数年前に韓国人の知人から、「最近の韓国では、日本語の“おまかせ”が流行ってますよ」という情報を聞いた。
これは文字通り、メニューを店のシェフにまかせるスタイルのこと。
韓国の人たちに「おまかせ」はキャッチャーな言葉だったようで、日本料理店だけでなく、韓国料理やイタリアンの店でも「おまかせ」メニューを提供しているらしい。
日韓はお隣どうしだから、こういう現象は昔からある。
最近、日本人と韓国人が交流するSNSグループで、ある日本人メンバーが「日本から韓国へ伝わった有名なものには何がありますか?」と質問をした。
それに対して、韓国人のメンバーは唐辛子、サツマイモ、タバコを挙げる。
上の3つは朝鮮出兵から江戸時代の間に、日本から韓国へ伝わったものだ。
今回は、韓国人メンバーが挙げたもので、日本統治時代(1910〜1945年)のころに朝鮮半島へ渡り、いまでも韓国で有名なものを紹介しよう。
フナパン
・たい焼き
日本の庶民のお菓子であるたい焼きは、統治時代に韓国へ伝わり、現地でも製造されるようになった。
日本では、「めでたい」に通じる縁起の良い魚としてタイが選ばれたが、韓国では「フナ」(붕어、プンオ)の形になっていて、「プンオパン」と呼ばれている。
(形はたい焼きとソックリだから、日本人でも初めて見たら、きっとたい焼きとカン違いする。)
日本では、韓国版のたい焼きをよく「フナパン」と直訳して呼んでいる。
日本のたい焼きと同じく、フナパンも韓国で庶民に愛されるおやつとして定着した。
・おでん
魚のすり身で作った竹輪やかまぼこなどの練り物を、英語では「Fish cake 」と言い、韓国語では「어묵」(オムッ、オムク)と言う。
韓国の街によくある屋台では、だしで煮込んだ「オムッ」が串に刺さった物が売られている。
これが「오뎅(おでん)」で、統治時代に日本から伝わった「おでん」がルーツになっている。
韓国では、冬の厳寒期には体感気温がマイナス20度になるという。
そんな時にあつあつのおでんを食べて、紙コップでおでんのスープを飲むと体があったまる。
左上で湯気がのぼっているのが「おでん」
・たくあん
たくあん(沢庵漬け)も統治時代に韓国へ伝わったもの。
ウィキペディアによると、「日帝の持ちこんだもので良かったものは、沢庵だけ」という格言があるほど、いまの韓国社会で広く普及している。
しかし、なぜか韓国には、「たくあんは韓国から日本へ伝わった」という逆転した説もあるが、これは間違いだ。
韓国では、洋食にたくあんが添えられていることがある。
日本人が韓国のレストランで、ハンバーグやステーキを注文したら、たくあんも一緒に出てきたとビックリした人もいる。
このスタイルは、日本の洋食スタイルが朝鮮半島へ伝わったことの名残り。
トラケウの旗
「たくあん」について、韓国語のウィキペディア(단무지)を見てみたら、面白い情報を発見。
南太平にはニュージーランド領のトラケウ諸島があり、その旗の黄色はたくあんと似ている。
トラケウは日本帝国に支配された歴史がないため、現地では、たくあんをたまに食べることはあっても、あまり多くは食べないという。
*これが原文で、上の記述はそれを機械翻訳したものだから、日本語としては少し不自然さがある。
「단무지는 토켈라우의 국기의 노란 돛과 닮았으나, 현지인은 토켈라우가 일본 제국이 지배했다는 역사가 없다는 이유로 가끔 먹지만 많이 먹지 않는다.」
日本語で「トラケウ・日本・たくあん」と検索しても、情報が出てこない。
上の話は一体なんのことなのか?
・花札
日本から韓国へ伝わったものとして、「花札」を挙げる韓国人がいた。
日本の統治がはじまったころか、その直前の朝鮮王朝の末期に、任天堂製の花札が韓国へもたらされ、花札は全土へ広がっていく。
日本では花札が下火になったが、韓国では1950年ごろにデザインが変わり、大衆に普及したという。(화투)
日本の花札遊びの「こいこい」を元にした「ゴーストップ」は、いまの韓国でも人気が高い。
ということで、統治時代のころに日本から韓国へ伝わったものには、たい焼き・おでん・たくあん、それと花札があった。
それぞれいまの韓国では、国民的な食べ物や遊びになっている。
【キmチ】日本人と韓国人の“文化観”の違い 愛と誇りと正確さ
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