【比較文化論】韓国人から見た日本人のスゴイところ

 

韓国でサッカーは絶大な人気を誇る「国技」だ。
そして、日本に対しては「じゃんけんでも負けられない」と言われるほどライバル意識が強いから、サッカーの日韓戦になると韓国の人たちは燃え上がる。
だから、いまは重苦しい雰囲気に包まれている。

2021年以降、日韓戦では A代表、U-16、U-23といったさまざまな年代で日本は韓国に3-0で大勝している。
ことし7月も、U-17の試合で日本は韓国に3-0で快勝した。
5戦して日本が全勝し、合計15-0という残酷な結果に終わっている。
韓国にとっては完敗と悪夢が続いて、プライドはボロボロ。

そんな現状に危機感を感じ、朝鮮日報のコラムが日韓の決定的な違いを考察し、韓国人には欠けている日本人のスゴイところを指摘した。(2023/09/03)

韓国ではさまざまな種目で投資をせずにまぐれ当たりを求める傾向があるとみている。(中略)しかし緻密な戦略に基づいて準備を進める日本と比較すると、韓国ではさまざまな側面でそのずさんさが目につく。

韓国と日本のサッカー、その決定的な違い

 

日本はサッカーの発展に向けて以下の目標を立てた。

・100年以内に、男子ワールドカップで優勝する。
・年齢別の女子ワールドカップに出場し続ける。
・審判の人材を増やし、世界的な審判を輩出する。

日本は長期的な目標を設定し、それに到達するために緻密な計画を立て、着実に進んでいる。
実際、ことし行われた女子ワールドカップの決勝戦で、日本の山下良美氏がで第4審判を務め、世界的な審判を輩出した。
韓国人からすると、「そこまで神経を使うのか」と思うような細かい部分まで、日本人は気を配っている。
コラムの筆者はそんな日本と比べて、韓国では、戦略や準備などさまざまな面で大ざっぱで、完成度が低いと感じたらしい。

 

それでも、パク・チソン選手やフン・ソンミン選手のように、突然とんでもなく優秀な選手が現れる。
でも、これは韓国にとって、ある意味”不幸”だ。
というのは、そんな天才的な選手に注目が集まることで、韓国サッカーが抱える「構造的な問題を見えなくするケースがある」から。
ときどき登場するスター選手に安心や満足をすると、日本のように、優秀な選手をたくさん育てる戦略を練る気持ちがなくなってしまう。

さらに、負け試合が続いた場合、本来ならその原因を明らかにして、適切な解決策を見つけないといけないのに、「韓国ではいつも最初に責任の擦り付け合いが始まる」と筆者は嘆く。
たとえば、「試合に負けたのは監督のせいだ! あいつをクビにしろ!」と怒って監督を解任すれば、それでサイダーのようにスッキリし、精神的な解決にはなるかもしれないけど、根本的な問題は変わっていない。

最近、韓国代表が日本に0-3で完敗すると、全国メディアはそれを審判のせいにした。
中央日報(2023.07.03)

<サッカー>日本でなく審判に負けた…韓国、U-17アジアカップ準優勝

こんな態度だと、そのうち日本の背中も見えなくなってしまう。

 

日本人は緻密な戦略を立てて、細かいところまで考え、着実に進めていくところがスゴイーー。
知り合いの韓国人男性は昔から日本に興味があって、大学時代に日本語を学んだ後、韓国にある日本の大企業に就職した。
そんな彼と話をしていた時、彼も同じようなことを感じて、こんな日韓の文化比較論を展開する。

日本の会社に入ってビックリしたことは、研修にたくさんのお金と時間を使うことで、さっそく価観や考え方の壁にとぶつかった。
会社側は新入社員に設立理念や歴史、目標などをくわしく説明してくれるが、彼やほかの韓国人社員が求めていたのはソレじゃないから、同僚と酒を飲みながら、「あんなことよりさぁ、早く実務で役立つ知識や技術を教えてほしいんだよなあ」と不満を言い合った。
韓国人には、なんでも早く片づけようとする「パリパリ(早く早く)」気質があるから、抽象的なコトよりも、明日から使えるような実践的なスキルを教えてほしかった。

でもその後、10年近くその会社で働いていて、あの新人研修の意味が見えてきた。
仕事で必要なスキルは自分しだいで、実はいつでも学ぶことができる。
仕事をしていて困難を感じるのは、自分の役割やしていることの意味がよく分からなくなるトキ。
そういう場合、最終的には、会社の目標や理念につながっていることを意識すると、進むべき道が見えてくる。
それに、全社員がそうした考え方を共有していることで、一体感が生まれたり、仕事がスムーズに進む。
新人だったころは無意味と思っていた研修でも、長期的な視野で考えるとじつは大きな意味や意義があった。
「鉄は熱いうちに打て」で、若いころは具体的なテクニックよりも、会社にとって重要な価値観や考え方を教えた方がいいと、いまは思っている。

 

知人は日本企業で働いていて、「紙を使った仕事が多すぎるだろっ!」といった不満を感じることは多々あるけれど、日本人が事前に綿密な計画を立て、細部にまで注意しながら仕事を進めていく姿勢はすばらしいところだと素直に受け止めている。
(それが行き過ぎて、「早く始めましょうよ!」と彼はイライラすることもあるが)
韓国人に足りないのがまさにそんな態度で、彼が言うには、韓国人はとにかくスピードを重視する。
だから、「いまこれをすれば、すぐにこんな結果が返ってくる」といった具体的な見通しがある時は、強大なやる気がわき上がる。
でも、韓国人は日本人みたいに、遠い未来のために投資をしたり、がんばったりする意識は薄い。
それと彼の感覚では、韓国人の場合、「損をしたくない」という思いが日本人よりも強い。

もちろん彼は、韓国人にもすぐれた特徴があると主張する。
韓国人には効率を重視し、早く仕事を進める力があるから、朝鮮戦争の直後、世界でも最貧国だった韓国は奇跡のような経済成長をして、先進国と言えるレベルにまで発展することができた。
「パリパリ」の国民性がなかったら、これは実現できなかった。
彼はこの「漢江の奇跡」と呼ばれる経済成長を誇りに思っているし、韓国人にはすばらしいポイントがたくさんあると考えている。

これでさらに、日本人の緻密な戦略や細かい準備などを学ぶと、韓国はさらに発展することができる。
でも、彼が考えるに、スピードを超重視する韓国人が、日本人の方法をそのまま取り入れることはむずかしい。
下手すれば、韓国人の持っている良さを消してしまう。
逆に考えると、だからこそ、そんな日本人のスゴサが日韓の決定的な違いになる。
だから、日本流を韓流(韓国人の性格に合った方法)に変える必要があるけれど、その具体的な方法は彼にはわからない。
だから、いまのところは日韓の文化比較論で終わっている。

 

 

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3 件のコメント

  • よく読んでみました。だいたい共感します。
    現在、韓国のスポーツ界は非常に落ち込んでいます。サッカーは上の本文と同じで、野球はWBCで3大会連続1ラウンドで敗退しました。女子バレーボールもアジア選手権大会で史上初めてベスト4に進出できませんでした。主な球技種目(野球、サッカー、バレーボール、バスケットボール)で韓国は男女ともにランキングで日本に後れを取っています。
    しかし、スポーツメディアは徹底的にこのような事実を知らないふりをします。
    代わりに、MLBでリュ·ヒョンジンとキム·ハソンがまるでMLB全体を席巻したかのように誇張報道し、韓国スポーツの低迷を隠します。そしてMLBで不振な日本選手は非難に汲々としています。藤浪晋太郎、菊池 雄星はほぼ毎日韓国メディアから「먹튀(食い逃げ,発音:MUK-TI)」と嘲弄されています。
    韓国は驚くべきことに、マスコミがスポーツの発展を主導する形勢なのに、そのマスコミが反日扇動だけに血眼になっていて、日本に勝つための努力は全くしていません。 学ぼうと努力もしません。

  • >藤浪晋太郎、菊池 雄星はほぼ毎日韓国メディアから「먹튀(食い逃げ,発音:MUK-TI)」と嘲弄されています。

    こうやってストレスを発散するサイダー効果を楽しんでいるようでは、韓国の発展は難しいです。
    日本もライバルがいて強くなるから、韓国には強くなってもらいたいのですけどね。

  • 多くの読者が好むからそんなメディアが残るのでは?
    日本も他国も然り。
    殊更スポーツ記事は爽快さも求められるので
    国民の嗜好が顕著だと思います。
    何でもメディアのせいにする最近の風潮には
    疑問を抱いてます。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。