日本人が海外へ行ったら、大小いろいろな失敗は避けられない。
帰りの飛行機に乗り遅れたという致命的な失敗はかなりレアとしても、かすり傷ぐらいの失敗ならよくある。
個人的にはタイを旅行中、濃厚なタイ料理に少しウンザリしていた時に、コンビニでお茶を見つけたから、これはナイスタイミングと思って買って飲んだら、まさかの激甘緑茶で、思わず吐きそうになった。
その味を的確に表現するなら「○×△※味」になる。
じつは海外では、砂糖がたっぷり入った緑茶はよくあるのだけど、当時、それを知らなかったボクとしては「見た目詐欺」にあった気分。
立場が変わって外国人が日本へ来れば、同じような失敗をする。
この看板なら甘いほうじ茶の予感はする。
まずは、日本の大学に留学していたトルコ人男性が犯したミス。
ある日、彼がコンビニに入ると、初めて見たお茶があったから、「これもチャレンジだ」とそれを買ってみることにした。
で、フタを開けて口に入れたところ、驚天動地のマズさで彼はショックを受ける。
大学で日本人の友人にその激マズドリンクを見せて、「なあ、日本人は本当にこれをオイシイと感じるのか?」と聞くと、友人は驚いた顔をして「なあ、オマエはソレを飲んだのか?」と質問を返す。
トルコ人が新しいお茶と思ったその飲み物は、じつは「めんつゆ」だったというオチ。
彼が失敗した理由は、よく分からない中身に対する好奇心が、不安を上回ってしまったこと以外に2つある。
それは半額商品で、「これはチャンス」と感じた彼はよく考えなかったから。
それともう一つは、彼の日本語力が残念レベルだったこと。
ひらがなとカタカナはまあまあ理解できたが、漢字はまったくダメという彼の日本語スキルでは、ラベルに書いてあった商品名を判読することができなかった。
だからこそ、「謎ドリンクにチャレンジだ!」という気持ちが生まれたのだけど。
そのめんつゆが半額コーナーに、いろいろな商品と一緒に置かれていた状況も、彼が撃沈する要因にはなった。
ただ、ネットを見ると、ペットボトル入りのめんつゆをがぶ飲みする外国人もいるらしい。
中身は別の飲み物かもしれないが、「こんなの初めて!」とめんつゆの味を気に入る外国人もいそうな予感はある。
これは超例外だろうけど、たっぷり汗をかいた体には水で薄めた麺つゆで水分補給をするといいから、それを持って野外フェスに行くという日本人もいた。
外国人が、希釈しためんつゆを飲んでいた可能性はゼロではない。
日本の大学に留学していて、今は母国にいるドイツ人と話をしていたとき、上のトルコ人の失敗談を聞いた。
そのドイツ人は真剣に日本語を学んでいて、ひらがなとカタカナ、それと簡単な漢字の読み方はできる。
彼は「茶」の漢字は分かるから、「めんつゆとお茶を間違えるなんて考えられないよ~」と笑っていたけど、やっぱり日本で失敗は避けられなかったと言う。
「あなたが日本で経験した最悪の飲食物は?」と聞かれたら、そのドイツ人はためらいなく、「麦茶」と答えるらしい。
彼が日本へ来て驚いたことの一つに、お茶のバラエティーの広さがある。
コンビニのドリンクコーナーの前に立つと、さまざまな種類のお茶で視界を埋め尽くされ、「これが日本か…」とその光景に圧倒された。
彼がドイツで住んでいた地域では、緑茶は普通のスーパーには無く、アジア人が経営する食料雑貨店に1~2種類あるだけ。
だから、彼は日本にいる間、いろいろなお茶に挑戦しようと決意した。
ある日、麦茶を見つけた彼は「これはnew」と思い、さっそく購入して飲んでみると、奇妙な味と匂いに「なんだこれは!」と全身が震えるほどの拒否反応が起きて、思わずペッと吐き出してしまった。
彼の感覚としては、麦茶はこの世に存在してはいいけない飲み物だ。
文字どおりこの苦い経験から、「この地雷はムギチャというのか。よし、もう二度と買わないゾ」と彼は心に誓う。
もちろん、「ウマしっ/マズっ」という感覚の違いは個人差による。
知人のアメリカ人は彼と反対で、麦茶はカフェインレスで、緑茶にはない香ばしさがあるという理由から、とても気に入っていた。
そこそこの日本語力があり、麦茶で苦しい思いをしたにもかかわらず、彼は自動販売機でまた麦茶を買ってしまった。
口に入れた瞬間吐き出して、またあのトラウマがよみがえる。
彼は「むぎ茶」なら読むことができたが、「麦」の漢字はまだ学習していなかったから、「麦茶」を見て未体験のお茶とカン違いしたらしい。
外国へ行って、飲み物で失敗する人は世界中にいる。
3種類の文字を同時に使う日本は例外的だから、外国人にカン違いを起こさせ、地雷を踏ませる可能性は高い。
でも、日本は治安の良い国だから、失敗してもたいていはかすり傷で済む。
おまけ
外国人は麦茶をどう思うのか?
海外のアマゾンで、「伊藤園の麦茶」に対するアメリカ人のレビューを見てみると、最高評価の五つ星が78%、最低の1つ星が4%だから、全体的な評価はかなり高い。
ITO EN Japanese Barley Tea Kaori Kaoru
あえて、1つ星評価を紹介するとこんな感じ。
「ITO EN Japanese Barley Tea Kaori Kaoru」
・なんかトウモロコシの匂いがする。
水に少し酸っぱいものを加えたような味で、家族の誰も好きではなかった。
・冷たい水で焦がした麦のような香りと味がする。カップの半分くらいしか飲めなかったので、残りは捨てるつもりだ。
・麦茶は特に味を感じなかった。
ペンシルベニアの地元にあるアジア食品店のお茶と比べて、豊かな風味がない。
それに値段も高いし、お勧めはしない。
ドイツ人はバウムクーヘンを食べるのか? 日本の物とはどう違う?
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