ドイツ人が日本で生活をしたら、どんなことを感じるのか?
日本の大学に留学していた20代のドイツ人の男女に話を聞いたから、今回はその内容を紹介しよう。
ちなみに、彼らはドイツ北部の都市ブラウンシュヴァイクに住んでいた。
個人的に、日本語をドイツ語に変換すると、格調がワンステージ高くなるように感じていた。
たとえば、静岡を英語にすると「サイレントヒル」、ドイツ語では「シュティレンヒューゲル」になって、ドイツ語のほうがカッコよく聞こえる。
新潟を「ノイエラグーネ」、長野を「ランゲンフェルト」と言うと、まるで「剣と魔法の国」にある都市のよう。
まー、ひとり言デス。
ドイツのクリスマスマーケット
以下、「A」はドイツ人男性、「B」は女性のこと。
ーー日本で暮らしていて、「これはツライ」って思うことはある?
ドイツ人A「ボクにとっては言葉の壁だけ。日本の公共交通機関は時間に正確で街はキレイだし、治安も良い。食事も安くておいしい。困ることがあるといえば、ボクの日本語がヘタで、日本人とコミュニケーションを取れないことだけだよ」
ドイツ人B「わたしも同じ。でも、雨季の時期はしんどかった。ドイツの気候は雨季がなくて、全体的に乾燥しているから、わりと過ごしやすい。だから、日本の梅雨の時期は暖かくてジメジメしていて、今年わたしは初めてそれを経験したから、気持ち悪かった。」
A「わかる〜。カッパを着て自転車で大学へ行くと、すごく汗が出て、Tシャツが体にくっつくから不快になるし、ウンザリする。」
ーーなるほど。
雨季になると、日本では長靴をはいて「ピチピチ チャプチャプ ランランラン」と喜ぶ子どもがいるけど、ドイツ人にはTシャツがピチピチになって、まったくウキウキしないと。
A:「それに、そのころ部屋にゴキブリが出たんだ。生まれて初めて見たから、本当にビックリした。」
B:「わたしは人生で一度だけ、ドイツの大学の研究室でゴキブリを見たことがある。その時はみんなパニック状態になった。あそこは暖かくて汚かったからだと思う。日本ではまだ見たことないから運がいい。でも、もしそれが現れたら、部屋ごと燃やすかもしれない」
ーー気候的にジメジメしていなくて、Gもいない。日本人からすると、その環境はパラダイスだ。
ところで、日本で驚いたことってある?
B:「日本は先進国なのに、オンライン化が進んでいないこと。」
A:「それ!」
B:「日本で住むことになって、市役所で必要な手続きをしようとしたら、書類に記入して提出する作業が多くてビックリ。ドイツだったら、ネットで済ませるようなことでも、日本では役所に行って手書きで作業をしないといけない。」
A:「ボクも市役所で、『一世代前のドイツはこんな感じだったんだろうな』って思いながら、ペンで記入していた。日本には世界最先端のテクノロジーがあるのに。」
B:「そうそう。技術がない国なら仕方ない。でも、日本はあっても使わないから、その理由がよくわからない。これは国民性の問題で、日本人は保守的で変化を嫌うからかな?」
ーー日本は伝統をとっても大切にする国だから。
アナログ度合いでいえば、いまの日本社会は東西ドイツが再統一したころと同じかも。
そう言えば、知人のインド人留学生がコンビニでバイトをはじめたとき、ファックスを見て衝撃を受けた。いまのインドでは、それは博物館で見るようなものだからって。しかも、FAXを使う人がたくさんいたから、本当に不思議に思ったらしい。」
A:「いまのドイツでも、ファックスは無くなったな〜。お金のない田舎の役所が使っている、というイメージ。見たことないから知らないけど。」
ということで本日のまとめ。
ドイツ人としては暑くジメジメした気候が苦手で、アナログ社会にはちょっと面倒で戸惑うことがある。
それでも、言葉の壁ほどの困難はない。
全体的に、彼らが日本で楽しく生活できていて良かった。
コロナ禍のとき、東京にいる医者が感染者の情報を手書きして、都庁へファクスで送っていたことに海外メディアが衝撃を受けて、それが「ニュース」として報道された。
そんなこともあって、いま日本の省庁では、アナログからIT化への脱皮を図っている。
2024年の1月、経済産業省はついにフロッピーディスクの使用を廃止した。
つまり、それまで文書の申請や提出では、FDを使うことがルールになっていたのだ。
この島国では、オンライン化への道はまだまだ遠い。
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