韓国の歴史認識 「君が代は“キムが世”だった」の根拠とは?

 

韓国の大学教授が全国紙の中央日報で、軌道に乗った韓日関係をさらに発展させるべきと主張する。
その発想と熱意はいいとして、問題は方法だ。
それを実現するために天皇の謝罪を求められると、日本人の心は冷めてしまう。

天皇への謝罪要求、韓国が踏んで日本の嫌韓を生む地雷

韓国メディアが「日王」という侮辱的な呼び方をやめて、韓国政府と同じように「天皇」という言葉を使うようになれば、天皇訪韓の可能性も少しは高まる。

さて、昨日そんな記事を書いていた時、ネットでとんでもないモノを見つけてしまった。
日本の国歌である「君が代」は、実は「金(キム)が代」だったという”歴史の真実”を韓国メディアが明らかにしたという。
そして、この事実を指摘すると、日本人は黙り込むとのこと。

この情報は「歴史ソウル新聞」の記事(2019年12月24日)にあるということだけど、ボクは原文を確認することはできなかった。が、「mediabuddha」というメディアでほぼ同じ内容の記事を見つけた。(023-03-21)

김해 김씨의 왕조가 천년만년 계속되기를 기원하는 일본 국가 기미가요 이야기

*以下の文章は自動翻訳を基にしたものだから、正確な内容は上の記事で確認してほしい。

「君が代」の歌詞は古今和歌集に収められている。
その内容は、日王(天皇)の治める世の中が千年万年(=永遠)に続くことを願うものだ。
しかし、現在の日本の天皇は、実は韓国の金海金氏(きんかいきんし)という氏族だった。
古代に朝鮮半島から移動し、日本を支配した金(キム)氏が「君(キミ)」になる。
つまり、「君が代」とはキム王朝が千年万年続くことを願う歌だった。
日本の古代史を明らかにすれば、私たちの失われた歴史が明らかになるのだ。

 

そんなワケで、「キミが代=キムが代」になるらしい。
そう言われると、日本人としてはめまいや頭痛を感じ、なかには共感する人もいるかもしれないが、あっけにとられて言葉が無くなる。確かに黙り込んでしまう。
結論として、古代史において朝鮮半島から、日本へやってきた人たちがいたことは歴史の事実だ。
でも、それだけだ。
金海金氏が日本を支配したとか、現在の天皇の先祖になったという説については、客観的な根拠がまったくない。ここがもっとも重要な部分なのに証拠は一切ない。
コレは結局、「大昔、日本へ渡来人がやってきた」という史実をベースに、あとは創作された物語でしかない。
重要なことは、こんなフィクションが掲載された背景にある韓国の歴史認識だ。

 

韓国の歴史教科書を読んだことのある人なら、韓国が日本に先進的な文化や文明を「教えてあげた」という表現に違和感を持ったと思う。
歴史教科書を翻訳した日本人が「あとがき」で、そんな見方について日本人の読者へこう説明している。

韓国語にも「教える」「伝える」という言い方は、親が子どもに、先生が生徒にといった目上の人が目下の人に使う表現である。こうした表現が日本に対する文化記述に使われているのは、韓国の歴史教育が古代史において文化的優越感を堅持することを目標にしているからである。

「わかりやすい韓国の歴史 (明石書店)」

 

こんな歴史教育の目標から、韓国では渡来人が日本の支配者、つまり天皇になったと考える人もいる。
その認識が、「『君が代』とは『金(キム)が代』だった」説に発展してもそう不思議でもない。
具体的な根拠がなくても、国民の優越感を刺激する説だと、韓国社会にはそれが史実として認められる空気がある。
日本人がそんな歴史と接すると、ツッコミどころに困って黙り込む。

「君が代とは、キム王朝が永遠に続くことを願う歌だった」というぶっ飛んだ話は、さすがに韓国の全国紙では見たことない。
これを信じる人は感覚的に少ないと思う。
でも、朝鮮半島から渡ってきた人間が天皇のルーツになったと思わせるような記事やコラムなら、何度か見たから、「それはそうかも」と認識している人が韓国では5割ぐらいいる気がする。
「日本の古代史を明らかにすれば、私たちの失われた歴史(文化、文明)が明らかになる」といったフレーズはわりとよく聞くだから、この考え方は韓国ではきっと常識的だ。
隣人はそんな歴史認識を持っていると理解しておこう。
にしても「キムが代」にはビックリした。

 

 

日本 「目次」

韓国 「目次」

【韓国側の古代史】服もない原始的な日本に文明を伝えたった

韓国が伝えない話。平昌五輪の成功を支えた日本の職人たち。

韓国人「日本文化の起源は韓国!」←中国人の反応が面白い

 

コメントを残す

ABOUTこの記事をかいた人

今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。