ネット上には、日本と韓国を好きな人たちが集まるコミュニティがある。
そこは反日と嫌韓のバトルとは無縁のほのぼのしたゾーンで、たとえば、近く韓国へ旅行に行く日本人が流行の食べ物やスイツーを教えてくださいと頼むと、
・最近はチュロスが流行ってます。チュロスの見方が変わるほどおいしいです!
・食べたことがなかったら、私の故郷である済州島の料理を食べてください。
・ベーグルやドーナツ、麻辣タンも流行ってます。
私が韓国へ行くと、ポッサム、スンデ、キンパ、チムタクを必ず食べます。
と、日本人や韓国人からおすすめ情報が洪水のように寄せられる。
最近、そんな日韓の友好グループにある投稿がされて、騒ぎを引き起こす。
・이로써 일본은 전인류에 迷惑를 끼치는 나라가 되었습니다. 방사능으로 그렇게 고생을 한 나라가 또다시 방사능으로 전세계를 위협하고 있네요. 하지만 한국의 행정부가 일본보다 더 찬성하고 있으니 안타까울 따름입니다.
これで日本は全人類にとって迷惑となった。
放射能でとても苦しんだ国が、放射能で世界中を放射能に脅(おど)かしている。
韓国政府がそれを支持しているのは残念です。
日本が福島原発の処理水を海へ流すと、韓国では野党の支持者が大反発し、その影響がこの小さな交流グループにも波及した。
・근데 야당은 전 정권 때 전문가들 의견 수렴해서 방류 문제없다고 결정해놓고 왜 지금은 난리인지 이상합니다. 그렇게 위험하다면 자기네들 집권했을 때도 반대했어야 하는 거 아닌가요. ㅋㅋ
野党は前政権の時、専門家たちが意見を取りまとめて放流は問題ないと決めておいて、なんで今さら大騒ぎするのか、変ですね。
そんなに危険ならば、自分たちが執権した時も反対しなければならなかった。
*以下、日本語訳のみ。
・韓国や中国その他の国も原子力発電所が稼動中で、処理した水を海に放出していると聞きました。 日本も同じようにするだけのようです。
・日本でも汚染水放出に反対する政治家や漁民がいます。
彼らと連携して、これを防がないといけません。
海を核で汚したら、誰が責任を取れるのですか?
・この場で政治的な投稿はやめてください。
・これは政治ではなく、健康や安全の問題です。
私は日本人を大切な友人と思っているため、事実を伝えているのです。
まず、結論から言うと、福島処理水の放出は安全で問題はない。
これはフランスや韓国などもしていることで、日本の対応は国際原子力機関(IAEA)がチェックし、お墨付きを与えている。
この件でも最も重要な情報は、人間の被ばく量だ。
放射線物質は雨水や食品など身近なものにも含まれているし、人はレントゲン写真を撮ることもあるから、完全に被ばくしないで生活するのは不可能。
オーストラリアの専門家は福島の魚介類を一生分食べ続けても、その影響は「バナナ一口分」と説明する。
ニューズウィーク誌(2023年8月23日)
「福島の魚を一生食べ続けてもトリチウム摂取量はバナナひと口分」──処理水放出、海外専門家の見方
これは「安全で問題ない」と言っていいレベルだ。
そして専門家は韓国の状況について、「偽情報キャンペーンのせいで、放出を警戒する論議が過熱している」と批判する。
これは科学的な問題であるべきなのに、韓国では「偽情報キャンペーン」により政治的な争点と化し、社会は分裂している。
朝鮮日報(2023/09/07)
韓国で政治化する水産物消費…与党支持者68.9%「食べる」共に民主支持者92.7%「控える」
水産物に関する韓国でのアンケート調査によれば、与党「国民の力」の支持者の68.9%が「食べる」と回答し、野党「共に民主党」の支持者の92.7%が「食べない、食べるのを控える」と答えた。
現在の韓国では政的な二極化が進んでいて、「刺身を食べれば保守派(与党寄り)、食べなければ左派(野党寄り)」と見られる可能性があるという。
韓国では科学を無視して、自分の支持する政党の主張を信じる傾向が以前からあった。
朝鮮日報はその問題を指摘する。
「陣営の論理にとらわれ、科学やファクト(事実)よりも支持政党の主張ばかりを信じる現象は、2008年狂牛病(牛海綿状脳症〈BSE〉)問題の時によく似ている。」
当時の世論調査で、「米国産輸入牛肉によって韓国で狂牛病が発生する可能性」について質問したところ、与党支持者の70%が「発生の可能性はない」と答え、野党支持者の79%が「発生の可能性がある」と回答し、世論は真っ二つに分かれた。
結果的に言えば、米国産輸入牛肉も問題はなかった。
前々からあった韓国人の「気質」が、今回、日韓のコミュニティに持ち込まれた格好だ。
「日本は全人類にとって迷惑となった」のコメントに同意や反論したのは韓国人だけだった。
あの対立に日本人メンバーはみんな沈黙し、投稿が削除されるまで見守っていた。
いつもはフレンドリーで親日的な韓国人が一変し、激しい(当人には普通の)やり取りをしているのを見て、日本人は明らかに動揺し、困惑していた。
でも、広い意味で、韓国人の価値観や行動を理解するきっかけになったと思う。
こういうところの「熱さ」は日本人とは違うのだ。
現在の韓国の雰囲気をお伝えします。
福島処理水の放流について「危ない」と思って海産物を食べるのを嫌う人は少数です。
左派的な考えを持つ人々でさえ、極烈分子でなければ海産物に対する危険を大きく感じない雰囲気です。水産市場は再び活気づいていますし、少しの打撃はありますが、苦しむレベルではないようです。ただ、ロックグループの女性ボーカルキム·ユナのsns発言によって、彼に追従する一部の若者や左派的思考に埋没している人たちは激しく反対する様相なんですね。
それにもかかわらず依然として問題になっているのは、野党の議席数が与党のそれよりも多く、放送やメディアが左翼性向であるため、国民の心が揺れるからです。
懸念すべきレベルではありません。
韓国では科学が怪談に勝利したようですね。
あの騒ぎは必要のなかったもので、野党側の責任は大きいです。