【明治〜令和】アメリカ人が感心する日本人の秩序正しさ

 

日本は明治時代になると、近代的な国家に生まれ変わるために政府は積極的に西洋人を招き、先進的な知識や技術を学んでいた。
アメリカからやって来て、東京帝国大学の教授になったエドワード・モースもそんなお雇い外国人の一人。
西洋人からすると、まったく伝統の違う日本人から学ぶこともあったようだ。

モースはある時、同僚の外国人と一緒に東京で行われた相撲を見に行った。
といっても、会場にいた日本人にとっては力士よりも、青い目をした白人のほうが珍しい存在だったから、彼らは「見られた側」だったと思われる。
彼はその場にいた日本人の振る舞いを観察し、日記に「巡査がいないのにも係わらず、見物人は完全に静かで秩序的である」と書いている。
そして、相撲が終わり、たくさんの観客が一斉に帰る様子を見て、早く進もうと前の人を押したり、大声で話したりする人がいないことに感心し、モースはふとこんなことを考えたという。

「私はこの行為と、我国に於る同じような演技に伴う行為とを比較せずにはいられなかった。」

こうした大勢の人が集まるイベントで、アメリカ人が日本人と同じレベルで秩序正しく行動するには、警察官の存在が必要だったらしい。

 

モース(1838年 – 1925年)

 

日本人に対するアメリカ人の印象は現代でも変わらない。
彼らが来日すると、日本人はルールや規律、時間をよく守って行動するから、モースのように「とても秩序的である」と感じる人は多い。
日本の学校で英語を教えていた知人のアメリカ人の場合は、4月の入学式ですぐにそれを体験した。
まず、彼女はその数日前に、入学式のパンフレットをもらい、その内容を見て衝撃を受ける。
そこには、

9:00:新入生の入場
9:13:校長式辞
9:23:来賓祝辞
9:28:祝電披露

といった感じに、式での行動が1分単位で書かれていたのだ。
「本当にこの通りにできるの? ならば見せてもらおうか、日本人の時間厳守とやらを」と彼女は思ったのだけど、当日、入学式はほぼスケジュール通りに進行した。
それで彼女は、「認めたくないものだな。自分自身の、無知の過ちというものを」と思ったかは知らないが、すっかり感心したと言う。
しかし、入学式だけに、これは始まりにすぎなかった。

 

先日の3月21日は、1874年に日本初の運動会と言われる「競闘遊戯会(きそいあそび)」が行われた日。
明治政府は1870年に海軍兵学寮(後の海軍兵学校)を設立し、イギリス海軍の軍人だったダグラスを指導者として招いた。
彼がスポーツ大会の開催を提案し、それが認められた。
当日は、徒競走、幅跳び、玉投げなど今の運動会でもおなじみの競技のほか、体に油を塗られた子豚を捕まえるという、バラエティー番組みたいな競技も行われたらしい。

 

競闘遊戯表

 

日本の学校で働いていた知人のアメリカ人だけでなく、イギリス人、ポーランド人、フィリピン人もビックリしたのが、運動会のスケジュールだ。

9時05分から30分まで◯◯を行う。
9時30分から36分まで片付けと次の競技の準備。
(生徒は◯◯分までに、□□で列に並んで待機)
9時37分から10時00まで△△を行う。

こんな感じに、分刻みで細かく決められていた。

このアメリカ人の感覚だと、こんな学校行事のスケジュールは15分単位で書いてあれば十分。
1分単位になっていることに対しては「本当にスゴイ!」を超えて、「そこまでする必要がある?」と疑問を感じたらしい。

当日はさすがに、100%スケジュール通りにはいかず、競技がやや遅れたり、逆に急ぎでおこなったりして、閉会式はほぼ予定の時刻から開始することができた。
これだけの内容を、限られた時間にすべてやり終えたのはさすが。
それに運動会の最中、競技が行われている裏で、次に行われる競技の生徒が時間通りに移動して待機し、二列に並んで入場&退場するのを見ると、アメリカ人としてはその規律正しさに感心するしかなかったと言う。

日本人の態度や行動を見ると、令和のアメリカ人もきっと「静かで秩序的である」と感じる。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。