韓国の左派・ハンギョレ新聞で、日本人の弁護士さんがこんなコトを言ってる。(2022-09-13)
「日本が『植民地支配の不法性』認めれば良いことばかり」
独自の解釈で日本の朝鮮半島統治を「不法」と断定するこの弁護士は、日本の指導者もそれを認めることが日韓関係にとって重要だと訴える。
これは韓国最高裁が2018年に、元徴用工裁判で示した認識とピタリと一致。
1910~45年の日本の統治については、それを不法だった主張する韓国と、いいや合法でしたと言う日本との間で何度も何度も話し合いを重ねて、結局それは白黒つけずに、両政府が1965年に日韓基本条約を結んで国交を回復させた。
違法か合法かにこだわっていたら、1ミリも先に進めない。
だからそれは棚上げにして、合意を結ぶことは現実的だったしそのときの最適解だ。
それを50年以上経った後、いきなり韓国最高裁が否定して、日本の統治を違法と決めつけたから、日本政府は大反発し日韓関係は落ちるところまで堕ちたのだ。
国と国の合意をどちらかの国の司法が、後から一方的にひっくり返すことはできない。
そんなことをされたら、その国と約束する意味が無くなるし、すべての話し合いはすべて無意味になる。
司法に日韓基本条約を否定する権利が無いことは日本も韓国も同じで、そもそも終わった歴史を蒸し返してはいけない。
個人が自分の判断で不法を主張するのは勝手で、それは表現の自由のストライクゾーンにある。
でも、50年以上も守り続けてきて、日韓関係の土台になっている約束をひっくり返して、日本が「植民地支配」の不法性を認めることは1200%あり得ない。
記事のタイトルになっていて、最も重要な部分は「日本が植民地支配の不法性を認めたら、実は良いことばかり」ってところだ。
日本政府がそうしたら、こんなスバラシイ未来が待っていると弁護士さんは語る。
日本の国際関係が好転し始めることは当然のことです。それ以上に私が一番重要と考えるのは、虚構を信じながら生きる必要がなくなることです。日常的にストレスが減り、子どもの教育にはたとえようがないほど、良い効果があると思います。
虚構を信じながら生きていて、日常的にストレスを感じる人なんていまの日本で一体何人いるのか。
この弁護士はバラ色の未来をイメージするだけで、それが具体的にどんな世界なのかまったく見えてこない。
日本の国際関係が現在に比べて、どこがどう好転するのかという核心部分を言わないで、「当然のことです」とひとり納得している。
「学問の自由も、思想・信条・表現の自由も失われてしまう」とか「虚構を信じながら~良い効果があると思います」というのはこの人の主観で、有効範囲は同じ価値観をもつ例外的な人だけ。
1965年に終わったことを掘り起こし、独自解釈から「虚構」と決めつけても日本と韓国には関係ない。
関係の土台となっている約束を今になってひっくり返せば、「良いことばかり」ではなくて混乱しか生み出さない。
その点、保守派の朝鮮日報でコラムを書いている韓国人記者は冷静で現実的だ。
論説委員をしているこの人物は、国家間の約束を司法が否定できないことを指摘し、事実を客観的に把握している。(2018/12/05)
外交条約にまで口出しできる司法権を持つ裁判所は、経済協力開発機構(OECD)加盟国にはほかにないと聞いた。約50年間にわたり維持してきた合意や約束を覆せば相手が反発して関係が悪化するだろう、ということは誰もが知る事実ではなかったのか。
「反日の代償」は高い
これまで韓国政府が「反日的な」言動をすると、日本は通貨スワップを中止するなど相応の代価を払わせてきた。
それは韓国にとって重い代償だった。
政府間の合意を一方的にねじ曲げる裁判所なんて世界の非常識で、先進国では考えられない。
これでは日本国が韓国司法より下に存在することになってしまう。
大事な合意や約束を覆せば相手が激怒するのは、子どもでも分かるアタリマエ。
このまま現金化が進めば日本は韓国に対して制裁をおこない、結果的に両国で数兆円から数十兆円のダメージがでるという予測もあって、広がる影響の範囲ははかり知れない。
その際、より大きな痛みを受けるのは韓国側だ。
「反日の代償は高い」という韓国人の見方はまったく正しい。
にもかかわらず、韓国外交部(外務省)の官僚は「これまでのパターン通り時間が経てば解決するだろうという」と楽観的な見方をしているから、この論説委員は強い危機感を感じている。
「日常的にストレスが減り、子どもの教育にはたとえようがないほど、良い効果がある」という具体的な根拠も中身も無い日本人弁護士のお花畑予想よりも、それとは比べられないほど、事実に基づいて展開するこの韓国人記者の見解は論理的で現実的だ。圧倒的な説得力がある。
いまやるべきことは、1965年以前に戻って歴史をつくり変えることじゃない。
「外交条約にまで口出しできる司法権」の異常性を理解して、合意を覆したことで発生した混乱を収めることだ。
まずは日韓関係を吹き飛ばす破壊力をもつ、現金化という時限爆弾を凍結しないと。
日本の新聞が文大統領に「”反日”体質・歴史のわい曲」と批判。
韓国の大法院(最高裁判所)といっても、”歴史”を判定する権利はありません。
歴史はそれ自体として存在するものであり、裁判所の判決の対象ではありません。
過去の植民地の歴史を裁判所で判決すれば、イギリスやフランス、オランダ、ポルトガルなど西欧の強国は植民地賠償で国が破産するでしょう。過去の行為に対して人間的謝罪は両国間の友愛の土台になりうるが、裁判所が出るのは越権です。
朝鮮が日帝に併合されたのは、日帝の侵略欲によるものというよりは日本の自衛手段であり、朝鮮自ら国を守るだけの意志や力を持っていなかったためです。
現在、大韓民国ですべきことは、国を富強にして外勢の侵入から自国を守れるようにする努力です。過去の歴史を口実に無条件の反日思想を国民に植えつけることは、再び亡国の道を歩かせるでしょう。
そうですね。
日韓両政府の上に司法が存在することはできません。
あとからひっくり返されると分かっていれば、話し合いも約束もできません。
韓国最高裁が日本企業に賠償を命じて、いま一番困っているのは韓国政府でしょう。
<<<日本の弁護士「日本が『植民地支配の不法性』認めれば良いことばかり」
三浦 淳(新潟大学人文学部)
「外国では受容者=弟子としてペコペコし、逆に国内では輸入品を振りかざして啓蒙家=教師を気どる——これが明治(建国)以来、日本の二流知識人が一貫してとってきた行動様式だった。 同じ知識階級でも一流ならこういう莫迦な真似はしない。 日本の欠点は欠点として指摘し、しかし対外的にも言うべきは言う。 考えてみればそれは当然のことだが、この当り前のことが一番難しいのが日本の二流知識人なのである。」
反捕鯨の病理学 (第1回)