【白馬非馬】日本人を困らせる、中国人の言い訳の“原点”

 

山の緑化を指示された中国のある地元当局は、植物を植えるのが激しく面倒くさかったらしい。
それで「ピコーン!緑のペンキで塗れば超カンタンじゃん」と思いついただけでなく、ガチでそうしてしまった。
すると国営通信が「まじめに仕事しろ」と怒り、国民から批判が殺到したといういつもの中国劇場の出来上がり。

【山の緑化作戦】中国人の発想に、日本人も外国人もビックリ

 

植物のタネを含む特別な土壌を散布して、山を緑化するこのやり方はグッド。

 

この「ペンキ山」の一件でおもしろいというか、中国人的だなと思ったのは、非難を受けた地元当局の人間が「これは一時的な処置で、いずれは植物を植えて緑化を行なう予定だ」と釈明したこと。
中国人には「謝ったら負け」、「非を認めたら死んでしまう」といったところがあって、こじ付けレベルの強引な言い訳をすることがよくある。

もちろんこれは一面だけを取り上げたステレオタイプのイメージだ。
でも中国人と一緒に働いたことのある日本人なら、「それな!」と心からこの見方に共感して、それで苦労したという話をエンドレスで話せる人が続出する予感がある。
実際、グーグルやヤフーに「中国人 言い訳」と入力して結果を見てほしい。
日本人の不満や怒りが洪水のように出てくるから。
ある日本人は、面接に遅刻してきた中国人にそのワケをたずねると、「あなたの送った地図が分かりづらかった」という返事が返ってきて、言葉を失ったという体験談を書いている。
上海の宿で日本語ガイドを待っていて、連絡もなく遅れてきた中国人ガイドに、「この宿は分かりづらいところにありますね。もう少し立地を考えたほうがいいです」と謝罪の言葉は一切ナシで、平気な顔で言われたことのあるボクとしてはこの日本人には共感しかない。

ただこれは「悪い」というより、「違い」と理解したほうがいい(部分もある)。
山肌をペンキで塗っても、「これは一時的な処置だ」と非を認めず言い返すように、中国人同士でやってることで、特に日本人に対して悪気があるわけではない。
これは日中の文化や価値観の違いだ(と自分に言い聞かせよう)。
でも、考え方の違う相手と暗中模索、試行錯誤して対応の仕方を見つけることで、自分の幅が広がり、外国人を相手にする自信がついたというポジティブな日本人もいる。

 

日本人からすると「まさか」の方角や発想から、中国人がアクロバティックな言い訳をすることには”原点”があった。
それが「白馬非馬」という言葉。
「白馬は馬に非(あら)ず」(白い馬は馬ではない)というのは一体どういうことなのか?
この説を唱えたのは、秦によって中国が統一されるまでの戦国時代に生きた「公孫竜」(こうそんりゅう:紀元前310年代ごろ~前250年代頃ごろ)という人物だ。
弁論家の彼は「馬」とは動物に基づく概念で、「白」とは色に基づく概念だから、両者はまったくの別もので同じではないと言う。
動物と色はそれぞれ別のジャンルだから、その二つの概念を一つにした「白馬」は馬ではないと彼は主張した。
もちろんこれは詭弁だ。
相手を説得させるために、誤っていることを正しいと思わせる言葉のトリックにすぎない。

公孫龍はほかにも、白い石は一つのものではないという「堅白同異(けんぱくどうい)」を唱えた。
目で見れば「白」であることが分かるけど、堅(かた)いかどうかは分からない。
目を隠してさわれば「堅い」ことは分かるけど、それだけでは色を認識することはできない。
色と触覚はまったく別のジャンルだから、堅と白は両立しない。ゆえに白い石は一つのものではないと公孫龍は唱えた。

「白馬非馬説」や「堅白論」は頭の体操としてはいい。
でも、仕事のミスの説明としてこんなコトを言われると、日本人の感覚だと「ちょっと何言ってるか分からない」を越えて、心の底から怒りがわき上がったり、人によっては軽い殺意を覚えるレベル。
素直さ・潔さを重視する日本人の価値観からすると、公孫竜は絶対に部下にしたくないタイプだ。

個人的に、これが中国人の言い訳やヘ理屈の“原点”と思っている。
2千年以上前から、こんなアクロバティック理論が記録として残されていて、ぼう大な蓄積のある国と日本はまったく違う。
ということで、「日本非中国説」を唱えさせてもらおう。
でも、「艱難(かんなん) 汝(なんじ)を玉にする」という西洋のことわざがあるように、悩みや困難を経験して人は成長する。
高く飛ぶためには、膝を深く曲げないといけない。逆境は飛躍へのチャンスだ! と思うともう少しガンバレルかも。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。