親日度、驚異の99% タイ人は日本のどんなところが好き?

 

いま東南アジアの人たちは日本について、どのように思っているのか?
好きなのかい? 嫌いなのかい? どっちなんだい?

グローバルマーケティング業を展開しているアウンコンサルティング株式会社が、以下の国や地域を対象に「親日っぷり」や「日本に行きたい意欲」について調査を行って、その結果を発表した。

タイ・香港・台湾・中国・韓国・インド・インドネシア・アメリカ・イギリス・オーストラリア・ベトナム・マレーシア

2023年【世界12カ国の親日度調査】日本への好感度、訪日意欲について

この調査によると、すべてで「大好き」と「好き」を合わせた好印象の割合は 50%を超えている。
その中でも特に、「日本好き」が爆発していたのがこの2カ国。

タイでは、「(日本が)大好き」が 71.3%、「好き」が 27.3%で、「嫌い」は1%、「大嫌い」は0%だった。
ベトナムでは、「大好き」が 67.3%、「好き」が 31.7%で、「嫌い」は 1%、「大嫌い」は0%という結果。
両国とも、日本が好きという人が 99%もいた。

タイの人たちは日本のこんなところに魅力を感じている。

1位:食事(22.4%)
2位:四季の風景、自然(22.1%)
3位:商品の質の高さ(16%)

一方、日本旅行についてはこんなことが不安らしい。

1位:スタッフとの会話が通じない(16.3%)
2位:交通費が高い(11.5%)
3位:地震などの災害(11.1%)

ただ、インドネシアでは日本の好感度が約 98%、マレーシアでは約 94%と、全体的にすさまじく高いところが気になる。
ちょっと盛ってないかい?

 

さて、そんな親日国のタイには「カノム・トーキョー」という昔から庶民に愛されるお菓子がある。

 

 

このお菓子は、鉄板の上にクレープのような薄い生地を丸く広げ、カスタードクリーム、ひき肉、ソーセージ、カニカマなどさまざまな具材をのせて焼き、くるくる巻くと出来上がり。
英語のサイトでは「東京パンケーキ(Tokyo Pancake)」とも紹介されている。
タイでは、「町を歩けば屋台にぶつかる」というほどたくさんの屋台があって、この「カノム・トーキョー」を売っている屋台をよく見かけた。
タイ語でカノムとは「お菓子」や「おやつ」のことだから、カノム・トーキョーで「東京のお菓子」といった意味になる。
そのルーツは、どら焼きらしい。

 

 

1964年に、タイで初めてのデパート「タイ大丸」がバンコクにオープンした。
この時、初めてエアコンとエスカレーターを体験したタイ人が多く、店は大きな話題を呼んだ。
「famously introduced air conditioning and escalators to the Thai public.」(Thai Daimaru

「タイ大丸」では日本の商品や食べ物が販売されていて、どら焼きはタイ人に人気があった。
それをタイ風にアレンジしてカノム・トーキョーが爆誕し、現在ではタイ人の生活に欠かせないストリートフードとなる。(カノム・トーキョー

それにしても、なんで「東京」なのか?
知人のタイ人にこのネーミングの理由を聞くと、「そんなこと知りませんよ~」と苦笑いされた。
でも、「ちょっと待ってくださいね」と言って、彼は親切にもスマホで調べてくれることはなかった。
タイの人たちは基本的に面倒くさいことが大嫌いで、「かゆい所に手が届く」的な配慮は期待できないのだ。

ただ、彼の想像では、タイ人は昔から日本が好きで、先ほどのアンケート結果にもあるように、日本についてはおいしい食事や高品質な商品といった良いイメージがある。
ネットがなかった数十年前でも、タイ人は「トーキョー」と聞けば日本を思い浮かべる。
もともとは日本のお菓子で、タイでの日本のブランド力は強かったから、単純に「トーキョー」をくっ付けて、「カノムトーキョー」という名前が出来たと彼は推測する。
実際、「トーキョー」のワードがあるだけで、商品の印象は良くなるらしい。
つまり、タイ人の間では、日本に対する信頼や人気は昔から高かったということだ。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。