2024年のきょう2月10日は、日本では豚丼の日、ふとんの日、左利きグッズの日といった記念日になっている。
でも、日本の周囲を見てみると、明らかに雰囲気が違ってアゲアゲだ。
たとえば韓国人はSNSにこう書いた。
갑진년 새해 복 많이 받으세요~~
(明けましておめでとう~~)
これは台湾人のメッセージだ。
「祝福大家新年快樂~龍年行大運~身體健康~萬事如意!!!」
(みなさんにとって辰年の新しい年は幸多く、何事もうまくいきますように!)
これはベトナム人。
「🎊🎊🎊Chúc Mừng Năm Mới 🎉🎉🧧🧧
Năm mới mong 2 mẹ con và những người thân nhiều sức khỏe,bình an !.」
(🎊🎊明けましておめでとうございます🎉🎉🧧🧧
あなたと家族にとって、新しい年が健康で平和であることを祈りします)
東アジアでは、今日から正月がはじまるから、日本の隣人は一斉にこんなお祝いメッセージを発信したわけだ。
日本でも中華街で正月のお祝いがおこなわれる。
日本も江戸時代までは、同じように旧正月を祝っていたけれど、明治時代になって西洋暦を採用して、正月も1月1日に引っ越したから、いまでは東アジアの“ぼっち”になってしまった。
日本が旧正月を廃止したことについて、ある韓国人はSNSで「脱亜の象徴的事件」と表現した。
ベトナムの正月飾りとお年玉(か?)
19世紀末、本間 九介(きゅうすけ)という日本人が朝鮮半島を旅行していたとき、ある知識人と出会い、筆談をおこなった。
その韓国人は日本について、不可解に思うことがあると本間にこんな質問をする。
「(日本は)何を苦しんで、西洋の臣隷(家来)となり、その正朔を奉じ、腥膻を学ぼうとするのでしょうか」
「私どもの国は、清国の正朔を奉じております」
ソース:「朝鮮雑記――日本人が見た1894年の李氏朝鮮 (祥伝社) 本間 九介」
腥膻(せいせん)とは、 なまぐさいことや汚らわしいことを指す。この場合は西洋人のこと。
また、正朔(せいさく)は1月1日や暦の意味。
韓国人は中国の暦を使っているのに、日本人は西洋の暦を採用し、西洋人に文化や科学を学んでいる。だから、この韓国人には、日本が西洋の家来になったように見えた。
本間も前々から、日本人が極端に西洋のマネをすることには批判的だったから、韓国人にこう言われて恥ずかしさを感じた。
「じゃあ、韓国は中国の臣隷なんだな」とツッコミを入れたら、当時の韓国人ならきっと「そうですけど、それがなにか?」と受け流して、現代の韓国人なら激怒する。
明治時代、日本政府は西洋列強を参考にして、大胆な社会改革を行った結果、日本は近代国家として生まれ変わった。
その時、「日本は後進的なアジアから抜け出し、ヨーロッパ列強の一員になる」という「脱亜入欧」の考え方が広がる。
いまから考えると“上から目線”な見方なんだが、当時の日本人はそう考えていた。
それで日本は教育や政治、社会制度などで西洋のやり方を取り入れ、東アジアに「サヨナラ」を告げて、欧米列強の仲間入りを目指した。
第一次世界大戦後、日本はアメリカやイギリスなどと並び、「世界五大国」の一つとなる。
130年前の韓国人の目には、西洋暦を採用した日本は西洋の臣隷となったように見えたかもしれないが、実はそれは最適解だった。
現代の韓国人の言う「脱亜の象徴的事件」がなかったら、日本は西洋の植民地になっていたかもしれない。
日本人から見た韓国人 130年前と変わらない“辛いもの”好き
中国~インドのアジア人の話:日本の生活、韓国、イスラム教など
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