?
仕事の内容に不満を感じることは台湾でも同じですし、「給料はがまんの対価」って考え方も分かります。
ただ、日本企業の場合、日本人社員と関係を築くことにストレスを感じますね。
台湾人だと、自分の家族や好きなことについて積極的に話しますから、相手の背景や考え方が分かってすぐに仲を深めることができます。
でも、日本人はプライベートの話をほとんどしなくて業務の話が中心ですから、仕事上の関係を築くだけで、それ以上の距離を縮めることが難しいです。
台湾だと春節(正月)に1週間ほどの休みがあるだけで、あとは3日ぐらいの連休が多いです。
個人的には、盆と正月に長い連休のある日本の会社の方がいいですね。
・12月と6月の下旬になると、全国の神社で上の「茅の輪」というものが登場する。
この輪をくぐると、半年分の穢れや罪を祓うことができ、心と体をキレイに浄化してその後の半年を過ごすことができる。
台湾でもこんな神道の「穢れと祓い」の考え方はあるだろうか?
台湾に神道はありませんけど、似たような考え方はありますね。
ボクが子どものころ、悪い夢を何度か見たんです。
それをおじいちゃんに話したら、「そうか、悪いものがお前にとりついているかもしれない。よし、お祓いをしよう」と言うんですね。
廟からもらった(買った?)黄色いお札を燃やして、その灰を水に入れます。そうしてできた聖水を体にかけて洗うと、邪気を無くすことができます。
迷信ですけど、そんな伝統的な考え方が台湾にはあります。
これは中国の廟で買った(ぼったくられた)お札
・日本で驚いたことはある?
「台湾ラーメン」です!
台湾にそんな食べ物はありませんよwww。
天津飯とか中華丼とか、日本には独自の中華料理があって面白いですね。
・日本人が「台湾」の名前を使った料理を作っても気にならない?
まったく。
台湾人は基本的に日本人が好きですから、そんなことで怒る人はいないと思いますよ。
むしろ創造力があるなと感心します。
嫌なことと言えば、台湾料理の店を中国人が経営していることですね。
・では、今日はありがとうございました。
いえいえ、こちらこそ。
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