19世紀末、いまの福島県出身の本間 九介(きゅうすけ)が朝鮮半島の各地を旅行して、日清戦争がはじまる直前の1894年に、新聞に紀行文を連載した。
その中で、彼は朝鮮の食文化についてこんな点に注目している。
朝鮮には、好んで辣味を食するという風俗がある。魚の汁や味噌汁などを調理するときに、何にでも胡椒(唐辛子)を加えないものはない。
「朝鮮雑記――日本人が見た1894年の李氏朝鮮 (祥伝社) 本間 九介」
当時の日本人から見ると、朝鮮の人たちは辛い味(辣味)が大好きで、さまざまな食べ物に唐辛子を入れることが印象的だったらしい。
ちなみに、日本の子どもが砂糖菓子を好むように、朝鮮の子どもたちは生姜や大根を食べて喜ぶから、本間は「たいへん奇妙な風俗」と記している。
この感想は現代も変わらない。
約150年後のいまでも、日本人が韓国を旅行していろいろなものを食べると、日本料理との辛さの違いを実感する。
キムチやトッポギ、スンドゥブなど、韓国料理には赤くて辛いものが多い。
個人的な食レポをさせてもらうと、韓国で味わった料理の7割は許容範囲の辛さで、2割は罰ゲーム、残り1割は人権侵害レベルの辛さだった。
上位10%にある料理は一口食べただけで、口の中がエクスプロージョン(爆発)して、すぐに消化が必要になる。このクラスの食べ物になると、注文しても8割以上は残してしまった。
日本人の舌に本場のキムチは辛すぎるから、日本では甘めのキムチに人気が集まっている。
この現象は韓国人にとっては微妙で、あまり喜べないらしい。
なんで韓国の人たちは、こんなにも辛いものが好きなのか?
日本と比べると、朝鮮半島はとても寒いから、昔は辛いものを食べて体を温めていたのでは? と考える人もいたけど、実際のところは謎。
韓国料理で辛さのベースとなっているのが、唐辛子。
これは16世紀、豊臣秀吉による朝鮮出兵の際、日本から韓国へ伝わったとされている。
唐辛子を使って作るコチュジャン(唐辛子みそ)は、現代の韓国の食文化に欠かせない一品だ。
朝鮮半島には、好んで辛いものを食する風俗があるというのは21世紀も変わらない。
でも、現代では、韓国人がそれを海外へ持っていくところが違う。
コチュジャン
20年ほど前、インドを旅行していて、コルカタの宿で韓国人の旅行者と知り合った。
彼女は、(韓国人にとっては)無敵の万能調味料があると言って、上のコチュジャンを見せてくれた。
彼女によれば、これをつければ、とりあえず何でもおいしくなる。
キュウリやニンジンにコチュジャンをつけて食べると、確かに美味。
韓国では、焼肉や刺し身にもこれをつけて食べると聞いたけど、あれはどうなんだろう?
この韓国の旅行者は、インドのパン「チャパティ」にコチュジャンをつけて食べることが多いと言う。
コチュジャンには殺菌作用があるから、衛生環境の悪いインドで重宝するし、腸の働きを良く効果もあるらしい。(ホントかどうか知らない)
理由は不明でも、コチュジャンを持って海外旅行へ出かける韓国人が多いのはガチ。
150年後の日本人も表現が違うだけで「朝鮮には、好んで辣味を食するという風俗がある。唐辛子を加えないものはない」と思うはずだ。
チャパティ
これにコチュジャンをつけて食べてみたけど、個人的にはノーサンキュー。
上か下か?日本と比較したがる韓国に、アメリカ人も”why”?
確かに韓国人は辛さが好きです。
言及したように、韓国料理は唐辛子の粉が基本と言っても過言ではないほどです。
さて、その重要な「唐辛子の粉」が韓国人が大嫌いな豊臣秀吉が起こした壬辰倭乱(文禄·慶長の役)の際に朝鮮に入ってきたことを知っている韓国人はほとんどいません。それにタバコもその時に朝鮮に流入しました。韓国で昔話を始める時、”トラがタバコを吸っていた頃に、、”と始まるのですが、その”昔”がやっと文禄·慶長の役が起きたあの時代だということを知っている韓国人もほとんどいません。「事実」を知れば、韓国社会は大きく揺れるでしょう。日韓関係は「隠されているもの」が多すぎます。
メキシコを原産とする唐辛子が日本と韓国に伝わると、独自の進化をとげました。
両国の文化差がみえておもしろいです。