「なぁジョニー、君に悪いニュースと良いニュースがあるんだ。まず、君の妻が交通事故にあって先ほど亡くなったよ。」
「そうか…。で、悪いニュースってのは何だい?」
アメリカではこんな「Good news bad news」のジョークがよくある。
さて、日韓関係についても良い知らせと悪い知らせがあるらしい。
まず、グッドの方は朝鮮日報のこの記事だ。(2023/07/13)
韓国政府、20年以上続く日本の映像コンテンツに対する差別的規制を撤廃へ
韓国では以前から政府によって、日本の映像コンテンツが禁止されていたから、国民はそれを視聴できなかった。
でも、1998年から映画に対する規制は撤廃され、日本の映画が解禁されたが、ドラマなどのテレビ番組に対しては差別的な規制が続いていた。
今回、それが撤廃されることになったという。
日本では韓国のテレビ番組や映画を自由に放送し、韓国文化を紹介することもできたのだから、相互主義の原則に基づくと、これまでの韓国の態度は不公平だ。
きょねん伊(ユン)政権が誕生してから韓国は日本に協力的になり、日本もその気持ちに応えて、日韓関係は激変と言っていいほど改善され、友好的になる。
だから、今回の韓国側の対応もその流れに沿ったものだと思ったら、実は違うらしい。
東日本大震災の際、福島で発生した原発事故を扱ったネットフリックスのドラマ「THE DAYS」が6月に世界76カ国で公開された。
でも、なぜか韓国だけで公開が遅れ、国民の間では政府に対する疑惑が持ち上がる。
「伊(ユン)政権は日本の処理水放出を認めている。だから、この映画の公開によって、国民が政府に対して批判的になることを恐れたのではないか?」
でも、実際にはそうではなく、日本のコンテンツに対して韓国独特の制限があったことが理由だった。
この問題をきっかけに議論が起こり、そのルールは廃止されることになったという。
原因は何であれ、20年以上も続いていた日本への差別的な規制がなくなるのはグッドニュースだ。
一方、悪い知らせというのは、対馬最大の祭りである「対馬厳原港まつり」が8月5日に開催されることだ。
ただ、これには説明を要する。
正確に言うとこれは「悪い」というより、残念な知らせになる。
江戸時代に朝鮮通信使を受け入れていた対馬は、歴史的には日本の玄関として韓国と深いつながりがあった。
そのため、この祭りの名前は、韓国を代表する民謡「アリラン」にちなんで「厳原港まつり対馬アリラン祭」と呼ばれていたが、2013年にそのワードが削除された。
その理由は、前年に韓国の窃盗団が対馬の仏像を盗み出し、それが対馬に返還されなかったことで、日韓友好を祝うムードがなくなったから。(対馬仏像盗難事件)
「盗んだ物は元の所有者に戻すべき」と対馬や日本は主張するけれど、韓国にはなかなか通じない。
でも、この件については実は韓国側も困っていて、日本を支持する声が一定数あるのだ。
東亜日報(October. 09, 2013)
この問題は、最近の韓国と日本の間で起きている摩擦とは区別して扱うべきだ。昨年の我々の文化コンテンツ輸出は52億ドル(約5兆4000億ウォン)に上る。
盗んだ仏像は返すべきだ
朝鮮日報はこう嘆く。(2017/01/27)
対馬仏像:専門家「略奪文化財認定、韓国は国際的な信用を失った」
韓国としては、「盗んだ物を返さない国」という印象を世界に与えたくないし、韓流コンテンツで大きな利益を上げている日本で嫌韓感情が高まることも避けたい。
まさにバッド&バッドの状況。
対馬も韓国との交流は強く望んでいる。
盗難事件の影響で「アリラン」が消え、「対馬厳原港まつり」となり、朝鮮通信使の行列も中止されたが、現在は復活し、ことしの祭りではこの行列が行われる予定だ。
対馬の怒りは盗難に対するもので、韓国との古くからの友好関係は続けていきたいと考えている。
ということで、日本への規制の撤廃に続いて、「厳原港まつり対馬アリラン祭」が復活するように、韓国側は対馬の期待に応えるべきだ。
「盗んだ仏像は返すべき」という正論に、反論する方がそもそもおかしい。
そして日本に、良い知らせとグッドニュースを聞かせてほしい。
日本と韓国の違いは”脱・中国”:仮名と和歌で日本文化が始まる
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